緊迫する入管法改悪動向と難民の命
夢を持って日本に来たスリランカの女性、日本の入管に命を奪われてしまった
親日家女性の痛ましすぎる死──「日本は安全な国だと思ってた」母親らが会見で涙
「すぐ助けて下さい。迷惑かけたくないけど、私は大丈夫じゃない」―先月に名古屋入管...
Newsweek日本版
日本の子ども達に英語を教えることを夢見て来日
亡くなったのは、ウィシュマ・サンダマリさん(享年33歳)。母親のスリヤラタさんは「子ども好きで、勉強を教えるのが好きでした。貧しい家庭の子どもにも『お金はいらないから』と勉強を教えていた優しい子でした」とウィシュマさんについて語る。
「スリランカ現地のインターナショナルスクールで日本人の子どもにも教えていた経験があり、日本人の子どもの礼儀やマナーの良さから、ウィシュマは日本が好きになり、日本に行きたいと思うようになりました。娘が海外で生活することは、とても心配でしたが、日本は安全な国だからと納得し、お金をかき集めて送り出しました。それがこんなことになるなんて...」(同)。
ウィシュマさんは、「日本の子ども達に英語を教えたい」という夢と共に、2017年に留学生として来日。だが、その後、ウィシュマさんは学費を払えなくなり通っていた日本語学校の学籍を失ったことで、在留資格も失ってしまった。さらにウィシュマさんは当時交際していた男性に「DV被害を受けた」と警察に相談したが、在留資格を失っていたことから、昨年8月、名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)の収容施設に収容されてしまったのだという。
ウィシュマさんが収容された当時、スリランカ行きの定期便は飛んでおらず帰国したくても帰国できなかったこと、また日本で勉強を続ける夢を諦められなかった等の事情からウィシュマさんは名古屋入管に収容され続けていた。今年1月頃からウィシュマさんは、吐き気・嘔吐、食欲不振などの体調の悪化を、面会に訪れていた支援団体のメンバー達に訴えるようになる。この時点で、既に収容当初より12キロ以上、体重が減少していた。法務省/入管庁による調査の中間報告によれば、今年1月22日から庁内診療室で受診するようになったが、今年1月28日、嘔吐に血がまじるようになり、外部の医療機関での受診をウィシュマさんは泣きながら求めたのだという。
体調が悪化しても入院させず
今年2月上旬頃から、自力で歩けず車椅子を使うようになるなど、ウィシュマさんの衰弱が著しくなる。前述の中間報告によれば、ウィシュマさんは、ほとんど水分しか取れず、お粥などをスプーン何さじか食べるものも吐いてしまうということが続き、2月中旬以降は寝たきりの状態になってきて、トイレも職員の介助が必要になってきたのだという。支援団体「START」(外国人労働者・難民と共に歩む会)の顧問、松井保憲さんは体調悪化が著しくなったウィシュマさんの様子は、一見して尋常でないものだったと語る。
「車椅子にもたれかかっていて、座ることもままならず、口から泡を吹いていました。右手が動かせなくなっていて、指も伸ばせなくなっていました」(松井さん)
ウィシュマさんの容態を危惧した松井さんらSTART側は、2月上旬頃から自分達が彼女を病院に連れていくとして仮放免*1
*1就労しない等、一定の条件の下で収容施設の外での生活を許可すること。入管側の主張では、今年3月上旬頃、ウィシュマさんの仮放免を許可することの検討が行われ始めたのだという。
を求めたものの、収容は続いた。入管側が外部の病院にウィシュマさんを連れていくことも二度あったが、2月5日は胃カメラによる検査のみで、担当した医師が点滴を勧めたにもかかわらず、入管側は「時間がかかる」との理由で応じなかったのだという。また、3月4日の外部病院での受診も、精神科での頭部CTスキャンによる検査のみであり、点滴は行われなかった。つまり、いずれも検査であり、治療ではなかった*2。
*2中間報告では、経腸栄養剤を今年2月22日からウィシュマさんに与えはじめたとあるが、その記載されているウィシュマさんの1日の摂取量は、メーカーが「1日分の成人標準量」としている分量の3~5分の1程度だ。
この点について、STARTは他の市民団体との連名での名古屋入管への申し入れの中で「入管は収容主体責任として被収容者の健康や生命を守る等の責任義務がある」と指摘している。その義務を果たさないのであれば、ウィシュマさんをSTART側に引き渡せば良かったのだ。
名古屋入管で収容中に亡くなったウィシュマさん 遺族提供
そして、今年3月6日の朝、入管職員らがウィシュマさんの血圧と脈拍を測定しようとしたが「計測器がエラー表示となった」ため測定できず。同日午前中、ウィシュマさんは「あー」「うーん」と声を発していたが、午後になって入管職員の呼びかけに反応しなくなり、同日午後2時半頃、外部病院に緊急搬送されたものの、同日午後3時25分頃、搬送先の病院で死亡が確認されたのだという(いずれも中間報告より)。
死因は「不明」、問われる法務省/入管のスタンス
支援団体側の証言や、法務省/入管の中間報告の内容からは、ウィシュマさんの死因は栄養失調による衰弱死のように思えるが、中間報告では死因は「司法解剖を行った解剖医の鑑定が継続中であり、現時点では不明」となっている。また、ウィシュマさんの体重は2月23日の時点で、収容当初より約20キロ減少していたとあるが、死亡時の体重は「不明」だという。あくまで中間報告だとは言え、核心部分が抜け落ちているかたちだ。
今回の入管法改正案が通れば、「難民」は強制送還され、生命が危険にさらされる
母国に帰れないのに・・・増える?強制送還
国外退去処分を受けながら、事情があって母国に帰れない多くの外国人。入管に長期間収容されていることが国際社会から問題視され、政府は、入管法の...
