US発 ひとりよがりおたく日記 (不定期)

主に映画の感想。管理人が気に入った映画があった時だけしか更新されないブログ。

Broken Flowers (2005)

2005-08-18 10:08:41 | cinema
ジム・ジャームッシュ監督、ビル・マーレイ主演のこの映画、かなり
話題になっているみたい。その証拠に、シネコンの中の2つを使って
1時間おきぐらいに上映してます。平日昼間の早い回だというのに、
30人くらい入ってて、やっぱり人気でした。

ビル・マーレイ演じる主人公のドンの元に、ピンクの封筒に入った
匿名の手紙が届く。「あなたの息子が訪ねていくかもしれません」って
いう、昔の恋人からの手紙なんだけど、どの元恋人からなのかわからない。
候補は5人いて、隣に住む、友人ウィンストンが、彼女たちを訪ねて
行くべきだ!って、なぜか(多分好奇心と友情)お膳立てをする。
そしてドンは、彼女たちを訪ねる旅に出かける。

そういう話なので、ロードムービーだし、ちょっととぼけたコミカル
さが売りなのだけど、今までのジャームッシュの作品より、今回
ちょっと違うなあって印象。(てか、最近の作品はあんまり見て
いないけど、てかてか、彼はあんまりたくさん映画を発表していない
よね…)それは多分ビル・マーレイの情けない中年男風情が最初から
最後まで、強く打ち出されていたからかな。ジャームッシュの映画は
白黒が多かった気がするけど、今回カラーだし。
ウィンストン(ジェフリー・ライト)の提案で、ドンは女性を訪ねる
ときには、いつもピンクの花束を持っていきます。ピンクの封筒、
ピンクのバイク、ピンクのタイプライター、ピンクのリボン、など、
謎解きのヒントにいろいろ使われてた。

ところで、話は映画とあまり関係ないけど、ウィンストンがネットを
使って、昔の彼女たちの居所を探し当てるんだけど、アメリカだと
それは結構簡単なのかもしれない。
「アメリカン・スプレンダー」の日本のホームページで、ピーカーが
「電話がわかんなかったら、クリーブランドの電話帳に載ってるから」
ってインタビューで言っていた。試しにネットのイエローページで見たら、
簡単に見つかった。姓名と大体の住所がわかれば、アメリカ人の殆どの
人が、ネット上にデータが載ってて、探せるようです。
(注1:子供とか、大学生くらいまでは、載ってないかも。税金納める
くらいの年代からしか載ってないと思う)
(注2:John Smithとかいう名前だと、同姓同名さんがあまりにたくさん
いて、探すの無理かもしれない…笑)
これって、良いんだか、悪いんだか。日本だとそこまで情報が流通
してないと思うのですが。ある意味、危険だよね。でもある意味、
安全でもあるのかな?

最後はちょっと謎の終わり方。どっちだったんだろ~?っていう。
そこらあたりは、ジャームッシュらしかった。

ビル・マーレイは他の人には出せない味をかもし出すよね。独自の
おじさん路線を進んでいて、今後も楽しみです。