森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

特別セミナー(夏季,秋季セミナー)に関して

2010年09月16日 06時18分40秒 | インフォメーション
畿央大学ニューロリハビリテーション夏季セミナー(脳波の概要とその解析方法),秋季セミナー(知覚・認知からみた身体運動学)に参加希望でメールを送られた方,すべて受講を認めますので,お気をつけて大学まで起こしください.


日記:骨の髄まで

2010年09月15日 04時07分55秒 | 日記
昨日は13時より21時まで大学院の中間発表会でした.
実に8時間連続であり,事務が鬼に見えましたが,
院生,教授陣もよく耐えました.
金子研究科長森研究所長
そして,学者として尊敬しています山本教授坂田教授もほぼ全部いていただき,
時には厳しい意見をいただき,院生も感謝している次第です.
ほほえましかったのは,いろんな意見をすべて受容せずに,
自分の研究の意図を主張する点が数名の院生でいましたので,
それがうれしかったです.
それは単にわがままな主張でなく,
そこで意見を出し合うことで新たな発見がある場合があるのです.

畿央大学は私立大学で,知名度も大きくはないのですが,
こうした教授陣がいることで,ソフトの充実さがあるため,
有意義な研究生活がおくれると思います.
あとは現役教授陣,准教授陣が管理や授業だけに忙殺されず,
世界に発信できる研究をし続けることが,
院生の研究水準を上げるのだと思います.
院生の研究はまだ粗削りですが,
削りようによっては,国際ジャーナルに十分通用する研究がいくつもありました.

ただ残念なのは,意義を自分自身が見いだせていない点です.
ただデータをとっているという感もみえたので,
何のためにやっているのか,
そして自らの研究のリミテーションは,
そのようなことを意識しながら,プレゼンしているものと,
そうでないものがいて,ここに差を感じました.
進捗状況には一長一短あれど,
そこに冷静さをもっていないといけません.
情熱も大事ですが,研究者としてもっとも重要なのは,
冷静さです.
そして,自らの観察眼にバイアスをもたないことです.
メソドロジーに没頭しているセラピストは,知らないうちにバイアスがかっています.
それが時に自らの科学心に潜在的に邪魔しているときが多々あります.

あとは,先行研究では,と,先行研究から考察している場合がほとんどで,
それもしないといけないのですが,
自前のデータですべてが説明できるよう,
自分のデータから言えることを探し続ける方が重要です.
所詮,先行研究との文献考察は「こじつけ」です.
これは症例報告も同じで,
ほとんどの症例報告は,その症例の現象と現象の考察でなく,
基礎実験との照合で,知らぬ前にこじつけをしています.
だから,どのような症例であっても最終的には考察が一緒になってしまうのです.
これは大きな問題です.
科学的とは程遠く,結果よりも解釈を優先してしまう脳です.
文献で頭でっかちになると,そのきらいが強く出ます.

実験の場合は,自分のデータをくまなく見る.
それにつきます.
魚でいうと骨の髄までしゃぶる,という感じです.
まだ自分のデータに身がいっぱい残っている状態です.
理学療法士や作業療法士はこのデータを隅々まで眺めるというプロセスが,
どこかで欠陥があるように思えます.
これが業界全体に蔓延していつように感じます.
学会が議論にならないのも,文献考察ばかりだからのようにも思えてきます.
ただ,理念で考察していないので,そこは救いです.
他の医療職の学会に昔は出たりした時もあるのですが,
ここではいえませんが,閉口してしまうものはいっぱいあります.
理念は自分の研究室まででとどめ,
議論は冷静に進めていく,これが鉄則です.
情熱は自分の心にとどめ,公には冷静に展開する.
クールなヘッドが研究者には必要なのです.


しかし,ここ数日は,この発表に間に合わすために,
時には怒号もとび,時には椅子を蹴り飛ばし,時には机をたたき,
院生も負の情動が多々,生まれたと思いますが,
何はともあれ,無事に終了し,まずまずの評価であったと思います.
喜びは苦しさに比例して得られると思います.
苦しさで逃げるか逃げないか,
すなわち,それを認知せず,逃げるか接近するかで接してしまうと,
爬虫類脳でしかないのです.
研究を不快と思うのも快と思うのも,
ある心の持ち得ようで変化します.
いやな仕事が「美しく」なることはありません.
原点は,それを愛することです.

私は院生の研究の現状レベルでも満足していません.
国際的に活躍できるように,そしてリハビリテーション領域だけでなく,
他の基礎科学と対等,それ以上に研究室のメンバーが研究展開できる,
そのようなレベルを前向きに意識しています.


