治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

おっさんCのあとがきと目次発表

2018-09-04 13:25:48 | 日記
台風大丈夫ですか。
ここは一時晴れてました。
でも外に出たらモワッとした風が強いです。
皆様くれぐれも気をつけくださいね。


さて、おっさんC、別名榎本澄雄さんのあとがきです。
そしてこれを読むとおっさんAは榎本さんが紹介してくれた人
っていうことは『元刑事が見た発達障害』を読んだ人にはわかりますね。

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あとがき 榎本澄雄

警察の使命は被害者を護り抜くことです。

「事件が解決しても、被害者の傷がなかったことにはならない」

罪を犯してしまった人は、このことを自分の肝に銘じなければなりません。


私は、権力闘争やエネルギー戦争、恨み辛みなど負の感情の視点から、犯罪とは何か、なぜ人は犯罪や自傷・他害・パニックを起こすのか、それをどのように防ぎ、解決したら良いのか考察してきました。

しかし、私がやっている具体的な手法は、私個人の属人的なものに過ぎません。

現場には身体の専門家が必要です。

身体や神経伝達機能を発達させて、自傷・他害・パニックを起こさない「身体をつくる」には、栗本先生のコンディショニングを学んでください。

大柄なお子さんが自傷・他害・パニックを起こしてしまった時に、小柄で年老いたお母さんが、自分もお子さんもケガしない「自他護身」の技法は、廣木先生の護道介助法を学んでください。

他害行為が犯罪にまで及んでしまうその前に、皆様の大切な家族、そして何よりも皆様自身を「護る楯」を手に入れてください。


この本は、ぜひご家庭に置いていただけたらと思います。

コンディショニングと護道介助法の組み合わせ。

皆様の大切なご家族と味わっていただけたら嬉しいです。

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現場では身体が大事。
当たり前のことですね。
そして強度行動障害のギョーカイ系アリバイ支援は身体を度外視していますね。少なくとも栗本さん的視点では。

おっさんA、すなわち廣木道心氏は重度判定の自閉っ子父であり武道家であり介護士でもあります。
そういうお立場から地域で強度行動障害講座の講師を務めることもあるそうです。
で、その教科書にも一応支援者の身を守る護身術みたいなのは載っているらしい。
でもひどいもんらしいです。
数で抑えつける、みたいな。
私もビジュアル素材見ましたが、まあ見た目虐待ですね。
実際にそれで障害のある方の方が命を落とす事件もありましたね。

そこまでひどくならなくても、「力尽く」「数で抑えつける方法」では
その場は治まってもあとのラポールが築けないというのです。
これは支援者と当事者間だけではなく親子間でもそう。
すなわち、対応がさらなるパニックを呼んでいるおそれもある。
この場合の対応とは、構造化とかそういうのとまた違います。
ずばり、「支援する側の身体の使い方」です。
これはたとえば金魚体操とかの「毎日おうちでやれる実践」にも使えるスキルですよ~。
いかにお子さんに拒否されないか、というスキルです。

それを両方学んでしまおうという欲張りな本です。

目次は以下のとおり。

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自傷・他害・パニックは防げますか? 二人称のアプローチで解決しよう!


まえがき

自傷・他害・パニックからの解放


第一章 そもそも、自傷・他害は防ぐべきものなのか?


いつまでもアリバイ的支援でいいのか?
自傷・他害は防ぐべきか? 元刑事としてこう考える
自傷・他害は防ぐべきか? 父として、介護士として、武道家としてこう考える

第二章 自傷・他害・パニックを起こさない身体づくりを考える
 

どんな提言をしてきたか
水収支と自傷・他害・パニック予防
排泄と自傷・他害・パニック予防
支援者の身体と自傷・他害・パニック予防
余剰エネルギーと自傷・他害・パニック予防
目の状態と自傷・他害・パニック予防
パニックは見守ればいいのか?
筋肉登場 筋肉の状態と自傷・他害・パニック予防
姿勢の悪さ、疲れやすさと筋肉
一緒に育てられないか 二人称のアプローチの提言

第三部 誰も傷つかず、誰も傷つけない 自傷・他害・パニック対応の実践


使わないための護道介助法
逃げるが勝ちの場面もある
支援者の身体の使い方が他害を誘発することもある
途中で治まる人も多い
護道介助法 原則は簡単
中心軸を作る
 8の字歩き
 壁立ち
 イメージを使う
 自分に向いた「イメージの仕方」を探る
 スワイショウ
伸筋を使う
護道構え
相手の攻撃をかわす
稽古で支援する側の身体が変わっていく
ズレる
ベクトルを変える
一体化
先に触る
 手解き(てほどき)
 手探り(てさぐり)
 手合せ(てあわせ)
抱える
護道介助法まとめ
信頼関係を壊さない身体移動法
 動かす
 支援側の呼吸と身体移動法
 止める

あとがき 榎本澄雄
あとがき 栗本啓司
あとがき 廣木道心

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どうぞお楽しみに!

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