参議院選挙は6月22日告示、7月10日の投開票が決まった。安倍晋三首相はこの参議院選挙で消費税増税の2回目の延期について国民の信を問うという。併せて争点としてはアベノミクスについて国民の判断を受けたいとしている。
安倍首相の選挙の時の常套手段は、彼が最も重点を置いている憲法改正、安全保障についてはほとんど表に出さず、必ず経済政策を前面に立て選挙戦に臨んでいることだ。
そうして、選挙が終わるとそれまで隠していた安全保障問題や、その他国民受けしそうもない重要法案をごそっと国会へ持ち出してくる。
教育基本法改正法、特定秘密保護法、安全保障関連法等々みんな選挙が終わると臆面もなく表に出してくる。
今度の参議院選挙もそんな作戦を考えているようだ。安倍内閣が争点にしようとしているアベノミクスについては、増税延期を補うためにエンジンを一段とふかすという。
何だかよく分からない表現だが、日銀に一段の金融緩和を求めるのか、財政を出動させるのか、最も遅れている成長戦略を前に進めるのかどれも具体性がないのでエンジンをふかす意味が不明確だ。
共同通信の世論調査では、アベノミクスには58%が否定的な態度を示している。従って、安部首相が言うアベノミクスを争点にすれば、理屈上は自民・公明はそんなに勝てない筈だが、票を開いてみると自公が圧勝しているのがこのところの国政選挙だ。
そうして、もし今度の参議院選挙で安倍首相が目標にしている自民・公明の与党で改選議席の過半数(62議席)を超すと、2度ウソをついて消費税増税を延期したことも国民の理解を得たこととして無罪放免になるし、また、選挙戦で隠していた憲法改正についてもせいせい堂々と表面に持ち出してくるに違いない。「関連:6月2日」