治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「人間脳」とは何か その1

2016-06-16 09:24:42 | 日記





さて、書籍「人間脳を育てる」も講座「愛着障害は治りますか?」も評判がいいようで何よりです。
昨日ツイッターで見つけたご感想を引用させていただきます。

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勉強会で購入した最新刊!
専門的な内容ですが、聞き手の方がわかりやすく噛み砕いて表現してくださっているので、専門知識のない私にもとても読みやすいです(*'▽'*)
原始反射については心当たりが多すぎて該当箇所を何度も読み返しています

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実はね、「ブレインジム」同様、「原始反射」についても私、当初懐疑的だったんですよ。
感覚統合の門前の小僧を10年やっていましたのでね、感覚統合でも原始反射については語られますよね。だから最初「原始反射」についてきいたとき、「ああ、あの識別系とか防衛系とかいうやつでしょ。興味ないわ~」っていう感じでした。
灰谷さんにも割と正直にそれ言ったかな。
そうしたら灰谷さんが「感覚統合は感覚の発達には触れるけどあまり動きの発達には触れないですよね」みたいなこと言い出して、ああそうだなあと思ったんです。「識別系と防衛系」ばっかり語るのは、感覚にしか興味ないからですよね。でも私が灰谷さんのやっていることをすごいと思ったのは、感覚にとどまらず動きの発達まで視野に入れていること。そして動きの発達にからめて原始反射について説明してくれたので「ああなるほど」と納得。
もう一つは愛着の問題、というか、私がギョーカイに対して抱いていた違和感にからめての「原始反射」の視点です。でもまあそれは、もう少し本が行き渡ってから書きますわ。今はまだ限られた人の手元にしか届いていないからね。

(アマゾンは一応21日になっていますけど、流通こんでますので、若干の遅延はあると見込んでおいてください。直販分についてもご注文多数いただき、初回在庫ははけまして、今追加で取り寄せています。)

まあともかく

「人間脳を育てる」をメインタイトルにして「動きの発達」と「原始反射」をサブタイトルにしたのは私の発案です。
じゃあ人間脳って何かっていうと

そこで饗宴の絵に戻りますね。
「共同体に生きられる」のが人間です。

でもいきなりそれができないのが凸凹ちゃんたちなのよね。
そこに効果があるのが身体アプローチですよっていう話。

私は灰谷さんにこう言われて、「たしかにそうだな」と思いました。

本から一部引用しますね。
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灰谷 そして僕たちのように身体からの働きかけをしている支援者に対するありがちな誤解は、この土台だけを育てていると思われていることなんです。
浅見 ああ、そうかもしれません。
灰谷 でも僕たちが目指しているのは「人間脳」を育てることなんです。

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そうそうそうなのよ。
身体アプローチはたしかに土台を育てる。そして土台がなければ上に建物(人間脳)は立てられない。
でも土台で留まる気はないの。
そして土台を無視した犬の曲芸系アプローチは土台がなくて建物ばっかり建てているから効果がはかばかしくなく「障害は一生治らない」ことになっている。それって歯がゆい。土台に立ち戻ってヌケを埋めればいいだけなのに。
その思いを共有していることに気づいた瞬間なんですね。上記の会話は。

目指すのはあくまで「人間脳」。
つまり、椅子に座れて、直立歩行ができて、字が読んだり書けたりできて、双方向コミュニケーションができて、饗宴に参加できる人間という生き物の本領を発揮できる脳です。
でもそのための課題をやり残す人たち、ヌケのある人たちが「発達障害」の診断に出会う。
じゃあどこがヌケているかつきとめて埋めましょう、っていう話なんですよ。

「人間脳を育てる」というタイトルにはそういう思いが込められているんです。

続きはまたいずれ。





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