水産北海道ブログ

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11日から日ロサケ・マス漁業交渉開始、出漁遅れ必至

2022-04-11 15:30:34 | ニュース
 日本200海里水域のサケ・マス流し網漁業の操業条件を決める日ロサケ・マス漁業交渉がウェブ形式で11日から開催された。この交渉は日本200海里水域に来遊するロシア系サケ・マスに対する日本漁船の漁獲量、協力費などを決めるため、毎年開かれている。漁期の4月10日から7月7日に間に合うよう通常は3月下旬に交渉を行なっているが、今年はロシアのウクライナ侵攻もあって遅れていた。
 太平洋小型サケ・マス協会(松浦克也会長)に所属する10㌧未満の小型流し網漁船約20隻が道東各港から出漁する予定。交渉には、日本政府代表の藤田仁司水産庁資源管理部長とロシア連邦代表代のシマコフ漁業庁船団・港湾・国際協力局長が当たる。外務省、水産庁、道庁、漁業団体の関係者も出席する。
 なお、ロシア200海里水域のサケ・マス操業条件を話し合う日ロ政府間協議は引き続き日程を調整中となっている。
 昨年はシロザケ、カラフトマスなど2,050㌧の漁獲枠に対し、2億6千万円の漁業協力費を支払っている。漁獲実績はカラフトマスを主体にシロザケなど652㌧。不漁と漁業協力費の負担が経営を圧迫し続けている。

全漁連がALPS処理水問題で岸田首相、萩生田大臣と面談 政府の回答に「海洋放出に断固反対」、具体案の提示求める

2022-04-11 15:25:54 | ニュース

 JF全漁連のプレスリリースによると、全漁連およびJFグループは5日、岸田文雄内閣総理大臣および萩生田光一経済産業大臣の求めに応じ、東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の取り扱いについて面談した。

  今回の面談では、昨年4月に政府が決定したALPS処理水海洋放出の方針を受け、全漁連が全国の漁業者・国民の不安を払しょくするための5項目に対する政府の考えが示された。面談には、JFグループから、全漁連の岸宏会長、川崎一好副会長、大森敏弘専務、JF福島漁連の野﨑哲会長、鈴木哲二専務、JF茨城沿海地区漁連の飛田正美会長、𠮷田彰宏専務らが出席した。
岸会長らは同日11時50分から東京・中央区のJF全漁連の事務所で、萩生田経済産業大臣と面談し、5項目に対する政府の回答を受けた。萩生田大臣は、関係者の理解なしには海洋放出しないとの漁業者側との約束を遵守する考えを示した上で、「政府が全責任を持って対策を講じていく」、「漁業者を含む関係者の理解なしには如何なる処分も行わない」、「全国の漁業者が将来にわたり安心して漁業を継続できるようにするため、超大型の基金を創設し、政府一丸となってさまざまな対策を講じる」ことを挙げ、「今後とも漁業関係者とは徹底的に対話を重ね、そこでのご指摘を踏まえ、納得いただけるよう必要な対策に取り組む」と語った。
  これに対し、岸会長は「回答の内容は精査が必要」と述べた上で、「政府の姿勢が示されたものと受け止めた」との見解を示した。さらに、JFグループのスタンスについては「国民、漁業者の理解を得られないALPS処理水の海洋放出に断固反対であることはいささかも変わることはない。全国の漁業者が将来にわたって安心して漁業が継続できるようにしてもらいたい」と語り、政府に対して、今回の回答を踏まえ、国民、全国の漁業関係者への丁寧かつ真摯な説明を継続するとともに、実効性を持った回答の具体案を示していくことを強く求めた。 
萩生田大臣との面談後、岸会長らは首相官邸を訪れ、同日15時15分から岸田総理大臣と面談し萩生田大臣も同席した。
 岸会長によると、岸田総理大臣からは、萩生田大臣からの説明の通り、①国が全責任を持って対応する、②情報発信・理解醸成をしっかりやる、③全国の漁業者が安心して漁業に取り組むことができるような支援を講じる、④関係者としっかり面談し、政府としても必要な対策を講じるとの方針が示された。
  岸会長は、萩生田大臣との面談と同様、「政府の姿勢が示されたものと受け止めた」とした上で、「今回の回答を踏まえて、風評対策も含め、漁業者が将来にわたってしっかり漁業ができる具体的な施策を示していただきたい」と要望した。