治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

勝負強さ

2016-07-09 10:22:16 | 日記
木曜日、午前中に「人間脳を育てる」の三刷りを決め、午後から画伯とのアポで都内に向かいました。
二刷りが出てくるのは来週ですが、すでにその七割が行き場所が決まっている。市中在庫も動いている。市中在庫動いているのならさらに営業かけたいし、名古屋場所の間に細かな在庫調整とかめんどくさいことをしたくないというのもあり(そこかよ)三刷りを決めたのです。どっちみちこの本は、「発達障害者は発達する。その理由がここにある。その方法が今明らかになる」ことを知らしめるもんだから、まあ売っていかないとね。そうしたら、三重県の書店さんから灰谷さんの講演会が地元であるんだけど送ってくれ、という電話がかかってきました。あちこち行ってるんだなあ。皆さんも情報細かく拾うといいですよ。わかったものは私もここでお伝えするようにしましょう。

そして暑い中、えっちらおっちらと玉ねぎかついで多摩川越えしました。淡路島のおいしい玉ねぎを画伯にもおすそ分けです。「人間脳売れているみたいだね」と画伯。そうなの。花風社時々こういうこと起きるよね。こういうことってどういうことかというと、エポックメーキングかつ利潤の伴う本がぽっと出てくるのです。それがたぶんDNAなのね。だから私は安心しているの。安心して、売れなそうだけど出したい本も出すのよ。若くて経験のないうちは、こういう流れが見えないから不安なのね。そして冒険しない。冒険しないと余計怖くなる。おっと「失敗させない原理主義」の療育が人を育てない理由にまたたどりついてしまった。

まあそんな感じで、都民を襲う数々の災難(都知事選をめぐるぐだぐだとか、水不足とか)にお見舞い申し上げ(川のこっちから高見の見物ともいう)、画伯と別れて多摩川のこっちに戻り、東横線を途中で降りて期日前投票に行ってきました。あの暑い中なぜか区役所から自宅まで歩いて帰るという計画を思いついてしまい、汗だくになりながら帰ってくる途中、校庭で元気に遊び回っている子どもたちを見ました。そして自宅マンションロビーにたどりつきやれやれというところで「エレベーターと階段とどっちが速いか競争しようぜ!」と競う小学生男子一群。勝負は見えているのでたんなる遊び。さらに言うと子どもが自分の発達のために自分で勝手にやってる遊びです。それはわかるけどね、おばさんは君たちのかけっこ見ているだけで暑いよ。

マツミチさんからのコメントを読んで、「教室が34度か。そりゃ行きたくないな」と思ったのですが、そういう子もいればこの暑い中わざわざさらに暑くなるような遊びに興じる子もいる。その子たちが社会で勝負していくんですよね。だったら負けるよね。障害を克服する必要はなくても、暑さとうまくつきあえるようになる身体があると便利だね。そしてやはり、そこに働きかけるには認知上のアプローチじゃ弱いよね。大事なのは学校に行けて暑い中で遊んだり学んだりできる子たちを酸っぱい葡萄にしないことだな。そしてそれはたぶん、花風社クラスタは大丈夫。マツミチさんも大丈夫。ギョーカイ方面は酸っぱい葡萄大量生産するけどね。「定型発達には見えないものが見える」みたいに。

私は今年は例年より暑さに弱いです。それが発達だとは思えないのね。どっちかというと老化。というか体力の低下です。春先には漢方のんだし、その後親を亡くして一時的にがんと体力が落ちた。「暑さがわかるまで発達した」とは思えない。むしろ例年ほど暑さに対応できていないんだと思います。だから、汗をかいてはシャワー浴びる、芋本を参考に夏を乗り切るコンディショニングをする、を心がけています。

むしろ暑さがわからないような状態から暑さがわかる状態になったのだったら、それは発達の途上なんじゃないかな。暑さがわかるようになって、それから対抗できるようになるんじゃないかしら。もう一段階あるんじゃないかしら。

それにしても34度は暑いよね。

ここで学校のエアコン化の問題が出てきますが、服巻先生とおつきあいがあったころ支援校にエアコン設置する予算が組まれたと言っていたなあ。こういうのは地域活動の成果だと「社会の理解ガー」が嫌いな私でもあっさり認めますよ。

横浜駅西口そばに住んでいた時には、周辺の学校はすべて冷房が入っていました。都会の喧騒の中の学校。窓を開ける環境でもないからね。今住んでいるところは都市部だけど、子どもたちは畑もあったりする隣町に通っている。あそこはどうなのかな。今度きいてみよう。

なんていう話をしていたら、公立学校におけるエアコン率の地域格差がわかるURLを教えてくれた人がいましたよ。
やはり都会で高い。財源の問題もあるだろうけど。

その中で都会で財源が豊かだろうに際立つ愛知県の低さ。教育に関し、なんか特別な思想があるにおいがするね。そしてそういう特別な教育思想が強い地域では、反動として極端なありのまま系が育まれるね。そうならざるをえないのかも。愛知県のギョーカイは。でも偏った地域で育んだ「家事のできるひきこもり目標」を全国にふりまくなよ。迷惑だから、たんなる土着の信仰を全国に振りまかれると。育つ子も育たなくなる。

そして関東の愛知県と言われる千葉県も(以下略

そして大阪。橋下市政のもと、エアコン設置が進みました。それでもまだこの数字っていうことは、以前はひどかったんだろうね。都市部で豊かな街のはずなのに。たしかプレ橋下時代には、ヘチマ植えて熱をしのいでたとか。エアコンほしいのは全国一緒で、どこでも「財源がない」と言われていると思うけど、大阪の場合には高齢者や議員さん、既得権者から若者にシェアさせることにより、教育にお金が割けるようになったのね。ヘチマからエアコンへ。それは政治の力。

だから学校での暑さ対策もやはり政治が大事。皆さん選挙には行きましょう。

私はもう投票済ませたから、明日は初日に専念します。「人間脳を育てる」を読んでくださった旧知の方が

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社長くらい進化していればきせのんはとっくに横綱ですね。

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というメールをくださいました。

う~ん。東の正大関を前にしてえらそうかもしれませんが、私は「ここぞ」という勝負には割と負けない人なのです。

また胃の痛い15日間が始まります。できれば千秋楽まで気絶していたいんですけど、「人間脳」の営業もしなきゃいけないし愛甲さんとは愛着障害のこと詰める会談するし、ぼけっとしてはいられません。