降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★『天才』は 250円だった。

2016年04月25日 | 新聞

( 写真はイメージです )

地震が頻発化してきたので身軽になろうと、読み終えた本や雑誌をブックオフに持っていった。
売れているアノ作家の、アノ本のブックオフ買い取り価格は……。
*お断り=ブックオフの店頭買い取り価格はセンターで決めているけど、各店舗のキャンペーンや地域特性で多少の差があると聞きました。
持っていった本は、いずれも①カバー汚れナシ②本文に書き込み・マーカーナシ③日焼けナシ(のつもり)でした。


▽石原慎太郎さん『天才』幻冬舎、税別 1,400円
➡︎ブックオフ買い取り価格 250円

僕は石原さんが嫌いである。
でも、なぜ83歳になって突然の角さん本なのか知りたくて読んだ。怖いもの見たさ。
「石原慎太郎が田中角栄に成り代わって書いた衝撃の霊言!」(オビのコピー)
ど、ど、どーした?石原さんって感じ。
角さんに憑依して書かれているので不気味なのだけど、角栄という男の中に潜む、切ないほどの孤独と寂しさと意志が時代を動かす力となり、一奇跡を生んだのだ——という。うーむ。
むしろ僕は、田中元首相に栄枯盛衰、晩年の姿(→毎日新聞が撮った空撮写真は衝撃だった)に諸行無常を感じてしまう……田中眞紀子さんは今なに思う。
60万部突破。見城徹社長が心酔している石原さんが、幻冬舎を再び救うという意味でも面白い一冊だった。

▽五木寛之さん『はじめての親鸞』新潮新書3月刊、税別 700円
➡︎ブックオフ買い取り価格 100円

五木さんと石原さんは、ともに1932年9月30日の同年同月同日生まれ。
ともに83歳だけど、五木さんの方が(左脚痛とおっしゃっていたけど)お元気そう——ということは、さておき。
▽一橋大卒・早大中退
▽芥川賞・直木賞
▽自力・他力
歩いてきたフィールドは違うものの、実に対照的な2人の軌跡。

同新書は昨年開かれた新潮講座(3回)を起こしたもの。
僕はもぐり込んでいたので、五木さんの当日の様子を思い出した。
メモを見ることなく仏教用語や歴史年号、難解人名をスラスラ口にされていたのでビックリした。すげ~記憶力。小説「親鸞」3部作効果か。
評判が良かったので、新潮講座も3部作になるという。楽しみ。

▽見城徹さん『たった一人の熱狂』幻冬舎文庫4月刊、税別 650円
➡︎ブックオフ買い取り価格 100円

石原さん、五木さん、と来れば見城さん(65)。祝・幻冬舎文庫創刊20年!
自身の「顰蹙はカネを出してでも買え」のモットーどおり過去の自慢話に終始しているのがアレだし、他社既刊本(双葉社、講談社)との重複が多々あるので即ブックオフ行き。

でも、僕は2011年の幻冬舎株買い占めあわや乗っ取り事件に絡み、「AERA」で見せた見城さんの痩せ細った悲愴な姿が忘れられない(➡︎2011年2月16日付、28日付みてね)。
「海外ファンドの仕業ではない。〝犯人〟は分かっている……」
と苦渋の表情だったけど、一転みずほ銀行から多額融資を受けたとたんに元気いっぱいのイケイケドンドン。バラエティー番組にも出演。
地獄から天国。
分かりやすい。
一連の著作本は、師匠だった角川春樹さん(74)にも献本されているのだろーか(と小さな声)。

———単行本5冊、新書6冊、文庫本 11冊、雑誌 3冊、ブックオフ持ち込み。
帰りに、マツキヨでパブロンゴールド顆粒、造血剤、カルビーうすあじポテトチップス(58円ですよ!)、
ローソンでメビウススーパーライト、65cmビニール傘、夕刊フジが買えたので、まぁいいかな、と。