今年度入試もすぐそこです.
そうした院生が数多く入り,研究室の垣根を越え,研究が展開できていくことが,
最終的には畿央大学が生き残る戦略になると思っています.
ブランドなき,大学は消滅していく運命です.
これは病院,そしてリハビリテーション科にもいえると思います.
自分たちのブランドを作る,これが認知されていく手続きなのです.
最終的には自分自身がブランド商品になっていかないといけません.
明治製菓のお菓子みたいなものなのです.

おかげさまで,大学院全体では前期入試の出願も好調なようです.




日記:賢い脳

2010年09月14日 06時35分36秒 | 日記




無事にニューロリハセミナーを終えることができました.




2日目ホールのプロジェクタ破損というトラブルにも恵まれ??
我々の問題解決能力が問われました.
まさかの事態に,情動反応が起こりそうですが,
社会的認知を活かして,なんとかこの状況での最善の方法を考える.
ワーキングメモリとソマティックマーカーを使い,
前頭前野が,この状況で最もよかろうという手続きをたて,
運動関連領域が運動行動をプログラムする.

それには情報処理システムが作動しておくことが必要です.
現状の感覚情報を処理,特に,空間,時間に関して処理し,
顔,表情知覚を優先しながら,そして,何よりも内的な過去の経験を使い,
現状の知覚と記憶を照らしわせて,手段を導き出す,
まさに,不測の事態の発生に対して行為を導き出す,
つまりactするということは,人を人たらしめる所以であるのです.
不測の事態が起こり,それに基づき,成長するということは
人にとって最も大切なことではないでしょうか.
最近,外的な環境が豊かになり,
不測の事態の発生がきわめて少なくなりました.
コンピュータでナビゲートされる世の中,
また,社会に危険が発生することから,
親に常にナビゲートされるこどもたち,
不測の事態の発生が,他の人,物に未然に防がれ続けると,
脳の発達・成長が起こりません.
障害者のバリヤフリー一点張りもその一つです.
必ずしも,人間のQOLは,外の環境の整備により,
見かけの住み心地を与えることではないのです,
自分でクリアできるからこそ,報酬が生まれ,
そして,意欲が生まれ,挑戦ということを連れてくるのです.
自己報酬系が作動することで,
内なる行動プログラムが生まれ,外の世界と相互作用していくのです.
人間の行動プログラムは外的な世界と身体が相互作用するだけでなく,
自己の内部から湧き上がる報酬系が作動することで,
前頭前野はその2つの情報を統合し,一番最適な方法を導き出し,
適応的学習を生み出していきます.
見かけの幸せに惑わされるべからず.







セミナーの方は,基礎編では教室,応用編ではホールと,部屋が変わり,
ホールが座りやすいのは間違いないのですが,
教室のような講師との一体感が生まれず,
つまり,空間の拡大は,自己の身体の延長では,処理できず,
相手から生まれる表情,行動が直接的に認知することができず,
例えば,空間が広いことから,相手の表情の細かさを感じることができず,
また,冗談を言って,笑による聴覚フィードバックを自分の身体で感じ取ることができず,
リアルタイムな自己フィードバックが作動せず,
映画上映のように,一方向的に情報を渡してしまい,
ライブのような感覚にはならなかったという問題点があります.
もちろん,これは役不足であり,それでも楽しませるというのがプロなのでしょう.
人生すべて勉強です.

ただ,1日目に比べ,時がそれをつないでくれるため,2日目はある程度修正が可能になり,
初日に比較すると一体感はありました.
何回も繰り返すと,その言葉が出ただけで,笑をつくるとことができる.
それが鉄則です.
しかし,私たちはお笑い芸人ではないため,
そちらの意識よりは,難解な神経科学を平易に解説するという,
そこが揺らいでしまえば,もともこもありません.
それに関しては一長一短あり,情報が過多になってしまった問題が発生し,
次年度は修正していきたいと思います.
また,注意の脳内機構に関して,どこのパートも説明できていない,
応用編に関しては,このパートを次年度は含めないといけないと感じました.
さらに,新しい情報が断片的に伝えられ,
次年度の各パートの後半は,2009年以降の論文を中心に,
現状の科学を伝えることが大学研究者としての責任であると感じました.
次年度は,情報を操作していきたいと思います.
これは基礎編にも共通です.
そんな反省はありつつも,まずまずであったとも思っています.
根拠のない自信なのですが,それを持ち続けるということも
前向きモデルを作動させるために大切です.
反省ばかりしていたら,脳は後ろ向きになり,
新しい挑戦に対して邪魔します.
脳は前向きであるからこそ,行動が前向きになっていくのです.

全国各地から多くの方に来ていただき,
本当に感謝するとともに,臨床編ではもっとよいセミナー,
そして懇親会にしようと思いました.

懇親会の参加がドタキャンが増え,
その分,大じゃんけん大会などをして,
著書を8冊ほどプレゼントしました.

