住みたい習志野

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「明日への遺言」という映画で戦争を考える

2021-05-30 21:34:37 | 投稿

こんなニュースが報じられています。

過去のジェノサイド(大虐殺)についてドイツ、フランスが責任を認める

ドイツ政府 植民地だったナミビアでの虐殺行為を認めて謝罪 | NHKニュース

かつてドイツの植民地だった現在のナミビア(当時は「ドイツ領南西アフリカ」)では、1904年から1908年に植民地支配に対して蜂起した現地のヘレロやナマの人たち数万人がドイツ軍に殺害されたといわれています。

ルワンダ虐殺でフランスの責任認める マクロン大統領、謝罪はせず

フランスのマクロン大統領は27日、訪問先のルワンダで演説し、約80万人が死亡した1994年のルワンダ虐殺で、フランスの責任を認めた。

当時の仏政府はルワンダで「虐殺を進めた政権」を支援し、警告に耳を貸さなかったと振り返り、「フランスはルワンダで政治的責任を負う。歴史を直視し、ルワンダの人たちに与えた苦しみを認めねばならない」と発言した。

一方で、「フランスは共犯者ではなかった」として謝罪はしなかった。当時、ルワンダに人道介入していた仏軍が虐殺を止められなかったことについても、「兵士の名誉は傷つけられない」と述べるにとどめた。

イスラエルのガザ空爆も「戦争犯罪の恐れ」

パレスチナのガザ地区で248名(うち半分は子どもと女性)の命を奪ったイスラエルの空爆も「戦争犯罪」として告発する動きがあります。(イスラエル側も12名が犠牲になっています)

イスラエルに「戦争犯罪の恐れ」 ハマスの先制攻撃も非難 国連弁務官(時事通信) - Yahoo!ニュース

民衆の殺りくを目的とした爆撃

現代の戦争では、「軍事施設への爆撃でなく、民衆の殺りくを目的にした爆撃は国際法違反」という規定が事実上無視されています。

日本軍による重慶爆撃


ナチス。ドイツのロンドン空爆

映画「ドレスデン」 英軍によるドイツ爆撃


東京大空襲


そして、沖縄、広島、長崎

映画「明日への遺言」

この戦争犯罪、とりわけジェノサイド(民族絶滅)の問題を考える素材として、このブログで「習志野歴史散歩」を連載して頂いた「ニート太公望」さんから「明日への遺言」という映画をご紹介いただきました。

原作は大岡昇平さん。主演は藤田まことさん。Wikipedeiaには次のようなあらすじが書かれています。

第十三方面軍司令官兼東海軍管区司令官で陸軍中将だった岡田資(たすく)は、名古屋大空襲の際に撃墜され、脱出し捕らわれたB29の搭乗員を、ハーグ条約違反の戦争犯罪人として略式命令により斬首処刑する。
戦後この行為に対し、「捕虜虐待」の罪(B級戦犯)として横浜法廷(軍事裁判)で裁かれる、岡田は戦勝国による結論ありきの理不尽な裁判と戦うため、裁判闘争を『法戦』と称し、アメリカ軍による無差別爆撃の非人道的行為の違法性を主張し、アメリカ軍側の無差別爆撃の正当化を批判する一方で、捕虜処刑に関わった部下を庇(かば)い「私ひとりが一切の責任を負う」と述べて裁判に臨む。

「明日への遺言」映画紹介

BC級戦犯 出所したはずの父は妻子の元へ帰ってこなかった | TBS NEWS DIG

BC級戦犯 出所したはずの父は妻子の元へ帰ってこなかった | TBS NEWS DIG

戦勝国が敗戦国を裁く戦犯裁判。現場の下士官や兵らも罪に問われたBC級戦犯。31歳で重労働15年を宣告された後、スガモプリズンを出所しても妻子の元へ帰らなかった男...

