治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

B型が嫌われる理由

2018-04-01 09:06:01 | 日記
B型って嫌われるよね~って言ったら、普通血液型の話かと思われるのかもしれませんが、この世界で嫌われるB型といったら作業所のことですね。
え? 別に嫌いじゃないけど、という方も多いでしょう。
っていうかないと困るけど、という方も多いでしょう。
今後の居場所がないのではないか、と不安な当事者保護者にとって、B型作業所があるというのは希望でしょう。っていうか、たくさんあってほしい、選べるくらいにたくさんあってほしい、というのが望みなのではないでしょうか。

一方でこれは私の肌感覚ですが、B型作業所の方が「客はいくらでもいる」と思っているかというと、どうやらそうでもない。どっちかというとどこの作業所も、つねに利用者を探している感じ。たとえ今定員一杯だとしても、探している感じです。中には青田買いに熱心なところもあったり。どうやら「B型が足りないのではないか」という当事者保護者と「客がいなくなると困る」という作業所側、双方が不安を持っている感じが第三者から見るとしますね。

そしてどういう人がB型を嫌うかというと

B型が「就労支援」をしているというのを一途に信じ、そこが提供してくれる訓練を律儀にこなし、いつか本当に就労につなげてくれると考えているのに、一向にその芽が見られず、自分で動き出す準備ができている人たち。

つまり就職寸前のところまで来た人たちはB型が嫌いになります。
なぜならそこで、ストップをかけられるから。
それが藤家寛子さんの身の上にも起きたことは『藤家寛子の就活記』に書いてあるとおり。
そしてどうやら、同じような思いをしたのは藤家さんだけではなさそうですね。
多くの方が、一向に外の世界につなげないB型にいらだちを感じてきたようです。

なぜB型職員はそれほど外につなげないのか。
つなげる職員もいますよ。
でもなぜ多くの人がつなげないのか。

そこに私は「利権に誘導された飼い殺し」を見たわけですが
(詳しくは『発達障害、治るが勝ち!』を読んでね)
理由は他にもあるかもしれないですね。
職員自身が外の世界を過剰に怖がっているとかね。

最近「発達障害者支援法は誰を救ったのだろう?」とよく考えるんですが

いや、もちろん救われた人もたくさんいると思うんですよ含支援業者。
でも多くの人々に「実力以下の人生」を強いたね。

生涯にわたる支援、って別に一人の人が一生涯支援につながっていなければいけないというわけではないですね。
というかそういうイメージじゃありませんでした?
早期発見早期介入されるからこそ将来は一般社会で働ける人に育てるイメージじゃありませんでした?
違ってしまいましたね。「大卒者のグループホーム」なんてギョーカイが言い出す始末。行く着く先が保護される人生なら早期介入なんて必要なかったのでは?

こういう囲い込みの終着点で、そこから抜け出したい人は反抗し、それをまた「問題行動」と解釈されるからこそ、B型は嫌われるんですね、力のある人たちに。

つまり問題行動ととられようと、いったんはそこで反抗しなければ外に出られない。
なぜなら支援者がちきんだから。
めんどくさいシステムですな。
でも反抗してもいいのよ、っていうことを
『藤家寛子の就活記』で学んでね。


藤家寛子の就活記




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