治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

信念と信念(大阪市障がい者就労支援フェスタ ご案内)

2017-10-20 07:12:48 | 日記







11月15日、大阪市にて「第29回、大阪市障がい者就労支援フェスタ」が開催されます。
今年は藤家寛子さんと浅見淳子が講師を務めます。

すでに藤家さんのしゃべる内容をもらっていますが、一言でいうと「ぴっちぴち」です。
支援の力を借りながら虚弱体質を克服し、そして支援に別れを告げるまでを追ってくれています。
就職を望む人たち、なんとか就職に結び付けたいと願う支援者の人たちにとっては貴重な情報です。
これを藤家さんは一時間でしゃべります。

その前に私が「発達障害者は発達する」方面の話をします。
私が概論、続く藤家さんが当事者としての話をする構成です。

URLはこちらです。




今回企画してくださった側には、並々ならぬ信念があります。
メールの引用を許可していただいたので、貼り付けますね。

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就職に関する相談に来た方々を「つなぐ」というのが障害者就業・生活支援センターの役割です。相談に来た方々を「障害者雇用枠の就職ありき」「障害者就労支援ありき」で就労移行などの福祉サービスにつないで行くことが多数派かもしれません。私もそういう時期がありました。

しかし「30歳からの社会人デビュー」を読んでから、就職に向けて(または職場での悩みを解決するために)「支援をどう『活用』して行くか」を一緒に考え、時期が来たら「支援は卒業して良い」と送り出す、という方針に変更しました。実際に支援をしている方々から苦言をいただいた事も、自分のあり方を見直すきっかけになりました。
藤家さんにとっての浅見さんのような存在が、私の目指す支援者です。

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今回の企画者の方は、就労支援はしていますが、当事者を一生抱え込むことには固執していないということですね。
自分たちが必要でなくなったらさっと身を引くことも想定しています。
そしてまさにそれを実践してきた藤家さんに生の声を聴きたいと思ったのですね。

「藤家さんにとっての浅見」とは、支援者というより年長の応援者。
つまり社会に出たら出会うナチュラルサポートです。
そういう立場を目指していらっしゃるのですね。

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平成20年から障害者就業・生活支援センターが大阪市から「発達障害者就労支援コーディネーター事業」を受託し、発達障害のある方の就職相談窓口として相談対応をしていますが、今もたくさんの方が診断を受けた後に「障害があるから就労支援を利用しなければならない」という思いで相談に来られます。

障害の診断があるから、障害者手帳を持っているから、障害者雇用枠の就職を目指さなければならない(そのほうがうまく行く)、就労移行などの支援を利用しなければならない(そのほうがうまく行く)。この思い込みを修正することから始まることが多いように思います。
棚ボタはないこと、試行錯誤と努力でしか結果は出ない、試行錯誤する手段の1つとして就労支援がある。それを伝えると、障害枠ではなく一般枠で挑戦する方も出て来ます。


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なるほど。障害者雇用枠を必ずしも目指さなくていい。これをきちんと支援側として伝えるというのは画期的かもしれません。
それをすでに実践されているのですね。素晴らしい。
そしてそれをさらに進めるには藤家さんの体験や、私が「発達障害、治るが勝ち!」に書いたことが活用できるでしょう。

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11月15日の講演会は「発達障害のことを知ってください」という単なる啓発にはしたくないと思っています。
参加者は当事者と家族、支援関係者が中心になるでしょう。
障害があっても「障害者雇用や障害者支援ありき」はなく、必要な時に必要な支援を使って、不要になれば卒業していいこと、棚ボタはなく試行錯誤と努力でしか結果は出ないこと、主体的に人生を決めていいこと、努力すれば実ることを、浅見さんと藤家さんのお話から皆さんが感じ取って帰ってくださるといいなと思っています。


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素晴らしい会になりそうですね。
なぜ今回こういう会にしようと思ったか、企画側にきちんと信念があります。
そしてそれは、福祉の世界だけではなく、社会を見据えている。
「社会にとって有益なこと」を追求しています。


私は「発達障害、治るが勝ち!」には「社会に知っておいて
もらいたいたった一つのこと」を書きました。
栗林先生は本が届くやいなやそこを真っ先に読んだそうです。
そして「賛同します」とすぐにメールを送ってこられました。
その「たった一つのこと」を私は今度も伝えに大阪に行きます。

信念と信念の融合が生んだ講演会。

定員200名。多いようで無料だということを考えるとあまり多くないですね。
ぜひ聴きたい! という方は、どうぞお急ぎください。

皆様にお会いできるのを楽しみにしております。



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