たびびと

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矛盾

2012年05月23日 | こころの旅
次から次へと、プレパラートが整理されている細菌ファイルのページをめくっていく。
Oリングテストはなかなか反応しないようだ。

15分が経過した。

「うーん…これで終わりかな」

ようやく検査が終了し、診察室にもどる。


「反応したのはこれだけだな」
先生は紙に病名と感染している細菌を書いて、ぼくに手渡した。


ライム病
ボレリア感染症


太さ0.7mmのボールペンのインクがコピー用紙に少しだけにじみ、文字は太くなっていた。
読み間違いはない。
聞いたことがない病名だった。

先生が病気の概要を説明してくれる。

続いて、体にあうサプリメントの検査に入る。
4種類のサプリメントが決定された。

先生が推薦してくれたのは次の4つだ。

プロポリス エスタプロント
AHCC
ルンブレンSPゴールド
中国パセリ

「クリニックでは販売していないので、購入するなら、この紙に書かれている番号に電話をして、購入してください」

購入するかどうかは、患者の判断に任されていた。
強制的に薬を処方され、服用しなければならない病院とはやり方が違っていた。


他のOリングテスト認定医師に処方された漢方薬と家から持参したたくさんのサプリメントを見せた。

「これ、体にあっているかチェックしてもらえますか」
「ああ、いいよ。いいよ」

すぐに、隣にいた看護師さんと一緒にOリングチェックをしてくれる。

「どれもあってないね。飲まない方がいいよ」
「…」

「これは、他のOリングテスト認定医に処方された漢方薬ですけど」
とは言えなかった。

「数週間前に処方されたものなので、今は体に合わなくなったのかもしれない…」
と自分自身を納得させた。

気になったのは、ボレリア感染症。
ライム病とは何だろう。
説明を聞いてわかったことは、とても珍しい病気ということぐらいだ。

帰りに、横浜駅ダイヤモンド地下街にある書店有隣堂で医学大辞典を開く。

ゾッとした。
とんでもない病気。

「ど、どうすれば…」

自宅の最寄り駅前にある皮膚科によることにした。
医学大辞典に、ライム病かどうかは皮膚科で検査ができることが書かれていたからだ。

慌ただしく皮膚科のドアを開け、勢いよく受け付けの女性に聞く。
「ライム病の治療とか検査はできますか」

「ちょ、ちょっと待っててください。院長先生に聞いてきます」

「すいません。ここでは無理だそうです」

3つの皮膚科で同じ返答を受ける。
どこも対応はしていないようだ。

医学大辞典に記述されていたとおり、日本では珍しい病気。
大学病院でも、検査、治療ができるところは少ないらしい。


家に帰り、こたつの中に入る。
日の入りが早く、あたりは暗くなっていた。

一日病院巡りをしたことよりも、こんな感染症にかかってしまっていることに気がめいっていた。

「どうしたものか…」




多くの方に楽しい旅をしていただければと思います。
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