降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★新聞を鉛活字・活版で組んでいた頃(21)

2013年09月25日 | 新聞

【9月6日付@19回の続きです。写真は本文と関係ありません】

つい最近まで、新聞は鉛活字・活版で組んでいたのだよ──後世に書き遺しておこうかな、の第21回。

【前回までのあらすじ、かな? 】
時は、平成はじめ。
とある新聞社の編集局整理部は、25時10分(午前1時10分←仮に、です)最終版の降版締め切り時間に向け、編集作業のピークだった。

▽ 24時40分=最終版降版時間まで、30分────
共同通信ピーポ(共同通信加盟社速報)も時差の関係で海外スポーツ、外報ネタになってきた。「ん?」と運動面、外報面を見ると、それなりに記事を入れ替えるようだ。
「さぁーて、組みに行こうかなぁ」
最終版は社の縮刷版やデータに残るので、どの面担(整理マン)も丁寧につくるのだ(→じゃあ、早版は丁寧につくらないのか? と聞かれれば「いーえ、出来る限りのことはやってますよぉ~」と言わざるを得ないのだけど........)。

▽24時43分=最終版降版時間まで、27分────
バサバサと割り付け用紙を持ち、別階にある製作局の大組み台に来た。
僕「あれ? 池さん(←仮称・大組み担当者【注・下段】)早版帰りじゃなかったの?」
大組み・池さん「おーよ、若いのがアッチのCTS(コンピューター組み版)研修に行っているから、俺たちはもうちょい働くよ。
さあ、カタから組むかい?」
僕「ふーん、CTS班に若い人たち行ってんのかぁ。当面、CTSと鉛活字の2グループ制だから大変だねぇ製作局も」

製作局でも共同通信ピーポは流されるが、この夜は、まだ大きなネタ(速報)は出ていなかった。
今夜はバタバタせず、静かに最終版を終え、最終版打ち上げのビールを飲めるのだろうか整理部は................(続く、かも)。

【大組み担当者=おおぐみたんとうしゃ】
鉛活字を使い、活版紙面を組み上げる専門技能者(僕たち整理は、職人さんとも呼んでいた)。
高卒で入社した、その新聞社叩き上げの大組みの方もいたが、他の新聞社から転社した職人の方も結構いた。
例えば、「池さん」は長く勤めていた経済専門新聞社(東京・千代田区大手町1)の紙面CTS化で人員整理に遭い、僕らの新聞社に途中入社された、と聞いた。
なぜか、経済専門新聞社におられた職人さんたちが多くいたのだ。



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