降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★嵐山は土ぼこりだった=京都初秋篇(2)

2013年09月18日 | 新聞


以前何回か食事に行って、とても感じのいい「おもてなし」を受けた老舗旅館渡月亭(京都市西京区=渡月橋南側)や桂川周辺土産物屋は一夜開け、汚泥が乾き、土ぼこりが舞っていた──。
去る9月16日、台風18号豪雨災害により桂川が氾濫、濁流に見舞われた嵐山に車で行った。

桂川は依然濁流を見せていたが、渡月橋(全長155m、橋幅11.2m)欄干までせりあがっていた水嵩は引いていた。
驚いたのは、渋滞が多少あるものの、同橋一帯は普段通りバスや乗用車の通行ができ、多くの観光客(!)が往来していたこと。

渡月橋南側一帯がかなり広く濁流に飲み込まれ、 被害が特にひどいよう。
何回か行った渡月亭は玄関前まで冠水、向かい側の土産物屋は店内奥にまで泥水が入っていた。
嵐電駅のある北側商店街は、美空ひばり記念館ほか数店が冠水のため営業休止していた。

汚泥とともに上流から流れてきた夏草や流木が店の中にまだ残り、倒れた大型冷蔵庫の前でスタッフが呆然としていた。
どこから手をつけていいのか分からないくらい、ひどい汚泥なのだ。


(u_u)

★富士川は規制水位だった=京都初秋篇(1)

2013年09月17日 | 新聞/小説

「富士川の水位が上昇しているため(写真)、新幹線の運転を全線見合わせております」──台風18号禍で東京駅を13:30に出て、京都駅に着いたのが18:00。トホホ。
初めは三島駅止まりだったのが、途中から名古屋行きに変わった臨時号、新大阪行きに変わるかシメシメと思ったら、名古屋止まり。トホホトホホ。

ツアーのC国人やブラジル人で大混雑の名古屋駅ホームから再びのぞみ号に乗車し、途中止まり止まりしながら、ようやく京都の愛人........じゃなくて、知人と会えたのどすえ(←超ニセ京ことばおすえ。堪忍しておくれやすぅ)。
東の京から入洛まで、なんと約4時間30分。トホホトホホトホホ。

僕はSoftBankのiPhone5(テザリング用にdocomoのGALAXYも使用)を使っているが、
都内~新幹線沿線~京都市内、3Gにならず、すべてLTE接続だったのが、発見。やるじゃん、SoftBank。
ずっとLTEで快適通信だったので、auに行くべきかと思慮していたが、SoftBankに踏みとどまったのだった。


(・ω・)ノ

★『原発ホワイトアウト』は誰だ?

2013年09月16日 | 新聞/小説


この作者は、誰なのだろう──小説の形を借りた告発なのだ。
『原発ホワイトアウト』(若杉洌←ニスイ+列です)講談社、1680円=写真。
著者略歴は
「東京大学法学部卒、国家公務員1種試験合格、現在霞が関の省庁に勤務、現役キャリア官僚」
しか分からない。
でも、第1作ながら数紙に半5段新聞広告を打ち、書店でも派手なディスプレーをしているから、講談社が力を入れているのが分かる(タイムリーな題材もあるだろうけど)。

小説は、1998年2月21日の朝日新聞記事から始まる。
「70メートル送電塔突然倒れる 香川・坂出」
覚えている。鉄塔を支えるボルトが2塔で外されテロではないか、と騒がれた異様な事件。
それから15年後の今年2013年参院選投開票7月21日午後8時、ある電力会社幹部は、保守党圧勝を見て
「ようやく秩序が回復された」
とほくそ笑んだ。
保守党、政界、経産省、電力会社それぞれが動きだした。
だが、放射性物質ダダ漏れが続くムニャムニャでムニャムニャだった──(言えない)。
書き方やストーリー展開では、真保裕一さん的作風がチラリ見えるから、作者・若杉さんは30代後半ぐらいの官僚ではないだろうか。

「東京選挙区では、フクシマの事故後に脱原発運動で有名になった山下次郎という俳優が無所属の候補として当選圏内に食い込んで、民自党の現職と競り合っている、とも報じられていた。
(中略)
仮に無所属で蠅のようにうるさい奴が一人ぐらい当選したって大勢に影響はない。(後略)」
(本文から引用)

