イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ブタのまる焼き、ひっぱらなくてもプルド・ポーク

2016年10月20日 09時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物
夏の終わりの写真で、恐縮です。

ホッグ・ロースト hog roast 。


仔ブタの丸焼きです。

専用のロースターが必要なので家庭でやるのはちょっとたいへんかもしれません。

パーティーや、フェスティバルなどで専門の業者が雇われたり、出店したりするのが普通でしょう。

9月のはじめ、ブラモル・パークのカフェ・レストランの屋外スペースに小さなテントを張ってホッグ・ローストのサンドウィッチを販売しました。





いかにも丸焼き、といった頭、脚4本つきの文字通りの直火であぶる方法を時代設定のあるテレビドラマなどでよく見ますが、実際、今イギリスで一般的なのはこの金属の棺おけのようなロースター全体を熱くしてゆっくりと火を通すプルド・ポーク pulled porkという調理法です。

注文をうけてから丸焼きブタの肉をはがしてパンにのせて出します。


パンはハンバーガー用の「バン」です。

お好みで、自家製のアップル・ソースをつけて食べます。



ドリッピング(脂)でつくったあまからいタレ(グレービー)を用意している店も多いのですが、今回は塩味が効いたポークそのものの味を楽しむ、アップルソースのみの味付けで出しました。

イングリッシュ・マスタードとトマトケチャップもいちおう用意していたのですが、欲しがるお客さんはほとんどいませんでした。

上に載っている茶色いパリパリのかけらは、クラックリング crackling といいます(後述)。

実は、午前中雨が降ったせいか、売り上げはさっぱりでした。

まだ営業中なのに、ホッグ・ロースト名人、トムがそそくさとブタの解体をはじめました。

まず、ぱりぱりの厚い皮をスルンとはずします。


ブタの脂でバリバリとこおばしくやけた皮はクラックリングといって、細かく砕いてビールのおつまみに、おやつにおススメです。
もちろんポーク・サンドウィッチや、ロースト・ポークの添えものにも使われます。


手で簡単にほぐせる柔らか~いポークはジューシーでものすごくおいしいですよ。





その日に売れそうなぶんだけ屋台の正面の保温器に移して残りの大量のほぐした肉は、キッチンに持っていって冷凍しました。


こんなにいいお天気だったのに売り上げが悪くてがっかりです。

私が立て看板を書いて表に出しておいといたのに・・・!


その、残りのロースト・ポークはどうしたのか、というと・・・

プルド・ポーク・サンドウィッチ pulled pork sandwich として、レストランで出しています。


好評です。

プルド・ポークは最近パブなど、伝統的なイギリス料理を食べさせる店でもよく出されるようになりました。
サンドウィッチ、ピザにもおなじみになりつつあります。

マクドナルドでも時期限定で販売されていました。


ところで、なぜ「プルド」ポークなのか?
どこをどう引っ張るの?と夫にも聞いてみたことがありますが知らないそうです。

レストランのシェフに聞いてはじめて納得する答えが見つかりました。

4時間から7時間低温でゆっくり加熱したポークは、柔らかく、ほろほろほぐれる(pulled apart)からプルド・ポークというのだそうです。

ヒッコリー風味の、ホームメードバーベキュー・ソースで玉ネギ、りんご、黄色いピーマンの千切りとあえてあります。


プルド・ポークはスーパーのデリ・コーナーで売られているので、このレシピ、自分で試してみるつもりです。
ヒッコリー風味のバーベキュー・ソースも粉末がスーパーで手に入ります。



↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。


コメント (4)
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