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ゼニガタアザラシ科学委員会  捕獲目標は残り39頭、音波忌避装置は一時中断

2020-08-13 11:37:56 | ニュース

 えりも地区のゼニガタアザラシによる漁業被害軽減をめざす管理計画を検討する科学委員会が6日午後から札幌市で開かれ、今年度の事業実施状況、モニリタリング方法、今後の事業実施計画について議論を交わした。この中で、効果、コストの面で思わしくない音波忌避装置の検証事業を中止とするとの環境省の方針に対し、複数の専門家から「きちんとしたデータの裏付けが足りない」「非致死的手法を止めるのは納得できない」との意見が出て、一時中断するが、秋サケの漁獲が増えた時点でもう一度、試す方向で整理することになった。

 開会に当たり、安田直人環境省道地方事務所長が「環境省が2016年にゼニガタアザラシ管理計画を策定して2期目に入る。この間、現場の知見を蓄積し、個体数管理、防除対策に取り組んできたが、課題も多い。サケの不漁が続くなどアザラシを取り巻く自然、社会環境が変化しており、柔軟な管理手法を通じて将来につなげていきたい」と挨拶。座長の羽山伸一日本獣医生命大教授が「希少鳥獣の保護管理は日本で初めての経験で、手探りの状況だが、2期目に入り具体的な成果をあげていきたい」と述べ、さっそく事務局が説明し、質疑、意見交換を行った。

 それによると、今年春の定置網、刺し網による捕獲は47頭(空気銃による捕獲3頭を含む)で、混獲9頭を合わせ56頭となるが、内訳は幼獣が49頭、亜成獣が7頭。今年度の捕獲目標数は50頭で、これに昨年度の繰り越し分36頭を加え86頭に対し、秋の定置時期において残り39頭を捕獲する。


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