山下次郎(脱原発俳優、参議院議員)
岩崎道夫(保守党幹事長)
伊豆田清彦(新崎県知事)
山野一郎(保守党一匹狼議員)
「脱原発俳優・山下次郎」という括り方も乱暴というか凄いが、
だいたい「あの人」と類推できるのだ、登場人物たちが──。
あまりに詳細で、生々しい告発小説。
途中から憤りで、「怒!」連発だった(でも、次作が読みたい)。



o(`ω´ )o

★朝日新聞デジタル版は、どうなのだ。

2013年09月15日 | 新聞


ハラキリをやっても、朝日新聞がなぜ矩形(ブロック形・ハコ形)レイアウトにこだわっていたのか──デジタル版を見据えていたのだね。

ということは、さておき。
僕がいま使っているiPhoneとGALAXY Note2で、紙の新聞紙面「レイアウトそのまま」見られるのは、産經新聞デジタル(無料→号外まで発行の太っ腹!さらに、ビジネス・アイも無料。すまないねぇ~産經)。
でも、産經デジタル版は広告が削除され、配信記事を一部カットしているのが難(→僕は書籍・週刊誌広告がないと困る)。無料だからねぇ。
だから、悩んだ........................紙の新聞紙面を、広告が入ったそのまま読みたい。

朝日新聞DIGITALは、どうなのだ。
紙の朝日新聞購読と合わせ契約コースが異なるが、
デジタル版コース月3,800円にしてみた(→これ、実に微妙な価格設定。紙の朝日購読料は朝夕刊セット版3,925円、同朝刊のみは3,007円)。
紙と比べると、デジタル版かなり割高な気がする........。

【産經新聞デジタル版@iPhoneアプリ】
▽無料、号外あり。
▽朝5時から紙面ビューアー可能。
▽広告はすべて自社グループものに切り替わる(残念)。
▽記事切り抜き・スクラップはできない(残念。でも僕はiPhoneスクリーンショットで切り抜いている )

【朝日新聞DIGITAL版】
▽基本コースは、有料。無料会員コースもあるが、読める記事は一日3本だけ&紙面ビューアーも不可というケチ........ではなく懐の狭さ。
▽iPhoneでは、24時刊と紙面ビューアーが読める(写真左は紙面ビューアー、右は紙の朝日新聞)
▽東京以外の各本社版とbeなど別刷りも読める。
▽試読期間として最大2カ月無料(キャンペーン中だから)。
▽切り抜き・スクラップは可能(→この機能を使ってみて、朝日がなぜハラキリ多用しているのか分かった)。データはクラウド上で保存。

────とりあえず、10月末まで試読してみよう。


(・ω・)ノ

★15段組み新聞を保存しようっと。

2013年09月14日 | 新聞


【写真は本文と直接関係ありません 】
2008年、朝日、読売新聞などがブランケット12段組みに移行したとき、
「つ、つ、ついに、新聞に地殻変動!」
と思った。
整理部に入ったときから、ずっと
「新聞1ページは15段組み=1段は15倍(←実は、CTSでは限りなく15倍に近い14倍だったのだけど)」
だったから衝撃だった。

都内発行の一般紙は(9月現在)
▼12段組み=朝日、読売、毎日(一部は15段)、産經新聞
▼15段組み=日経、東京(中日新聞東京本社発行)
だけど、15段組みは近く日経新聞だけになりそう。

地方紙では、15段組み新聞(1段15倍・10~11字組み)がかなり残っているのが意外だった。
でも広告出稿の関係から、いずれ12段になるだろうから、現在の15段新聞をとっておこう──と思う私でございます。


(u_u)

★伊集院静さんはモテモテだった。

2013年09月12日 | 新聞/小説


銀座の愛人ケメ子(23)からせがまれて、伊集院静さんの「大人の流儀シリーズ累計100万部突破記念」サイン会に行った。
伊集院さんのエッセイや小説を読んでいると、登場人物たちの視線が遠くまで見える書き方なので、
「きっと、デカい人なんだろうな」
と思っていたが、現れた伊集院さんはやはりデカかった(エッセイには180cmと書いてあったが、どうなのかしらん)。