TBS NEWS
現在は、難民認定の申請中は強制送還されない決まりですが、改正案では、3回目以降は手続き中であっても強制送還することができるようになります。
「誤って送還し、その者の生命や身体に危険を生じさせることにもなりかねません」(立憲民主党 屋良朝博衆院議員)
「2度にわたり難民等の該当性について判断され、法的地位の安定を図る必要はないものと考えられる」(上川陽子法相)
イランへの強制送還におびえるサファリさん
サファリさんは、3回目の難民申請中です。
「日本には私たちは助けを求めているわけだから、入管が理由を探して残すためのことを考えてくれればいいのに、それが逆。何かしら理由をつけて国に帰すことを考えている」(イラン国籍 サファリさん)
こうした環境におかれているのは、サファリさんだけではありません。
ミャンマーに強制送還されれば軍事政権に殺される
本格的な審議が始まった入管法改正案。20年前にミャンマーから日本に逃れてきた男性も3回目の難民申請中です。改正法案が成立すれば、強制送還されるおそれがあるのです。
「ミャンマーに行っても死ぬ。日本にお願いしたい。家族もいるし、奥さんもいるし、私の人生は日本で住んでいたい」(ミャンマーから逃げてきた男性)
入管に収容された外国人の支援を続ける駒井弁護士は、こう指摘します。
「本来、解決しなければならないのは、難民として認められる人たちをきちんと認定して保護して、収容はそもそも必要ない状態に置くことが、まず一つ大事だった。どうやって難民申請者を国の外に追い出すか、どうやって送還しやすくするか、ということばかりに意を用いてしまった。これは大問題だと思っている」(駒井知会弁護士)
政府・与党は改正案について、来月中旬にも衆院・法務委員会で採決を目指していて、今国会での成立をはかる考えです。
イランから来日し、30年近く日本で暮らすサファリさん。日本しかもう暮らせる場所はないと訴えます。
「もうちょっとね、まともに、俺たちも人間だから。ちょっとだけでも俺たちのことを考えて法案は出してほしい。怯えながら暮らしたくはない。怯えないように日本で平凡に暮らしたい。それが私の望みかな」(イラン国籍 サファリさん)
市民らが反対デモ
入管法改正案で反対デモ 市民ら100人、東京都心を静かに行進 | 毎日新聞
国会で審議されている出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正案に反対するデモが21日、東京都内であった。難民を支援する弁護士らがインターネ...
毎日新聞
国会で審議されている出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正案に反対するデモが21日、東京都内であった。難民を支援する弁護士らがインターネットを通じて呼びかけ、市民ら約100人が「入管法改悪反対」などと書かれたプラカードを掲げて静かに行進した。
デモには学生や難民申請中の当事者も駆けつけ、自作のメッセージを持って日比谷公園から銀座まで隊列を組み、練り歩いた。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、シュプレヒコールなどはなかった。大勢の人が静かに歩く姿に、足を止めて様子をうかがう買い物客らの姿もあった。
名古屋出入国在留管理局(名古屋市)に収容されていたスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が3月に死亡したことから、「死亡の原因究明なくして、入管法改正法案採択はありえない!」「彼女が生きていけた社会を目指して」と掲げた人もいた。
ユーチューブに投稿された動画で改正法案を知ったというダンサーの太田圭さん(31)は、ツイッターでデモの呼びかけを見かけ、足を運んだ。「せっかく日本に来た人につらい思いをさせたくない。入管法改正の問題がもっと世の中に知られてほしい」と話した。
改正法案が審議されている衆議院法務委員会に参考人として参加した児玉晃一弁護士は「まだ審議は続くが予断を許さない状況。急きょ呼びかけたデモに共感した人が集まり、ツイッターでも反応が増えている。そうした声が議員の行動や法案の審議時間を変える。最後まで頑張りたい」と話した。【菅野蘭】
入管法改正案に反対集会、難民排除・人権侵害と批判(ロイター) - Yahoo!ニュース
「ミャンマーに送り返されれば死刑に」入管法改正案、市民が反対集会
国会で審議が始まった入管難民法改正案に、国内外の批判が強まっている。国外退去処分を受けた外国人の長期収容問題を受けた動きだが、改正案に......
西日本新聞ニュース
命からがら日本に逃げてきた難民の人たちや日本で家族を作った人たち。
それらの人々を「入管」職員(公務員)が何人も「死に追いやっている」のに、何の刑罰も受けない日本。(アメリカでは、今まで罪に問われなかった、警官による黒人殺害が、ようやく裁かれるようになりました)
何回申請しても「難民」を受け入れず、法律まで改悪して本国に強制送還しようとしている日本。(母国には「死」や過酷な弾圧が待っています)
「人権後進国日本」の犠牲になって人生と命を奪われ続ける難民の人々を守るため、今日本人が声をあげる時ではないでしょうか?
日本大丈夫?最悪の法改正。入管法改悪問題、30万回再生のビデオで良くわかる。 - 住みたい習志野
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