治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

修行って実はカンタンな話

2011-11-01 09:27:45 | 日記
さて、昨日はお箸のお話で盛り上がりましたが
修行って、お箸の上手じゃない子にがみがみと言うことではなく

どうしてお箸が上手に使えないのかな? ってアセスメントして
それを改善することなんですよね。

自閉っ子→続自閉っ子→続々自閉っ子

って花風社の本の流れを追ってもらうとわかるけど、一貫してそういう主張してきましたよ、うちは。

丼ものをスプーンで食べたり、補助的な道具使ったりって、別に構わないと思うけれど

それが手に入りにくい場所もあるし、
ときにはみんなに合わせた食べ方をしたほうがいい場所もあるし
そういうときに、ある程度ツブシがきくと便利だよね、っていうことです。

だから空音さんみたいな理由で使いにくいのか
ちゅん平さんみたいな理由で使いにくいのか、見極めが大事。

それを見極めるために、研究者の方たちがインベントリーの開発に励んでいるわけだが
白くま母さんはそれを大地君専門でやってる
って感じがします。
そしてだいたいの保護者にとっては、うちの子の専門家になればいいわけであって
そのために他人の体験談や支援者の知恵を借りる、って感じですよね~。

それで、お箸の問題からその子の足りないところに気づけば
そこに働きかけることによって、もっと広く学習方面、認知方面に効果が及ぶ。

っていうところの証明に、時間がかかってるみたいだけど

実際効果を上げてきた人たちは、学者ではないので証明する必要はなく

「うん、効果上がったよ」って言っている。

そして保護者が、学者さんたちの証明にどこまでつきあうか

それはそのおうちごとの判断だと思うんです。

面白いケース報告がありましたよ、発表で。

遊具の乗り移り一個に苦労していた少年が、四日間のインテンシブトレーニングを受けて、最後はちっちゃいSASUKEみたいなのができるようになった。

そうすると対人方面でも効果が見られた、という報告。

ところがその「対人方面」というのの証明が難しくて、突っ込みが当然入ってたけど

普通に考えて、一個の遊具乗り移りだけで苦労していた子がSASUKEもどきまでできるようになると、セルフ・エスティームは上がります。四日間でここまでできた、って一生の財産です。
たぶん学習方面にも社会性にもいい影響は及ぶと思う。

しかもトレーニングを実施したのがOTさんだと、スパルタ式のスポ根コーチとかではまずないだけで、いい体験だったろうなあと思います。
そういうコースあるのなら、お金を払ってでも参加させたい、っていう人当然いるでしょうね。

大地君の周辺は
そういうのを自分たちでしょっちゅう実施している。
そういうことです。

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