さて、どっとこむの方で自費出版のお手伝いをしていると書きましたが
もちろんこれは、自分の時間を投じるだけの価値がある本だと判断してお引き受けしたものです。
最初に原稿を読んだあと、著者の方に送ったメールを掲載します。
=====
お世話になります。花風社の浅見です。
通常の業務の合間にでしたので時間はかかりましたが、原稿一通り読ませていただきました。
まずは御礼です。壮絶なものを読ませていただきました。ありがとうございます。
以下順に追って感想や今後の展望等、こちら側の意見を書かせていただきます。
1 お母様の息子さんへの接し方について
私の立場でこのようなことを申し上げる権利があるかどうかわかりませんが、お母様は本当に息子さんをよく理解され、慈しんで慈しんで育てられた様子がわかりました。アスペルガーとかいう診断がなくても、あるいはなかったからこそと言えるかもしれませんが、息子さんの普通とは違う感性や敏感さを幼い頃からよく理解されて育てられたとお見受けいたしました。
2 支援について
怒りを覚えました。教育、医療、揃いも揃って無能、保身優先、そして何より強烈な他人事感に腹が立ちました。ただし、これは特別に不運な体験をなさったわけではないと考えます。というのは、現在発達障害にかかわっている人たちにとって社会との障壁になっている最大の敵は支援者の無能さ、怠慢さだからです。教師・医者・カウンセラー、揃いも揃って息子さんの死の戦犯だと思いますが特別にだめな人たちではありません。あの程度がこの「ギョーカイ」のスタンダードなのです。このあたりは拙著『発達障害、治るが勝ち!』(二〇一七年)『NEURO 神経発達障害という突破口』(二〇一九年)に詳しくかいておきました。とにかく支援者という壁を突破しないと社会とつながれないのはごくありふれた現象です。息子さんは特別に不運だったとは考えません。とにかく支援につながっても何もよくならないのが現状です。
3 現在のニキ・リンコさん、藤家寛子さんについて
今回このお話を花風社にいただいたのは、ニキ・リンコさん、藤家寛子さんの『自閉っ子、こういう風にできてます!』がきっかけになったということを本文から知りました。ニキ・リンコさんは自閉症のスポークスパーソンとして数年活躍されたあと、有閑マダムに収まっています。一方で藤家寛子さんは、アスペルガーが「治り」ました。藤家さんの『他の誰かになりたかった。』という本をご存じでしょうか。彼女の青春時代の混乱ぶりはおそらく息子さん以上のものだったと思いますが、その後支援をうまく利用し、時期がきたら支援者に塩漬けされないように支援を抜け(何しろ支援者は無能なので)、今まったくの健常者として社会の中で働いています。『自閉っ子、こういう風にできてます!』の頃とは別人で感覚過敏も睡眠障害もありません。昨年は精神科の薬も断薬し『断薬の決意』という本を出しました。
ニキさんはアスペルガーが治りたくない人でした。また、すでにご結婚され経済的な基盤があったことから治さない余裕もありました。藤家さんは独身ですのでお金を自分で稼ぐ必要がありました。そういうわけで彼女は治る道を選び治りました。
4 現在の花風社について
花風社は現在「治す」ことに力を入れています。当然ギョーカイからの圧力は強いのですが何しろ治ったもん勝ちです。「治そう」と私が最初に思ったのは『自閉っ子、こういう風にできてます!』でお二人が語ってくれた体験があまりに大変そうだったからですが、そのあと実は私自身が自閉症者による犯罪被害に遭いました。このあたりのことは『自閉症者の犯罪を防ぐための提言』に詳しくかいてありますが、このときも支援者は無能だったので司法に頼り相手に前科をつけました。ニキさんや藤家さんのようなこじらせていない自閉症者もいれば、こじらせてしまった人もいます。(中略)そして、本当に自閉症の人が社会との共存を考えるのなら本人も変わらなければいけないと思うに至りました。
これには非難もありましたが治せるお医者さんとの出会いもあり、『発達障害は治りますか?』という本を2010年に出しました。その後も花風社には治せる知見が集まり、今では読者の方も治った治ったと喜んでいます。花風社の愛読者コミュニティサイト『治そう発達障害どっとこむ』を作り、みんなで情報交換をしています。
ご興味があればこちらをご覧ください。
https://naosouhattatushogai.com/
(以下略)