「脳科学と理学療法」が1冊しかなく,それもプレゼントしました.
せっかく,それに関わった著者が講師としていますので,
全員にサインをもらえば,将来価値があがるかもしれません.
誰かがなくなったときに・・・笑.

いずれにしても無事終了でき安堵な感じです.
他で呼ばれる講演よりも,やはりホスト,ホームは意気込みが違うので,
しゃべる内容も新しい情報を活かしてしゃべろうという意識が生まれます.

是非とも,参加できなかった人は次年度参加してください.
近々,次年度の内容,スケジュールを検討します.

また,12月の臨床編のキャンセルが少し出てきましたので,
追加募集するかもしれません.
それに関しては,10月以降に,大学のホームページに告知するかもしれません.
もちろん,このブログでも紹介します.

4月に締め切ったため,365日体制が増え,
そして,12月は様々なイベントが入り,とキャンセルの可能性があります.

なかには365日体制から2日間は無理ですとの意見をもらいますが,
そのような意見に対してはあえて無視します.
ルールが設けられることで秩序を生み出します.
そのルールは誰かが設けるしかないのです.
そのルールにしたがって,最善の方法を導き出す,
それが前頭葉機能です.
わがままな脳,賢い脳,その両者をもちえているのが私たちの脳なのです.


日記:ニューロリハビリテーションセミナー・スタート

2010年09月12日 06時02分46秒 | 脳講座
昨日よりニューロリハビリテーションセミナー(応用編)を開始しました.
今回は基礎編のように構造から機能を考えるのではなく,
機能から脳のシステム(構造)を考えるというものです.
前頭葉から考えるのではなく,
ワーキングメモリから考えるという内容です.
ものの見方というものは,どっちの視点も必要で,
人間の行動というものは,多彩で,いろんな角度から勉強を開始しないといけません.
それはもちろん脳だけでなく,筋や心理においても.

私はトップバッターで感覚情報処理を担当し,視覚,聴覚,体性感覚を取り上げました.
その内容は,視覚の処理系,空間情報,聴覚の処理系,体性感覚の階層的処理系,
Tri and bimodal neuron system,身体性について主に話しました.
錯視の動画,ラバーハンド錯覚の動画,そして体外離脱(幽体離脱)と,
普段の講演では使わない内容も織り交ぜ話しました.
仲間にいろんなパートをしゃべってもらうので,
ある意味,そのパートでの深い部分を話すことができます.


しかし,今回はその分,情報過多になってしまい,
受け身で,なんか応用できるかな,と思って受講された方には,
消化不良になって不愉快にさせたかもしれない.
そのためにも資料図の下には引用している原著あるいは本を記述しています.
是非にそちらを当たり,知識の増幅に役立ててもらいたいと思います.
ただし,その記述も不十分であり,
次の資料づくりにはUpdateしなければなりません.
他でよんでいいただく講演よりも,ホームですので,
最善の努力をしているのも事実で,
できるだけ,情報を多く伝え,そして,何よりも大切にしているのは,
科学性です.
どこかの講習のように,個人の思いや意見を羅列するというのは避けています.
基本があるからこそ,私見が生きるのです.

基本なき私見は,他者に説明した時に説得力にかけますし,
何よりも聴いているものを不快にさせていきます.
経験がときに,大いに邪魔する場合があります.



昨日は,「感覚」「上肢運動」「姿勢・歩行」の脳科学でしたが,
今日は,「運動学習」「情動」「コミュニケーション」「思考」「記憶」「イメージ」に関する脳科学です.

初日からいろんな反省しかりですが,もう1日の結果を受けて,
どのようにすれば,もっとよくできるかを考えてみたいと思います.


近々,来年度の内容,スケジュールを考えたいと思います.


日記:銀でなく金のために

2010年09月11日 04時49分23秒 | インフォメーション
昨日,今日と,来る来週の火曜日の中間発表会に向けての修士2年のプレゼンを確認しています.
毎日,勤務後,大学院まで来て,そして,0時近くまで発表・検討を繰り返し,
さらに,フィードバック後,おそらく自宅などで修正し,
朝,出勤するという時をこの時期は過ごしていると思います.
実習生より大変な自分を感じるということは,
教育者に向かう意味でも重要です.
病院勤務後,大学院にきて,フィードバックを受け,
それにもとづいて修正しているというのは,
時間的にも相当過酷だと思います.
しかしながら,これが毎日続くわけはなく,
こういうイベントが入ればということなので,
まさに,それに向けてどの時期から準備するかで回避できます.

