治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「生涯にわたる支援」という洗脳

2020-08-30 10:20:38 | 日記
昨日8月29日、大阪のからだメンタルラボさんの主催で行われた
藤家寛子さん、廣木道心さんの講演会に現地参加してきました。
GoTo利用の安い日帰りツアーです。
安売りの成果か、新幹線はソーシャルディスタンスをばっちり確保しながらもそこそこお客はいた感じです。
今はちょっと個人的には暑すぎる気がしますが、インバウンドの人たちが本格的に帰ってくる前に、京都旅行なども気軽に行けるかもしれません。
この際だから行きたいところに行き、会いたい人に会っておくといいかもしれません。

藤家さんの話はもう何回も聴いているし、そもそも彼女が治った経過を見てきたわけですが、不思議なことに毎回新しい発見があります。
今回は「洗脳」というキーワードを得られました。

藤家さんの話を聴きながら、私の中で軽いフラッシュバックが起きていました。
決して悪質なものではありません。
そういえば「あの人たちはいずこに?」というフラッシュバックです。
発達障害者支援法前後のバブルで大活躍した人たちや組織。
毎週末行われた講演会。
その当時活躍していた人たち、他県から引っ越してまで頼った支援組織、それはいったいどうなったのでしょうか。最近噂すら聞きません。

藤家さんもそういう組織で支援を受け、そして自発性が高まるにつれ、むしろその自発性を抑えつけられる支援のあり方に疑問を抱き、その後は主体的に動いて今があります。
昨日の講演をzoomでごらんになった方たちが「(支援を受けていた人とは思えない)素敵なたたずまい」と書いていらっしゃいましたが、彼女の今の「たたずまい」は彼女が社会の中で役割を果たす上で獲得してきたものです。

一方で「生涯にわたる支援」をギョーカイは売り物にします。
それに安心できる人もいるのでしょう。その人たちは安心していればいいと思います。
私は先日治ったある方とお話したときのことを思い出します。
自閉症だと診断され、将来は作業所といったところに行くだろうと言われたとき
自分の子がまさか、と思った。
そんなところに送るくらいなら自分で職場作ってもいいと思った。
そして六歳までに治って、選択肢が広がったのです。

特別支援教育でさんざん手厚く?したあげく福祉に送り込む。
その実態をつぶさに見てきたのが廣木さんです。
放課後等デイ、就労支援、グループホーム、ガイドヘルパー、サービス管理者、施設長・・・
と立場を変えて廣木さんは色々な福祉の現場で働きました。
ご子息のおーちゃんさんは重度の知的障害+自閉症という診断をされながら、一貫して地域の学校に学び今はイラストレーターとして個展など開いていらっしゃいます。
地域の学校でできたお友だちが個展に来てくれたり、そういう自由な生活をしています。
廣木さんご家族は地域での暮らしにこだわり続けたけれども、福祉の実態を見ておきたくて様々な現場に身を投じられました。
そして藤家さんが悟ったのと同じ結論に至ります。

結局支援組織が一番支援したいのは自分たち。
どれだけ利用者を囲い続けて離さないか、それが彼らの営業活動である。

たとえば自動車会社だったら、自動車が500台売れるのと5000台売れるのでは売上が違います。
ところが福祉法人というのは、介護区分が重い人がたくさん確保できると儲かる仕組み。それだけ。
だから藤家さんも支援を抜けるとき、さんざん脅されたそうです。
もう困っても助けてあげないわよ。
それは当事者にとって怖いこと。
離れたらひどいことになるかも。だから自分の本当の望みや自発性を押し殺してもめんどりになりつづけるのが安全かも。
多くの人がこの圧に負けてしまっても仕方がない、と藤家さんは言いました。
支援を抜けるときに支援者がかけてくるそういう圧を藤家さんは「洗脳」と呼びました。
たしかに。「障害があるからずっと支援を受けなくてはいけませんよ」という思い込み自体に実は根拠はありませんし、それこそが洗脳なのですね。
でも飛び出してしまったら怖くないんですよね。
「恐怖感の克服」ということを廣木さんもおっしゃっていました。

お二人の対談パートはほとんどが質疑応答になり、現地組からもオンライン組からも活発な回答が寄せられました。
どこから情報を仕入れたのか、お二人のことを初めて知る方も参加してくださっていたようです。学校の先生とか。
初めての方がいきなり「脱支援のススメ」というエッジーな会に参加してくださるのは意外なことですが、それだけ制度が目詰まりを起こしているという問題意識は多くの方が抱えていると思います。
コロナ禍を経験したあとではなおさらです。
廣木さんは特別支援教育を「経済効果0」とおっしゃっています。そのとおりです。手厚い?支援をして挙げ句の果てに福祉に送り出すだけなのですから。
生涯にわたる支援を選ぼうと選ぶまいとそれぞれの自由。
ただ福祉の世界の金の仕組みは知ってから選んだ方がいいと思います。
福祉の真の利用者とはいったい誰か?
そこが話題になりましたね。

非常に実りある会でした。
現地に行って懐かしい顔にも、はじめましての方にも、お会いすることができてよかったです。

お越しいただいた皆様
藤家さん、廣木さん
主催の津田ご夫妻
ありがとうございました。
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