治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

長沼先生の本に、武道家からのフィードバック

2012-01-04 07:24:30 | 日記
さて、今日からいよいよお仕事です!

本当は三が日明けた今日のトピックは
「彼が起訴されるまで」にしようと思っていました(起訴されたので、今後本名は使いません。イニシャルで行きましょう。YT。ただし吉川徹じゃないよ)。
自閉症者であれ、きちんと法を守らないといけない。
それを証明するために、手間隙費用かけて起こした刑事告訴ですが
色々経緯があって、ここに至りました。

この経緯はいずれ皆さんにお伝えしなければいけないと思います。
皆さんのお子さん、生徒さんが
将来犯罪者になることを避けるために
どうしても伝えておきたいと思います。

だって親が無知な場合が多いって、ここ数年でわかったからね。
これじゃあ子どもに指導できないだろうなあ、と思うことが実に多かったです。

けれども、本日はやめましょう。
相撲部の甚乃介さんが長沼先生の本に関してレビューを書いてくださいました。
発達障害と一見無縁な世界からのフィードバックはうれしいですね。



新年に帰国して以来、新春の寄席を見たり
伝統的な子ども達のお正月遊びを見たりする機会がありましたが

伝統芸能にせよ、昔ながらの福笑い、輪投げ、コマ回しといった遊びにせよ
感覚統合のトレーニング要素が一杯ですね。
昔の日本人は、知らず知らずのうちにこういう要素を遊びに盛り込んでいたんだなあ。

と思っていたら

相撲部のついっ友で剣道の高段者でもある甚乃介さんがレビューを書いてくださり、納得。


そう。私はいつも力士を見ていて
「固有受容覚のお化けみたいな人たちだ」と思います。

元日に「太神楽」を見て
芸人さんが「固有受容覚のお化け」だと思いました。

そして武道は、うまくやれば固有受容覚の認識の弱い発達障害圏の人たちにも
いいトレーニングになるだろうと思っていました。

そういう中、甚乃介さんのように実際に子ども達の指導に当たられている方が
この本をきっかけに発達障害に対する潜在的な偏見みたいなものをなくしてくださったようであること

そして、むやみに叱るのではなく
「固有受容覚」という概念を参考に子ども達の指導に当たるというヒントにしてくださったら
版元としてとーってもうれしいです。

実は、盲学校で按摩を教えていらっしゃる先生からもご連絡をいただいたことがあります。

どうしても普通のやり方で覚えない子がいる。
そのとき花風社の自閉っ子シリーズがとても役に立ったそうです。

固有受容覚というのが、やはりキーワードだったそうです。
視覚障害のお子さんで、同時に二覚(前庭覚・固有受容覚)になんらかの難しさを抱えている人と
そうじゃない人がいることに気がつき
教え方を変えたそうです。

「感覚統合理論はインチキ」と頭から決め付けるより
こうやって知見を目の前の子に活かすほうがずっと生産的ですね。

そして甚乃介さんのおっしゃるとおり

画伯の二枚の絵による固有受容覚と前庭覚の説明は
日本一わかりやすいです!

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