絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

父の40年前のクロッキー

2015-12-25 | 父の絵
父が40年前に描いたクロッキーを見せてくれました。

10分間クロッキーです。

 



父は、古川先生の家に毎週土曜日の夜通って、クロッキーの勉強をしていました。

そのときの仲間に、中兼先生、持田さんがいました。

私も高校時代から大学時代にかけて参加させてもらいました。

この土曜会は30年続いたそうです。

父のクロッキーを見ると、筆圧がすごいです。このくらいおもいきった自信にあふれた表現ができるようになりたいと思います。
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デッサン どこが違うでしょうか?

2015-12-25 | デッサン会
昨日のデッサン会で、顔を描いた人のデッサンです。ちょっと見比べてください。

 



何が違うでしょうか?

ーーーー
答えは、後で。

これは、デッサン会のFNさんが、10分間で描いたクロッキーです。
最近、FNさんは、クロッキーの時は顔だけを描いています。
慣れて来たためか、10分でここまで描き込めるようになりました。

終わって、全体の批評会の時、私が練りゴムを使って少し気になる部分を消してみました。

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答えは、もうお分かりですね。

輪郭線が固いので、練ゴムで擦ったり叩いたりしてみました。
髪の毛の端を見てください。
首のとっくりセーターの両脇を見てください。

両サイドは、中央に比べて遠いのです。
それを出そうとすると、自然にこのように描きたくなります。
これは、後ろへ回り込む空間を描くということです。
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今日の私のクロッキー

2015-12-24 | 私の絵
今日のデッサン会で描いた私のクロッキーです。

10分で描きました。



いつもは練ゴムを使わないのですが、終わってから、少しズボンの辺りを消しました。

鉛筆のタッチがギスギスした感じで嫌だったのです。

空間を表すためと、鉛筆の味と、顔を目立たせることを考えて消してみました。

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浦和のKさん 風景画

2015-12-24 | 絵画指導
浦和のHさんと一緒に月に1~2度通っているKさんの風景画をご紹介します。

 



今回は、少し間が空いたので、5点見せていただきました。
その内の3点です。
いろいろな所へ出掛けて行って、このような風景を描いていらっしゃいます。

油絵の10号くらいです。

どれも構図が安定していて、安心して見られる絵です。
色味も良く、自然を楽しんでいらっしゃることがよく分かります。

今の課題は、遠景、中継、近景の表現の差を考えることです。
植物で言えば、近いほど一枚づつの葉が具体的に見えてきます。
ピントの合わせ方と言い換えても良いでしょう。

例えば、白樺の木(二枚目)はピントが合っていますが、その下の草はピンボケです。
同じくらいの距離にあるものは、同じくらいのピントを合わせた表現が必要です。
この白樺の辺りは手前なので、その奥との対比で、グッと近づけた感じを出したいです。

また、中継辺りにメインのポイントがある場合(一枚目と三枚目)には、その見せ場の辺りをしっかり魅力ある表現にするという気持ちが必要です。ピントがぼけていても魅力を感じるなら構いませんが、私ならピントを合わせて説得力ある表現にしたくなります。

一枚目の絵の近景に黄色い葉の植物がありますが、これは特に重要です。
これこそピントを合わせたい部分です。その際、その周りの草たちもある程度合わせた表現が必要になります。

ピントを合わせて説得力のある表現をすることで、見る人をハッとさせたいですね。
ただ、気を付けることは、全てをピントを合わせるのではなく、どこをどのくらい合わせたらいいかと考えながら必要を考えて行うことです。そこが画家の力量です。



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楽園のカンヴァス 読みおえました。

2015-12-23 | 読書
楽園のカンヴァスを読み終えました。

なかなか興味深い本でした。

私は、小説の興味よりアンリルソーについて興味がありましたので、美術に携わる人間として、この種の小説は有り難いと思いました。

実は、私は生徒に教えながら、少し下手な生徒には、「アンリルソーのようだね」と言ったことがあります。
美術史上では、下手の代表のような画家ですから。

しかし、今回この本を読んでみて、改めてルソーを見直したのですが、待てよ、今まで良く見なかったけれど、決して素人の出鱈目ではないぞと思いました。次に紹介する作品だけを見てください。

 

 

どれも構図がとても良いのです。
バランスもリズムも良い。見せ場である主役がしっかりしている。
私の構図のセオリーと同じなのです。

細部をクローズアップしてみると、まるで素人が描いたかのような下手さが感じられますが、
構成力はプロ級です。

小説の中でもありましたが、確信犯なのではないか?

そう思ってみると、そうかもしれないと思えてきました。

確信犯ということは、わざと下手そうに見せているということですよね。

ーーー
小説としての面白さは、単なる何でもない美術館の監視役が実は飛んでもないすごいルソーの研究家であったというお話しで、
それが17年前の出来事として語られます。
二人のルソー研究家に、一つの作品の真贋を判定させるというお話でした。
普通、作品の真贋については、作品を検討することで行われると思いますが、ここでは、ルソーについてのエピソードが書いてある本を読むことで、
判断するという設定になっています。これは、意外なことです。そのため、読む私たちは、ルソーの生涯を知らされることになるのですが、私はその方がうれしく感じました。
アンリルソーは、パリではなくラバルというところに住んでいて、ピカソと直接の付き合いはなかったのではないかと思っていました。
ピカソがルソーを認めたということは聞いていましたが、ルソーを認める晩餐会の時くらいしか会ってないのかと。
小説ですから、事実とは違うかもしれないと思って、詳しいことは専門書を読んで確認したいところです。

しかし、この小説を通じて、そのようなことを調べてみようと思えたのも収穫でした。


最後にエピローグのように17年後の現在に戻りますが、それがクールダウンに丁度良い感じがしました。
過去の出来事で盛り上がり、最高潮に達した時、現在に戻ってほっとするような感じがありました。

小説としての組み立ても上手いなあと思いました。

因みに、ピカソの青の時代の絵を「ブルーピカソ」というのですか?
このことが、もう一つの興味として出てきますので、面白いですよ。








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