治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

大津波報道に思う障害者雇用の報道

2010-03-15 08:31:24 | 日記
この前日本は大津波報道に暮れましたが
よく考えてみるまでもなく
チリではM8.8の地震という大災害が起こっていたわけです。

自分のとこの津波警報の前に
遠くの人が嘗めている辛酸を忘れてしまいがちですね。

私はインド洋の大津波のときに現地にいたので
某日本国国営放送の国際ニュースで繰り返された
「日本への津波の影響は~」という報道に強烈な違和感を持ちました。
現地で聞いているとこれはほんとにまぬけな報道です。
BBCの放送が頼りだった。
あのときほど英語を勉強しておいてよかったと思ったことはありません。

私たちのホテルは高台にあり、自前の発電設備と水があったのでインフラが途切れず
各国のメディアがベースにしていました。
中でもわが国営放送局は真っ先にやってきて、大きな会議室を占拠していた。
毎日重そうな機械をかついで、取材に出かけていきました。だからさぼってたわけじゃない。
ところがその報道はつねにBBCの一日遅れの焼き直し。
あれなら人も送らず、会議室も借りず、おとなしくBBCの記事を買っていたほうが日本国民にとって安あがりなんじゃないかと思ったほどです。受信料の無駄遣いだよ。なんら一次情報を取ってこないのなら。

まあ、他国から情報買うだけで終わり、というわけにいかないのでしょう。先進国である限り。

やっかいなもんです。

なんかね、実情が伝わらないこと多いですね。
障害者の就労問題の報道なんかでもそう思います。

私がお会いしたことのある障害者就労のキーパーソンについて
大手メディアが報道していることとか、あります。

で、新聞とかの記事になると
なんかこぎれいにまとまっていて
そのキーパーソンの方が持っていた人間的な「すごみ」みたいなのが伝わってこないです。
「あ、こういう人だから障害者の人に仕事を配れるんだ。障害者を戦力にできるんだ」っていう器の大きさが伝わらない。
伝わるのは優しさだけです。それだとまるで完全慈善事業に見えてしまう。
社会貢献と利益を上手に両立させているいい意味でのしたたかさが伝わってこないです。

こういうの、単行本がやんなくちゃいけないのかもしれないけど
どこまで需要があるかわかんないです。
みんな本当のこと知りたいかどうかわからない。
もしかしたらみんな、ただのいい人だと思っていたいかもしれない。
でもね、ただのいい人じゃあ障害者雇用は続かないです。きっと。

とりあえず私がお伝えすることができるのは
障害者就労に本腰入れて取り組んでいらっしゃるビジネスマンたちって
優しいだけの人じゃないっていうことかな。悪い意味じゃないですよ。
本当に強い人が多いです。お会いすると「すごみ」のある人が多いです。
本当の優しさっていうのは、強さの裏づけが必要なんだと思います。
そして利益と社会貢献は二律背反じゃないんです。ここ大切。

まあ講演ではときどきこういうことしゃべります。
とくに小規模な講演のときには。

講演といえば、5月29日@杉並に続いて夏には北関東に行きます。
初めての土地なので、そこではベーシックなお話をします。

=====

春場所が始まった。

稀勢の里が脳震盪を起こした。
心配だ。
入門以来一日の休場もない健康優良児なのだ。
それはそれで立派な才能ではないだろうか。

今場所はリアルで見られる日が少ないのがちょっと残念。
でも昨日、大阪府立体育館は満員御礼でほっとした。
高砂親方にきちんと怒号が飛んだ。大阪の皆さんGJ。

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