もちろんこれは、自分の時間を投じるだけの価値がある本だと判断してお引き受けしたものです。
最初に原稿を読んだあと、著者の方に送ったメールを掲載します。
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お世話になります。花風社の浅見です。
通常の業務の合間にでしたので時間はかかりましたが、原稿一通り読ませていただきました。
まずは御礼です。壮絶なものを読ませていただきました。ありがとうございます。
以下順に追って感想や今後の展望等、こちら側の意見を書かせていただきます。
1 お母様の息子さんへの接し方について
私の立場でこのようなことを申し上げる権利があるかどうかわかりませんが、お母様は本当に息子さんをよく理解され、慈しんで慈しんで育てられた様子がわかりました。アスペルガーとかいう診断がなくても、あるいはなかったからこそと言えるかもしれませんが、息子さんの普通とは違う感性や敏感さを幼い頃からよく理解されて育てられたとお見受けいたしました。
2 支援について
怒りを覚えました。教育、医療、揃いも揃って無能、保身優先、そして何より強烈な他人事感に腹が立ちました。ただし、これは特別に不運な体験をなさったわけではないと考えます。というのは、現在発達障害にかかわっている人たちにとって社会との障壁になっている最大の敵は支援者の無能さ、怠慢さだからです。教師・医者・カウンセラー、揃いも揃って息子さんの死の戦犯だと思いますが特別にだめな人たちではありません。あの程度がこの「ギョーカイ」のスタンダードなのです。このあたりは拙著『発達障害、治るが勝ち!』(二〇一七年)『NEURO 神経発達障害という突破口』(二〇一九年)に詳しくかいておきました。とにかく支援者という壁を突破しないと社会とつながれないのはごくありふれた現象です。息子さんは特別に不運だったとは考えません。とにかく支援につながっても何もよくならないのが現状です。
3 現在のニキ・リンコさん、藤家寛子さんについて
今回このお話を花風社にいただいたのは、ニキ・リンコさん、藤家寛子さんの『自閉っ子、こういう風にできてます!』がきっかけになったということを本文から知りました。ニキ・リンコさんは自閉症のスポークスパーソンとして数年活躍されたあと、有閑マダムに収まっています。一方で藤家寛子さんは、アスペルガーが「治り」ました。藤家さんの『他の誰かになりたかった。』という本をご存じでしょうか。彼女の青春時代の混乱ぶりはおそらく息子さん以上のものだったと思いますが、その後支援をうまく利用し、時期がきたら支援者に塩漬けされないように支援を抜け(何しろ支援者は無能なので)、今まったくの健常者として社会の中で働いています。『自閉っ子、こういう風にできてます!』の頃とは別人で感覚過敏も睡眠障害もありません。昨年は精神科の薬も断薬し『断薬の決意』という本を出しました。
ニキさんはアスペルガーが治りたくない人でした。また、すでにご結婚され経済的な基盤があったことから治さない余裕もありました。藤家さんは独身ですのでお金を自分で稼ぐ必要がありました。そういうわけで彼女は治る道を選び治りました。
4 現在の花風社について
花風社は現在「治す」ことに力を入れています。当然ギョーカイからの圧力は強いのですが何しろ治ったもん勝ちです。「治そう」と私が最初に思ったのは『自閉っ子、こういう風にできてます!』でお二人が語ってくれた体験があまりに大変そうだったからですが、そのあと実は私自身が自閉症者による犯罪被害に遭いました。このあたりのことは『自閉症者の犯罪を防ぐための提言』に詳しくかいてありますが、このときも支援者は無能だったので司法に頼り相手に前科をつけました。ニキさんや藤家さんのようなこじらせていない自閉症者もいれば、こじらせてしまった人もいます。(中略)そして、本当に自閉症の人が社会との共存を考えるのなら本人も変わらなければいけないと思うに至りました。
これには非難もありましたが治せるお医者さんとの出会いもあり、『発達障害は治りますか?』という本を2010年に出しました。その後も花風社には治せる知見が集まり、今では読者の方も治った治ったと喜んでいます。花風社の愛読者コミュニティサイト『治そう発達障害どっとこむ』を作り、みんなで情報交換をしています。
ご興味があればこちらをご覧ください。
https://naosouhattatushogai.com/
(以下略)