治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

主催者様からご質問をいただきました

2009-10-24 08:30:30 | 日記

盛岡の講演の主催者様から
「質問は可能ですか?」と訊かれました。
当日の質疑応答はニキさん難易度高いため通常お断りしていますが
事前に皆さんがどういうことを知りたいか教えていただければ講演に盛り込めるかも、とお返事しました。そのほうが時間が無駄になりませんしね。

そうしたら質問が送られてきました。
皆さんがどういうことを知りたいか、ニキさんと浅見がどういう風に答えられるか、講演に行った事のない方、講演を開こうかどうか考えている方に参考になると思いますので簡単に触れさせていただきます。

・感覚過敏は治りますか?
 これはもちろん、当事者向けというより専門家向けの質問ですが、ニキさんの体験を話してもらうことはできると思います。「続自閉っ子、こういう風にできてます!」「続々自閉っ子、こういう風にできてます!」でずいぶん岩永先生が言及してくださっています。
 また私のほうから、ニキさんや藤家さんを数年にわたり観察してきた感想や、感覚過敏のあまりないASDの人の様子もお話できると思います。

・アスペルガーの方に視覚支援は有効か?
 う~ん、これも専門家向けの質問で、私にはわからないけど、ニキさんは情報処理の仕方の個人差にとても敏感でよく勉強しているので、何か言ってくれるかもしれません。
 ただ、言葉のあるお子さんでも視覚支援が有効な場面には立ち会うことがありますね。また、一緒にお仕事をしていると、アスペルガーでも視覚支援が必要な度合いって人によって違うような気がします。新刊「自閉っ子的 心身安定生活!」の32ページに藤家さんが就労支援センターで作ってもらったストレス対処法マニュアルがありますが、これとかって視覚支援じゃないかなあと思ったりします。私から見ると、ニキさんより藤家さんのほうが視覚支援が必要なタイプに見えます。

・社会性を伸ばすいい方法は?
 ニキさんには社会性がとてもない部分と、膨大な勉強量で補ってきた部分があります。
「そもそも社会性って何?」っていうところからお話できると思います。たぶんこれで本が一冊書けるくらいニキさんも私もふだんから考えているテーマです。社会性と友だち作りは違うような気がします。これは服巻智子先生の「自閉っ子は必ず成長する」がとてもとても参考になります。

・イジメについて
 これは私にいただいた質問です。で、私があくまで教育のプロじゃないということを承知していただいた上で、お話しすることができるテーマです。まあ私の意見は「友だち原理主義から離れる」ことですかね。あと、子どものときの交友関係と大人になってからの交友関係って違うし、子どものときのほうが友だちづくりは難易度高いですね。あと、子どものときのイジメと大人になってからのイジメは違うんだけど、そこを混同している成人ASDの人は多いですね。そうすると、不幸です。私は、学校時代より社会に出てからのほうが生き易いと思っています。そういうお話をします。

・ASDの人に向いている職業はあるか?
 これも私にいただいた質問です。でも二人で答えます。
 ASDの人もそれぞれなので、「これ」とは言えませんね。でもたぶん、ニキさんが翻訳にたどり着いた経緯を話してもらうと参考になると思います。
 今年の初め、群馬と京都で講演したときにニキさんから「残存能力で勝負する」という言葉を紹介してもらいました。私は「才能を伸ばす」という言葉は実はあまり好きじゃなくて、「残存能力で勝負する」というニキさんが使っている表現が好きです。
 それをお話したら当日いらしていた盲学校の先生(ご自身も視覚障害の方)から「障害をよく理解していると思いました」という(たぶん)おほめの言葉をいただきました。

 というわけで、こういうテーマに興味があって盛岡にアクセス可能な方、ぜひお越しください。
 北東北はもう、紅葉が始まっているでしょうか?

 念のためもう一度。申込書は下記からダウンロードできます。
http://www.town.kanegasaki.iwate.jp/hp/kenkou/article00000000000000000304.html

岩手のキティちゃんは持っていないので、現地でゲットするのが楽しみです。


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