会場は、銀座近くのチェーン書店。
銀座モテモテ3大作家は、故・水上勉さん、故...じゃなくて渡辺淳一さん(79)、そして伊集院静さんと聞いた。
会場に行って、本当だと思った。

『別れる力/大人の流儀3』(講談社)を持った出勤前の真野響子さん的ママさん、
中小企業の社長さんと同伴らしき、クルクル巻きウエーブ・ヘアスタイル釈由美子的ホステスさん、
大企業部長さんらしき御仁とご一緒の室井滋さん的熟女さん(?)らが20人近くがいらっしゃった。
だから、お香水の匂いがすごいのであった。

出版社担当と会場に現れた伊集院さんは、
「すぐ始めますから!」
と階段をスタタタッと駆け上がった=写真。63歳、お元気である。
著作本サイン後には、夜の蝶の方々と気楽にツーショットを撮られながら、
「おい、その写真、新しい恋人だなんて言うなよぉ、わはははは」
63歳、豪放磊落である──僕も見習わなくてはならない(笑)。

だから、15日(日)放映の、テレビ朝日スペシャルドラマ「いねむり先生」を観ようと思ったのでございます(ギャンブルの神様・色川武大さん役の西田敏行さんが驚くほどソックリ!)。


(≧∇≦)

★おや、中国語見出し。

2013年09月11日 | 新聞


超ひさしぶりに、「中国語見出し」を見た=写真は10日付。

『中国爆撃機 南西海域通過』
「沖縄本島・宮古島付近/自衛隊が警戒強化」

『が』があって良かった。
漢字だけの見出しを中国語見出しと編成部(=整理部)では呼び、避けるように指示してきた(........以前は、ね)。

『中国爆撃機が南西海域通過』or
『中国爆撃機が南西海域に』
「沖縄と宮古島間通過/自衛隊、警戒強化」
1文字入れるべきなんだろうけど、偏平がキツくなるから略したのかな。
たぶん、デスクは気がついただろうけど、
「まあ、いいやぁ、間違いじゃないしぃ~意味わかるしぃ~」
だったと思う。


(・ω・)ノ

★この訂正、明日は我が身。

2013年09月10日 | 新聞

【写真は本文と関係ありません】
他社の編集ミスや訂正・お詫びを云々(うんぬん)すると、ブーメランのごとく自分に返ってきてしまう、ということは分かっているけど──。
最近、なぜかいろいろな訂正&ミスを見てしまった。

▼ 消えた「東京落選」────
去る9月8日(月)午前、朝日新聞デジタルのツイッターを見て仰天した。
慌てて、隣の人に画面を見せて確認してもらった。
「........こ、こ、これ、しっかり『落選』って書いているよね?」

『朝日新聞オリンピックニュース/4時@asahi olympics
東京、落選しました。第1回の投票で最少得票。決選投票に進めませんでした。ライブ動画→t.asahi.com/cbzx #asahi_gorin』

→予定稿だったのだろうか。その後みたけど、削除したのか消えていた(iPhoneでスクリーンショットしておいて良かった、笑)。
かの国の国営メディアだけではなかった。

▼連載ものは盲点なのだ────
京都新聞9月2日付。同紙朝刊の連載小説「親鸞 完結篇63 五木寛之」とすべきところ、6月まで連載していた小説タイトル&作者名を掲載、

「題字部分の作者名やタイトルなどを間違えて掲載しました。」

→これ、整理記者なら1度はやるミス。僕も、企画もののナンバーや日付を何回も何回もミスったし(笑)。
京都新聞で不思議なのは、小説カットを呼び出すIDが似ていたのは分かるのだけど、
なぜ、前IDを削除していなかったのだろう。
さらに、「読者の声」欄の下3段に掲載されている同連載小説を編集局、製作局で誰ひとりとして赤字チェックをしなかったんだろうか(→まぁ、しなかったんだから、事故が起きたのだろうけど)。

▼この「お詫び」はキツイ────
朝日新聞出版発行の月刊PR誌「一冊の本」2013年9月号。
最終ページに、

「【お詫び 】原研哉さんの連載『表紙の気分』8月号におきまして、7月号と同じ内容の原稿が掲載されておりました。正しくは以下の文章です。
(中略)原研哉さんをはじめ、読者の皆様に大変なご迷惑をおかけしましたこと、衷心よりお詫び申し上げます。『一冊の本』編集部」

