6月12日午前2時(日本時間同日午後3時)ごろ、アメリカ南部フロリダ州オーランドのナイトクラブで男が銃を乱射し49名が死亡、53名が負傷するという史上最悪の銃乱射事件は、発生から3時間後に容疑者の男が射殺された。
容疑者のオマル・マティーン(29)は、突撃銃と拳銃を乱射、最後には人質を取ってトイレに逃げ込んだが警察により射殺されたとのことだ。
オマル容疑者は、37年前、ロシアの進行から逃れたアフガニスタンの移民の息子でイスラム教徒、兼ねてから過激思想を疑われFBIからマークされ、今まで2度ほど調査を受けていたとされる。
今回の事件でも、過激派組織ISが犯行声明を出したので、オマル容疑者とISとの繋がりを疑われているが、実際には接点を見出せないようだ。
どうやら、彼は今まで、アメリカ社会の中でアフガニスタンからの移民として、また、イスラム教徒として二重の差別を受けてきた様子で、その育ってきた環境によりアメリカ社会に対しうっけつした反感を持ち続けてきたようだ。
その思想が、インターネットなどでテロ実行犯やISに感化されいっそう醸成されてきたようだ。従って、今回の犯行についても、オマル容疑者は、特にISなど国際テロ組織から指示を受けた分けでなく、いわば一匹オオカミとして犯行に及んだと見られている。
今回の大量殺戮について、ISが犯行声明を出したが、オマル容疑者の単独犯行を賛美し、各国に隠然と存在している一匹オオカミのテロリストを蜂起させる作戦のようだ。
今回、アメリカで起きた一匹オオカミのイスラム教徒のテロ行為は、欧米に限らずどの国でも存在している可能性があり、国際社会は、ISなど過激派組織と合わせ、国内に潜在する個々のテロリストとの戦いを強いられている。
また、今回の事件は同性愛者というこれも社会的に小数派に仕掛けられたテロとしても、犯行目的の中でどの程度のウエイトを持っているのかも見極めたいところだが、容疑者が死亡しているのでその辺は闇に包まれてしまった。「関連:6月13日」