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壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

鳴く鳴く飛ぶ

2011年05月05日 20時02分37秒 | Weblog
        ほととぎす鳴く鳴く飛ぶぞいそがはし     芭 蕉

 『続虚栗』に「ほととぎす鳴き鳴き飛ぶぞいそがはし」とあり、中七に異同がある。
 「鳴き鳴き」よりは、「鳴く鳴く」の方がずっとよい。
 「鳴き鳴き」では、のべつに鳴いているような、俗な感じになってしまう。
 けれども、「鳴く鳴く」という中古の語法であると、鋭さもあり、一度飛び去ってから再び激しく鳴く感じも、なかなかよく出てくる。ほととぎすをあわれむ心も出る。

 季語は「ほととぎす」で夏。ほととぎすの鳴きながら飛ぶせわしさがつかまれているが、写生的ではない。

    「時鳥(ほととぎす)が鋭い声で鳴く。声が聞こえたので急いで仰ぐと、もう
     飛び過ぎている。そして飛びながらまた鳴く。その感じがまことにいそが
     わしいことだ」


      風の子の人語たのもし柏餅     季 己