→前の原稿を、そのまま掲載!
うーむ。月刊誌の場合、1カ月近くミスったままだろうから、担当編集者はヘコむなぁ。その点、新聞はヘコみ期間1日だから。

................いずれのミスも、明日は我が身でございます。


(u_u)

★新聞を鉛活字・活版で組んでいた頃(20)番外編

2013年09月09日 | 新聞

【9月6日付の続きです。写真は本文と関係ありません】

「こうして、眼鏡を外して(机に伏して)描くことが多くなり........加齢には勝てません」
と宮崎駿監督(72)は引退会見で言っていたが、
すでに僕は眼鏡を外して、目を凝らしてゲラ読みですよ(←引退だよっ)
──ということは、さておき。

つい最近まで、新聞は鉛活字と活版でつくっていたのだよ──後世に書き遺しておこうかな、の第20回番外編。

▼ 共同通信チャイムがとても怖かった数カ月があった────
前回書いた「共同通信ピーポ」(速報)が、とても怖かった時期があった。
「ピーポ~ピーポ~、共同通信から編集参考です........」
とスピーカーが鳴るたび、新聞社の編集局全員の胃が病んだ「数カ月」(→あとで聞いたら、そうでもなかったよ、と言う人もいたけど)。
昭和63(1988)年9月19日、昭和天皇が吹上御所で吐血され、重体となった以降の数カ月、出社するのがキツかったぁ、ほんと。

「ピンッポーン!」
「共同通信から編集番外です! 20時25分、藤森宮内庁長官(当時)が急ぎ皇居に向かいました。なんらかの異変があったもようです。
繰り返します、藤森宮内庁長官が急ぎ........」
早版編集中だった編集局内がピタッと静まった。モニターを吐き出すプリンターしか動いていなかった。
当時、1面担当だった僕は隣のメーンデスクと見合わせ唸った。
(ヤバイ。来るよ来るよ来るよ........Xデー。今夜かもよ)

▼ 休みを取れなかった1988年後半────
同年9月以降「共同ピーポ」は連日、重体・吐血・下血・異変・皇居・藤森宮内庁長官・官邸・竹下首相(当時).......ばかりだった。
チャイムが鳴るたび、ヒエッと狼狽えた僕。
いつの間にか囁かれだした「Xデー」に備えるため、整理部も通常紙面をつくる表チーム、特別紙面をつくる裏チームの2態勢になり、休み返上&連日サービス出社になった(←でも、給料に特別手当はついていたから、サービスではないですね)。
共同ピーポも、いつもの女性アナウンスだけでなく、
暗ーい中年男性のアナウンスもたまにあったから、共同通信も大変だったろう、と思う。(番外編続く)



(・ω・)ノ

★村上春樹さん新作小説を読んだ (^O^)/

2013年09月08日 | 新聞/小説


ま、まさか、村上本に黒船屋の女とは──。
中はバリバリ西洋(翻訳恋愛小説)で、ジャケットは竹久夢二の「黒船屋」という、村上春樹さん編訳『恋しくて/The Selected Love Storis』(中央公論新社、1890円)=写真右。

欧米の現代作家作品翻訳アンソロジー9編はさておき(←さておいていいのか)
まず春樹さん書き下ろし「恋するザムザ」を読んだ。

目を覚ますと、部屋の中央にあるベッドであおむけになっていた「彼」が、カフカの小説『変身』の主人公ザムザになっていた。
それから「彼」はムニャムニャで........(言えない)。

実質36ページの短編。
「恋するザムザ」というタイトルが先にできて、はるか昔に読んだ『変身』後日譚のようなものに仕上げた、と作品後記で書いている。

「で、新作短編は面白かったのか?」
と聞かれれば、
「うーん、まぁ面白かった」
ちょうど、村上龍さんの『心はあなたのもとに』(文春文庫8月新刊=写真左)というエロス純愛ものを読んでいたので、
「はぁ~、こういう春樹ワールドも口直し的でいいよねぇ」
だった。


(^O^)/