隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0514.ささやく壁

2004年11月12日 | 安楽椅子探偵
ささやく壁
THE WHISPERING WALL
読了日 2004/11/12
著 者 パトリシア・カーロン
Patricia Carlon
訳 者 富永和子
出版社 扶桑社
形 態 文庫
ページ数 305
発行日 1999/03/10
ISBN 4-594-02664-8

 

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ットで安楽椅子探偵譚を探していて、見つけた中の1冊。訳者(富永和子氏)によれば、著者のパトリシア・カーロン女史は知る人ぞ知る著名な作家だそうだが、彼女の描く心理サスペンスは、母国オーストラリアでは長い間冷遇されていたらしい。
いち早くその実力を認めたのは英国の出版社だったようだ。
ある日突然起こった発作のために全身が麻痺して寝たきりとなり、動かせるのは瞼だけとなったサラという老婦人が主人公のこの物語は、同じ安楽椅子探偵譚として読んだジェフリー・ディーバー氏の「ボーン・コレクター」を思い起こさせるが、ストーリー構成は全く違う。

 

瞼を開いたり、閉じたりのいわゆる瞬き以外に何も出来ない人とのコミュニケーションはどのようにするのか?この作品の素晴らしさはそこにある。
そして300ページに及ぶ筋書きに読むものを引きずり込む展開、といっても話の舞台は主人公がベッドに横たわる部屋だけなのだ。
登場人物は、屋敷の住み込みの看護婦(女性看護師)、主治医、姪、友人、間借り人の母とその11歳の娘、同じく間借り人の夫妻、彼らの義父、そして主人公のサラと、合わせて10人。
これらの人々の会話と、サラの独白とでストーリーは進行していく。次第に盛り上がりを見せるその先は…?

 

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