翌日の昼、仕事に一段落をつけると、足早に大学へ向かう。
12時16分。大学正門前にたどり着く。
1年中快適な気候のコスタリカ。昼はさすがに暑い。
10分近く炎天下を歩くと、背中からわずかではあるが汗がしたたり落ちる。
「おっ、来たなセニョール。待ってたぞ。さあ、中へ行こう」
守衛のマルティンは、細い目でにっこりとほほ笑む。
しっかりと昨日の約束を覚えていてくれた。
大学の入口は普通の家のドア3つほどの大きさ。
ガラス張りの大きなドアだが、大学の入口にしては小さい。
小規模な大学なので、傍目からはとても大学には見えない。
入口が小さいのには、ちゃんとした理由がある。
守衛さんが不審な侵入者を確認できるためだ。
入口が小さければ、大人数が一度に通過できない。
仮に? 強盗団が押しかけても、入口が小さければそれなりの対応ができる。
ちなみに、この守衛のマルティンは、ほとんど全ての学生と教員の顔を知っている。
なりすましでの通過を許さない。
初めて入る私立大学。
美術大学だけあって、廊下はしゃれている。
天井はガラス張り。
廊下には所狭しと生徒の作品が並ぶ。まるで小型美術館のようだ。
入口を左に曲がりしばらく進む。右に曲がり、歩くこと15m、大学の1階のちょうど中心にたどり着く。
大きなロビー。吹き抜けがあり、開放感がある。
中にはすでに約20名の学生が団らんを楽しんでいる。
すでに昼食の時間に入っていて、生徒約10人は列を作っている。
「セニョール、こっちだ。まず、料理を見なよ」
とりあえず列に並ばず、列が向かう料理棚をのぞいた。
ガラス越しに、12種類ほどの大皿が並ぶ。
31アイスクリームあるいは、ミスタードーナッツの店内を想像してほしい。
アイスあるいはドーナッツにかわり、料理が陳列されている。
注文方法は好きなものを店員さんにお願いするだけ。
ミスタードーナッツと同じだ。
店員さんはわずかに2人。
生徒からの注文を聞き、それを皿に盛る。
大盛りにも対応してくれるようだ。
「食べたい料理を店員に言えば、それを盛ってくれるよ。
最後にレジでお金を払えばいいんだ。簡単だろ。
俺は入口に戻るよ。
仕事にもどらないとな。
お前みたいに危険なやつがいつ侵入してくるか
じゃ、また後でな」
静かに微笑みながら、マルティンは今来た道をもどっていく。
仕事中に、見ず知らずの外国人を食堂へ案内した私立大学の守衛。
ちなみに、ぼくはマルティンに、
「どこの何者なのか」
を明かしていない。
要するに、自己紹介をしていない。
まあ、変な身なりはしていないので、それで信用してくれたのかもしれない。
通常なら、身分証明書を提示しなければ、部外者は入れない。
「学長と面談予約のある〇〇ですが、私は文部科学省の教育審議官です…」
こんな感じで名刺と身分証明書を確認してもらう。
守衛は学長秘書に電話をする。このアポが本物かを確認。
こうした手続を経て、中に入ることができる。
ぼくの場合は?
バカ話をしておしまい。
ノーチェックだ。
いやらしい話で打ち解けると、amigoとして認めてもらえる。すると、大概のことは便宜を図ってもらえる。
ごくまれに「まじめ」なラテンアメリカ人もいる。
この手の話にまったくのってこない。
こういう場合はの正攻法でいくしかない。
すぐに仕事にもどるマルティンは仕事熱心ともいえるが、身元未確認のぼくを校内に案内し、食事の方法まで案内することを考えると、守衛しては落第なのかもしれない。
12時16分。大学正門前にたどり着く。
1年中快適な気候のコスタリカ。昼はさすがに暑い。
10分近く炎天下を歩くと、背中からわずかではあるが汗がしたたり落ちる。
「おっ、来たなセニョール。待ってたぞ。さあ、中へ行こう」
守衛のマルティンは、細い目でにっこりとほほ笑む。
しっかりと昨日の約束を覚えていてくれた。
大学の入口は普通の家のドア3つほどの大きさ。
ガラス張りの大きなドアだが、大学の入口にしては小さい。
小規模な大学なので、傍目からはとても大学には見えない。
入口が小さいのには、ちゃんとした理由がある。
守衛さんが不審な侵入者を確認できるためだ。
入口が小さければ、大人数が一度に通過できない。
仮に? 強盗団が押しかけても、入口が小さければそれなりの対応ができる。
ちなみに、この守衛のマルティンは、ほとんど全ての学生と教員の顔を知っている。
なりすましでの通過を許さない。
初めて入る私立大学。
美術大学だけあって、廊下はしゃれている。
天井はガラス張り。
廊下には所狭しと生徒の作品が並ぶ。まるで小型美術館のようだ。
入口を左に曲がりしばらく進む。右に曲がり、歩くこと15m、大学の1階のちょうど中心にたどり着く。
大きなロビー。吹き抜けがあり、開放感がある。
中にはすでに約20名の学生が団らんを楽しんでいる。
すでに昼食の時間に入っていて、生徒約10人は列を作っている。
「セニョール、こっちだ。まず、料理を見なよ」
とりあえず列に並ばず、列が向かう料理棚をのぞいた。
ガラス越しに、12種類ほどの大皿が並ぶ。
31アイスクリームあるいは、ミスタードーナッツの店内を想像してほしい。
アイスあるいはドーナッツにかわり、料理が陳列されている。
注文方法は好きなものを店員さんにお願いするだけ。
ミスタードーナッツと同じだ。
店員さんはわずかに2人。
生徒からの注文を聞き、それを皿に盛る。
大盛りにも対応してくれるようだ。
「食べたい料理を店員に言えば、それを盛ってくれるよ。
最後にレジでお金を払えばいいんだ。簡単だろ。
俺は入口に戻るよ。
仕事にもどらないとな。
お前みたいに危険なやつがいつ侵入してくるか
じゃ、また後でな」
静かに微笑みながら、マルティンは今来た道をもどっていく。
仕事中に、見ず知らずの外国人を食堂へ案内した私立大学の守衛。
ちなみに、ぼくはマルティンに、
「どこの何者なのか」
を明かしていない。
要するに、自己紹介をしていない。
まあ、変な身なりはしていないので、それで信用してくれたのかもしれない。
通常なら、身分証明書を提示しなければ、部外者は入れない。
「学長と面談予約のある〇〇ですが、私は文部科学省の教育審議官です…」
こんな感じで名刺と身分証明書を確認してもらう。
守衛は学長秘書に電話をする。このアポが本物かを確認。
こうした手続を経て、中に入ることができる。
ぼくの場合は?
バカ話をしておしまい。
ノーチェックだ。
いやらしい話で打ち解けると、amigoとして認めてもらえる。すると、大概のことは便宜を図ってもらえる。
ごくまれに「まじめ」なラテンアメリカ人もいる。
この手の話にまったくのってこない。
こういう場合はの正攻法でいくしかない。
すぐに仕事にもどるマルティンは仕事熱心ともいえるが、身元未確認のぼくを校内に案内し、食事の方法まで案内することを考えると、守衛しては落第なのかもしれない。
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