安全保障法制、川内原発再稼働などで安倍晋三内閣の国会内多数を嵩にきた横暴と無責任ぶりは呆れるばかりだが、2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設計画見直しについて「白紙撤回」をしたものの、それまでに交わし、白紙撤回により無駄になった約60億円の政府支出について、安倍首相は総ての責任は私にあると言っただけで、後は「野となれ山となれ」でなんの始末もしない。
先日の参議院予算委員会で、安保法制では政府顔負けの前のめり政策を取る次世代の党の松沢成文幹事長が、神奈川県知事時代の経験として、もし県に金銭的な損失を与えれば、弁償を求められるなり、職を辞さなければならなくなるが、安倍政権は何ら責任を取らないのかと首相を追及していた。
野党も政府の責任として、下村博文文科相の辞任か更迭、森喜朗2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の辞任などを求めたが、安倍首相はこれを受け入れず、自身に責任があると言うだけだ。それでは首相はどのようにして責任を果たすのかといえば、何の対処もしない。
これでは収まらないとばかり、下村文科相は新国立競技場の建設計画で文科省の担当者だった久保公人スポーツ・青少年局長の首を切った。その言い訳がまた人を馬鹿にしている。久保氏は丁度移動する立場にあったとほざいた。
下村文科相は、先に後援会が無届けの政治団体として政治活動をしたり、不正な寄付があると指摘され国会で追及されたが、強弁を繰り返し何とか逃げ切った。本来はここで辞任すべきだったが、舌の根の乾かぬ内に、また、新国立競技場で大きなミスを犯した。
新国立競技場建設については、今年の暮れまでに改めて建設計画を練り直すことになっているが、その前に、今までの失敗の責任と弁償問題に決着をつけないと、前に進めないのではないか。「関連:7月18日」