たびびと

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人を動かす原則

2013年06月08日 | コスタリカの風
ロシータさんとシャワー室に移動する。
服を脱いで怪しいことをするわけではない。

「ロシータさん、これ見てくれる」
シャワー室の床に実際に使う量の洗剤をまく。

「量はこれだけでいいからね。
そしたら、これをたわしてこすってね…」

実際に使う量の洗剤を見てもう。
ついでに磨き方も。




言葉だけでは、ロシータさんには理解してもらえない。
だから、実際の洗剤の量を目で見てもらった。
おまけで、床の磨き方も。


山本五十六の有名な言葉がある。

「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」


人に何かの指示をだすときには、いつも、この言葉を胸にする。
教師、講師の仕事をしてきたので、この言葉は大変に役にたった。

うまくいかないときは、次のうちのどれか一つあるいはそれ以上の何かが欠けている。

やってみせる。
言って聞かせる。 
させてみせる。
ほめる。 

一度だけではダメ。
何回も何回も繰り返す。
そしてひたすらうくいったところをほめる。


人を動かすための本質的なことが述べられている。
シンプルだけど、いつも大切にしている言葉だ。

一見、簡単なことに思える内容だが、徹底するとなると、なかなか…。




ロシータさんは微笑みながら、の床のタイルを磨く姿を見ていた。

「そんな少しでいいの?
汚れが落ちないわよ?」

彼女の目線が語っていた。


「お掃除プロの女性に掃除の方法を教えているぼくは、一体、何者なんだろう…」
妙なことを考えながら、出勤前のスラックスに水がかからないよう、注意しながら床磨きを続ける。

最初のほめ言葉の時点で気をよくしてくけていたロシータさんは、最後まで笑顔を崩すことはなかった。




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