治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「加害者の条件はありますか?」

2009-10-26 09:09:46 | 日記
「死刑でいいです」のテーマとなった加害者の場合も
性の問題が見られた。

先日の「自閉症者と性」の問題を扱ったセミナーでも
イノー博士に会場から質問が出た。
「性犯罪の加害者になりそうなprofileはありますか?」

明確に「Yes」。
それがイノー博士の答えだった。
そういうの教えてもらえばいいのに。法務省の人とか。家庭裁判所の人とか、鑑別所の人とか。学校の人とか。
ちゃんとセミナー会場に来ていただろうか?
わかったら、予防策が取れる。
別に罪を犯さないうちに引っ張る必要もないし(「マイノリティ・リポート」の世界じゃないからね)
本人に「あんたは罪を犯すかもしれないんだよ」なんて告げる必要もない。
でも早いうちからケアができるし、そういう条件を緩和できるし
同時に
そういう危険性が実はあんまりない自閉っ子への偏見も防げる。
たくさんの自閉っ子パパママが
「うちの子が将来何かするんじゃないか」って怖がっているじゃない。

事件が起きなければ、障害者への偏見も減っていく。

でもだめだろうな。日本では。
科学よりセンチメンタリズムが先行だもの。

福祉の世界には、障害者の人権に敏感な人がいる。
これまでの歴史を考えると、そういう人も必要。絶対に必要。
でも障害者の人権に敏感でも、健常者の人権には敏感じゃない人も多い。
そうなるとセンチメンタリズムが跋扈する。

支援に科学の力を取り入れることに積極的な国々では
本当に「共存」っていうことを考えているんじゃないかしら。

昨日私はあるカウンセラーを批判したが
彼女の同僚でも、優秀な人はいる。
その支援センターで助けられたと言う人もいるし
同じ地域の他の機能を持つセンターで救われた人もいる。

一方で悲しい現実もある。
今は「福祉・医療につながらなかった当事者が事件を起こす。つながれば起こさない」っていうことになっているけど
そうじゃないケースも出てきている。
医師にかかっていても事件を起こすケース。
支援級の中での暴力沙汰・警察沙汰。
こういうのに目を背けて、隠蔽して、なんになるんだろう?

ある程度、科学としての支援を考えないと
支援にはばらつきが出ると思うんだ。
そしてばらつきが出ると困るのは当事者。
だって「もう一度どっかにトライしてみよう」って考えにくい人たちだもの。

昨日は関西日帰りでした。写真は「大阪のおかん」キティちゃんだって。豹柄ですね~。
大阪は街がキャラ立ちしているから、キティちゃんも面白いのが多いです。
私は、心優しい支援者よりおかんの率直な一言で目覚めた人も見たことがあります。

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