絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

千葉のSさん 植物のデッサン続き

2015-12-09 | 通信指導
千葉のSさんが、デッサンを進めて昨日に続けて見せてくれました。



一歩一歩確実に進めていますね。

私はやりすぎて戻すということを勧めるのですが、このSさんは、やりすぎないで確実に進んでいきます。
ボーっとした霧の世界から、段々生まれてくるかのようです。
ここからは、ガラスのコップの表現を追究してほしいと思います。

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ちょっと難しい話ですが。

やりすぎて戻すということは、木炭デッサンをしている方は経験していると思います。
木炭は、つけると真っ黒につきます。それを布や指などで擦ったり練ゴムで消したりして丁度よくします。
また、鉛筆デッサンでも、進め方として、出発点と終点という考え方をすると、そのポイントの二点を強めに描いて、途中は後からつないでいくという方法を取ります。

だから、最終段階では、その出発点と終点の部分が強すぎるのを抑えるという作業が必要になります。

ただ、ここに重要なことが隠されています。
その過程の中に、絵の分かれ道がたくさんあるということです。

行きつく先が、写真と同じようになるなら、ずっとやさしく丁寧に足し算だけで良いのですが、求めるものは自分のデッサンなのです。
途中に何かを感じる分かれ道があるのです。
どこかを強調して他をぼかすなどの作戦が思いつきます。それは、画家が選んだ表現です。

それは、途中の作業の中の足し算引き算の戦いの中から生まれてくるものだろうと思います。
それで、私はやりすぎて戻すという過程が必要だと思っています。





コメント
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