『秋田県在住の中学3年の女子生徒(14)が新人賞を受賞した詩が盗作だったとして、土曜美術社出版販売www5.vc-net.ne.jp/~doyobi (東京都新宿区)は15日、女子生徒に与えた第19回「詩と思想」新人賞を取り消したと発表した。盗作されたのは、インターネットの掲示板「プロ詩投稿城」に掲載されているKazu.さんの詩「穴」で、ほぼ丸写しされていたという。
同社によると、受賞決定は今月10日。地元紙から取材の申し込みを受けた女子生徒が、ネット上の掲示板に投稿されていた詩を盗用し、賞に応募したことを母親に告白。、母親から連絡を受けた同社がネット上で盗作元の作品を確認した。』産経新聞 10月15日(金)11時36分配信
インターネット時代のならではの丸写しや盗作による応募かも分かりません。詩は、詩を作った人の心情、気持が素直に表されていなかった自分の詩を投稿した意味が有りません。少女らしく詩の型式に囚われずに自由な文体で、自由で伸び伸びした詩を入賞とかを考えずに自分独自の詩を応募して欲しかったと思います。これからは、審査員もインターネットに投稿されている作品に目を通す必要が有るのではないでしょうか。物書きとしての良心ともモラルが問われる高度情報化時代とも言えますね。下記Kazu.さんの詩「穴」を転載させてさせて戴きました。
穴 ( プロ詩投稿城 )
Kazu.★BY/kAgAaGPs
なにをそんなに怯えているのか
ここはわたし以外には誰もいないというのに
なにをそんなに憂いているのか
今宵は満月 月の光が満ちているというのに
幼子の覚束ない行進のように
わたしは背を押されて躓く囚人の列にいた
罪状は知らされず
理不尽な拘束のまま
わたしには穴を掘る罰が科せられていた
だから今日一日 穴を掘った
(明日もまた一日中 穴を掘らねばならぬ)
なぜ穴を掘ることがわたしを甦生させるのか
その穴と刑との因果関係を量ろうとするのだ
が
わたしの声は声にはならず伸吟するばかりで
そして自分が発した声ではない声を耳にして
いっそう後悔するのであった
それはわたしがわたしを生かす唯一の道が
罰としての穴を掘り続けることでしかない
ことを自覚するからであった
なにをそんなに怯えているのか
ここには穴を掘るための道具がないというのに
なにをそんなに憂いているのか
今宵月明かりに影だけは醒めているというのに
夜中
どこからかまた伸吟する声に目覚めた
日中の喧騒に掻き消されていたものが
夜のしじまに浮かびあがってきたものか
なにかがどこかで傷ついている
もしかしたら
昼間わたしに掘られた穴が
深いところで病んでいて
ひっそりと泣いていたのかもしれない
遠い日
下校時に君と別れたいつもの街角に
今日 掘削機のメスが走り
喪服の女 禿頭の僧侶
野良犬にいたるのでが一様に躓いていた
あの日もちょうど
穴は今日のように掘られていて
君とわたしは一緒にその深淵を覗いていた
君はわたしよりいつも満月のように明るくて
一瞬
わたしは君を突き落としたい衝動に駆られていた
(あの日からずっとわたしの内の深いところに穴がある)
なにをそんなに怯えているのか
なにをそんなに憂いているのか
昨日 君の訃報を知った
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