・水産北海道2015「新春座談会」
本道沿岸の人口減少解決は漁業振興しかない!
消費を広げ、世界に冠たる日本漁業めざそう!!
キーワード
○26年を振り返って~堅調な魚価、日本海対策、新魚種への対応も 環境変化に対応した栽培漁業、増養殖を 浜の水揚げを反映し貯金量も増加 共済組合50周年、漁協元受30周年祝う 広域合併の協議への参加を理事会で決定
○主要魚種の動向~サケの来遊変化とEU輸出への扉開く 輸出が絶好調ホタテ、増養殖技術の成果 サンマの動向、サバ・イワシの沿岸利用は? コンブは回復せず、スケソウは不漁? 26年は浜プランなど政策を仕込む年
○27年に向けて~格差是正・振興対策は人口減少とリンク 輸出を伸ばし、世界の冠たる日本漁業へ 不祥事の未然防止、近代化資金の延長 漁船漁業の加入推進、思い切った施策を 後継者対策の支援、広域合併の見極めを 漁協に対する指導強化、総合的な議論を ホタテの貝毒発生に注意し万全の体制を
☆出席者
・北海道水産林務部長 山崎峰男氏
・北海道水産林務部水産局長 幡宮輝雄氏
・北海道漁業協同組合連合会代表理事会長 川崎一好氏
(厚岸漁業協同組合代表理事組合長)
・北海道信用漁業協同組合連合会代表理事会長 横内武久氏
(沙留漁業協同組合代表理事組合長)
・北海道漁業共済組合組合長 共水連北海道事務所長 鎌田光夫氏
(南かやべ漁業協同組合代表理事組合長)
・北海道漁業信用基金協会理事長 濱野勝男氏
(島牧漁業協同組合代表理事組合長)
・ 司会(株)水産北海道協会代表取締役 上田克之
師走選挙となった2014年。消費税増税による景気後退、アベノミクス効果が地方に行き渡っていないなどの面はあるものの、自民公明の連立与党が圧勝し、安倍首相の長期政権への布石が敷かれた。
北海道の漁業は、総体的にみると数量的にはやや頭打ちにあるものの、金額的には好調さが続いた。800億円のホタテ、500億円の秋サケをはじめ、輸出関連魚種が魚価を押し上げた。
その一方で海域間格差が広がり、日本海漁業振興に象徴される地域漁業の再生が必要となっている。漁村の人口減少問題も深刻で、実効ある担い手対策が求められている。
基幹魚種の中でも、コンブの生産回復は十分とは言えず、海洋環境の変動に対応した漁業を構築するため、地域特性に合った栽培漁業の推進が必要となっている。
また、新たな来遊魚種として注目されたブリのほか、道東のサバ・イワシの増加に対し、沿岸漁業での利用が大きな課題として浮かび上がっている。
本道漁業の抱える課題はまさに山積しているが、明けて2015年は未年で、羊は家族に平和をもたらす縁起物とされる。さてどんな年になるのか。
恒例の新春座談会では、道水産行政トップ2人に加え、系統団体長4人にご出席いただいた。多忙の団体長、行政トップが一堂に揃うのは珍しく、大変有意義な会となった。座談会では2014年を振り返ると同時に、2015年に向けての展望、課題、方向性を活発に話し合ってもらった。
行政サイドからは、浜プランや日本海漁業振興など新年に真価が発揮される政策の話題や、水産版担い手対策の検討などの課題もあがり、系統団体長からも活発な話が聞かれた。漁業を取り巻く変化はめまぐるしく、それに対応した新たな水産政策に対する期待は大きい。生産面ではベースとなる基幹魚種、育てる漁業の原点が問われる一年となりそうだ。(文責・上田)。
・平成26年度定置漁業振興会議(道定置漁業協会主催)
前期好調から一転、中期4年魚不振で17%減
関係者が一堂に会し生産、流通消費、共済など秋サケの総まとめ
北海道定置漁業協会(阿部 滋会長)は12月16日、ホテルポールスター札幌で、定置漁業振興会議を開催し、今年度の秋サケの総まとめを行った。前年比微減予想、前期の好漁でスタートした秋サケ定置網漁は、中期に入り、オホーツク、根室を中心に4年魚の不振に見舞われ、終漁間近の12月10日現在で3,224万尾(前年同期比16.5%減)と大きくダウン。経営面では浜値高や共済制度に支えられたものの、資源面での不安定さが増し、会議では減少要因に関心が集まった。また、秋サケ製品の消流状況、漁業共済・積立ぷらすの加入状況や支払見込みについて説明が行われた。
・斜里第一漁協 待望の新事務所が完成
本格化する水産基盤整備事業の拠点として大いに期待
落成祝賀会に230名出席 将来の更なる発展を祈念
26年4月から建設が進められていた斜里第一漁協の新事務所がこのほど竣工し、11月21日に修祓式が執り行われた。同漁協ではその後の3連休の間に引っ越し作業を済ませ11月25日、待望の新事務所での業務を開始した。斜里第一漁協は発足後60余年のうち40年を共に過ごした旧事務所を補修しながら大切に使い続けてきたものの、平成25年、後に続く水産基盤整備に備え、建て替え時期としては業績良好な今がベストと新事務所の建設を決断。この11月、斜里第一漁協事務所は使い勝手の良いモダンな建物へと生まれ変わった。
12月14日には完成記念祝賀会が斜里町内で開催され、組合関係者や管内組合長ら230名が新施設の完成を祝した。
・道が日本海漁業振興の全体像(基本方針)まとめる
新たな養殖業の展開、未利用・低利用資源、漁場の活用で再生期す
ホタテ、マガキ、マボヤ、キタムラサキウニの4魚種を基本に複合養殖も視野に
道水産林務部は、27年度から実施する日本海漁業振興対策の基本方針を示した。漁業生産が急激に落ち込んでいる日本海漁業の再生の基本方向、新たに取り組む漁業や経営対策をまとめたもので、ホタテ、マガキ、マボヤ、キタムラサキウニの4魚種を基本にした新たな養殖業、イワノリ、ブリなど未利用・低利用資源の活用、小定置や底建網の増設など漁場の有効利用が柱となる。
・SNSでリアルタイムの情報を発信
白糠漁協 浜の魅力を伝えるFACEBOOK
旬の水産物、漁師と漁協の取り組みを消費者に
ブログなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用し、地元の生の情報を発信する取り組みが全国各地で進んでいる。道内では厚岸漁協直売店のスタッフブログを筆頭に、各地からリアルタイムの浜の情報がSNSを通して発信されている。その中でも秀逸なのが白糠漁協のフェイスブック。コンテンツへの反応を示す「いいね」の数は約900を得ており、消費者との交流の場にもなっている。