認知症になった母が介護付き有料老人ホームに入居したのは亡
くなる2年前、スタッフは慣れたもので母にやさしく幼児に接
するように言葉をかけてくれてた、私は新幹線で仙台から盛岡
へ毎月2回昼食前に訪問し、スタッフから健康状態や迷惑をか
けてないか、不足してるものがないかの確認だけは怠らないよ
うに努めた。
食事の時は20人ほどの入居者はほとんど無言で気力を失って
るように見えた、だから帰り際に挨拶しても誰も反応しなかっ
た、施設ではクイズを出したり、童謡を歌ったり、週に3回遊
びを提供、参加してない人もいたが晩年の母はこのイベントだ
けが日常生活で唯一の楽しみだった。
2年間だったが遺族年金と貯金を取り崩しながら、介護状態の
母の世話をしてもらった、食事、入浴、排せつ、薬の管理、買
物代行、病院への付き添い、これが自宅で介護となったら、大
変な労力で正直無理だった、やはり助けを求めてプロに任せて
よかったと痛感している、だから晩年は母にとって施設のスタ
ッフは近所の人より、友人よりもかけがえのない人となったこ
とは間違いない。