TBS NEWS DIG

 

現代の戦争は戦時国際法など関係ない、ジェノサイド(民衆を絶滅する)戦争になっている

この映画に関連して、「ニート太公望」さんから、以下のようなコメントを頂きました。

「爆撃は軍事的目標に対して行われた場合に限り適法とする」といった基本的なことは、国際慣習法として定着していました。あえて軍事施設以外を爆撃すれば戦争犯罪になる、ということは太平洋戦争当時、各国が承知していた「法」だったのです。

しかし、それは無差別爆撃を抑制する方向には作用しませんでした。

戦時国際法というものはやはり、ナポレオン的な戦争の時代の産物だったのでしょう。そして、戦争の質が「総力戦」となるに及んで、そんなものは無視されるようになってしまった。

 日米の戦争も、サイパン陥落以降は「ジェノサイド戦争」の様相を呈します。日本軍を倒すのではなくジャップを滅ぼせ、という戦争に変ってくる。もし日米戦争が日露戦争のような二国間戦争で、世界中が中立国として注視しているような戦争だったならば、サイパン陥落でアメリカはいったん、攻撃をやめて降伏勧告すべきでした(実際、日露戦争では奉天陥落で、「そこまで。ロシアよ、今回はこれで勝負あったよな」とセオドア・ルーズヴェルトが止めに入りましたね)。ところが、この際、日本の息の根を止めて、アメリカにとって危険のない国に改造してやろうと考えているアメリカは、B29を大量投入して大殺戮(さつりく)戦争に入っていきます。一方、日本の指導者はそのことに気づかず、本土決戦を呼号していました。

 将棋は王様が取られたら勝負が決まります。桶狭間の合戦も今川義元の首を取られたら、今川方がいかに大軍でも勝敗が決しました。では、総力戦になるとどうなるのでしょうか。総力戦とは「官民挙げて国の総力を投じないと勝てない戦争」というように言われますがそうではなく、「先に相手の総力を叩き潰した方が勝ち」「軍人だろうが無辜(むこ)の民だろうが、相手を先に全滅させた方が勝ち」という恐るべき戦争だったのです。

さて、皆さんはどうお考えでしょうか?

そうこうしているうちにも菅内閣は新型コロナ感染拡大のドサクサに紛れて、「国民投票法改正」(改憲)「デジタル改革関連法」(監視社会)「土地規制法」(米軍・自衛隊基地周辺の私権制限)など、「あの暗い時代」に戻す法案を次々に通しています。

戦争について改めて考え直してみる時期がきています。

なお、「ニート太公望」さんの「習志野歴史散歩」をお読みになりたい方は下記でご覧ください
第1回
習志野歴史散歩:谷津球場、巨人軍発祥の地 - 住みたい習志野
第2回
習志野歴史散歩:寅さんと谷津遊園の大観覧車 - 住みたい習志野
第3回
習志野歴史散歩:谷津遊園の中にお城みたいな映画撮影所があった - 住みたい習志野
第4回
習志野歴史散歩:戦争中、習志野にB29が墜落していた - 住みたい習志野
第5回
習志野歴史散歩:「習志野」の由来と宮本武蔵 - 住みたい習志野
第6回
習志野歴史散歩:袖ヶ浦東小学校のSLは大正生まれのドイツ製 - 住みたい習志野
第7回
習志野歴史散歩:平安時代の「更科(さらしな)日記」に習志野市が出てくる - 住みたい習志野
第8回
習志野歴史散歩:鷺沼から頼朝が出陣! - 住みたい習志野
第9回
習志野歴史散歩:習志野にも来た伊能忠敬の日本地図が世界史を動かした - 住みたい習志野
第10回
習志野歴史散歩:習志野は何藩の領地だった? - 住みたい習志野
第11回
習志野歴史散歩:鷺沼村出身の「いせ辰」 - 住みたい習志野
第12回
習志野歴史散歩:忘れられた金メダリスト(大久保の騎兵連隊にいたバロン西) - 住みたい習志野
第13回
習志野歴史散歩:室町時代、30年も続いた関東の内戦と七年祭の起源 - 住みたい習志野
第14回
習志野歴史散歩:習志野のロシア人捕虜の世話をしたニコライ主教(「ニコライ堂」を造った人) - 住みたい習志野
第15回
習志野歴史散歩:騎兵旅団の光と影 - 住みたい習志野
第16回
習志野歴史散歩:戦車部隊の最期をふりかえり、不戦を誓う - 住みたい習志野
第17回
習志野歴史散歩:「習志野の森」と毒ガス - 住みたい習志野
第18回
習志野歴史散歩:鉄道連隊のこと(今のJR津田沼駅周辺) - 住みたい習志野
第19回
習志野歴史散歩:習志野市の市域が決まるまでのお話 - 住みたい習志野
第20回
習志野歴史散歩:国立博物館の「小倉コレクション」、かつては習志野市にあった - 住みたい習志野

 

 

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