こういったことに習熟しているものは,
だいたい,この程度の要求度であれば,どの時期から立ち上がればいいかわかります.
しかしながら,こうしたことに慣れていなければ,
その立ち上がりの時期を間違え,揺らいでしまいます.
習熟してなければ,かなり前から立ち上がらなければなりません.
なぜなら,ゆるやかな立ち上がりしかできないからです.
一方,習熟していれば,例えば,1週間前で十分.
なぜなら一気に立ち上がることができるから.

まさに,運動学習の運動関連脳電位に似ているのです.
学習初期は,ゆるやかに立ち上がり,揺らぎも多く,一定でない,
そして不必要な場所も働いてしまいます.
一方,習熟してくれば,一気に立ち上がり,一定の活動が得られます.
それが今度は,意識から非意識のタームに移動していきます.

こうした発表のための準備もまさにそうです.

あるところで妥協してしまえば,それは不正確の学習になってしまいます.
そして,それを習熟してしまえば,間違った学習をしてしまい,
いつしか,間違った学習が広がっていくのです.
麻痺を学習するみたいなものです.

ただ,今回のような学習が,運動学習と違う点は,長期抑圧よりも長期増強を優先しているという点ですから,やはり,努力した時間に反映されるのだと思います.

教師あり学習よりも教師なし学習.
自分の認知機能をフル回転に,いろんな情報から自己組織化していってもらいたいものです.

まだ時間はあります.

さて,私はこの時間になって自分の時間を確保できました.
今から,本日のニューロリハセミナーのスライドを確認します.


ニューロリハの資料が冊子になって完成しています.
270ページ足らずの相当のボリュームです.

これをもらうだけでも来る価値はあるでしょう.
自己満足ですが・・・
それに伴う「しゃべり」をしないといけません.



合同会社gene主催シンポジウム

2010年09月10日 06時02分40秒 | インフォメーション
『中枢神経疾患へのリハアプローチの再構築』

日 時 平成22年11月7日(日)10:00〜16:30(受付9:30)
スケジュール
10:00~10:20 
シンポジウム趣旨説明
合同会社gene 代表 張本 浩平(理学療法士)

10:20~11:40
『ボバースコンセプトとは?』
講 師:伊藤 克浩 先生(理学療法士)
医療法人財団加納岩 山梨リハビリテーション病院
リハビリテーション部 副部長・日本ボバース研究会 会長

11:50~13:10
『認知神経科学とリハビリテーション』
講 師:森岡 周 先生(理学療法士)
畿央大学 健康科学部 理学療法学科 教授

14:00~15:20 
『CIセラピーとは?~適応とその治療効果~』
講師:佐野 恭子 先生(作業療法士)
兵庫医療大学 リハビリテーション学部 作業療法学科 講師

15:30~16:20
パネルディスカッション『中枢神経疾患に対するアプローチの共通点』
司会:高倉 保幸 先生(理学療法士)
埼玉医科大学 保健医療学部 理学療法学科 教授
パネリスト:伊藤 克浩 先生・佐野 恭子 先生・森岡 周 先生 (五十音順)

会 場 東京国際展示場・国際会議場(会議棟7F)
参加費 4,000円(当日会場にてお支払下さい)開催1週間前よりキャンセル料(全額)が発生致します。
問合先 合同会社gene  HP
愛知県名古屋市中区千代田2-6-18 グラシア3号館1階
E-mail:seminar@gene-llc.jp(安藤)
TEL:052-242-2800

日記:感じる層・感じない層

2010年09月09日 04時06分20秒 | 日記
診療が365日体制になって,協会主催も含めて,
どこの講習会,研修会も,じわじわ伸びるようです.
一方,私どものニューロリハビリテーションセミナーも4月に募集開始し,
あっという間に埋まったのですが,
現実に,この体制が動き始め,キャンセルも見られます.
それを見込んでとっていますが,入金はなく,当日支払のため,少しは増えるかなと思っています.
しかし,このブログを見ていただいている人で,ほとんどが埋まった経緯があるので大丈夫かなと思っています.
これが協会ニュースなどでアナウンスした結果であれば,
それは増えると思います.
顔の見えない,見えるが,人間の行動を大きく制御します.
顔の見えないというものは,他者を思わない,自分勝手な脳ともいえます.
心の理論というものを,将来の人間がもちえているか,
今後,インターネットの普及によって,それが心配になります.
人間は別の意味で進化をとげるかもしれません.


学部生の卒論が始動しました.
これも9月どうすごすかで決まります.
残念ながら,時間だけはまってくれません.
24時間,24時間が勝負です.


日記:一流に向けて

2010年09月08日 04時54分17秒 | 日記
昨日,今日とM2の中間発表会のための予行演習を行いました.
このようなものは,自分自身が大学院生のときにはなかったのですが,
自分自身が教員として甘さを持っているのではないかとも思うし,
厳しさと優しさは表裏一体であると思いました.
また,社会人であるため,夜の時間に設定するというのも,
なんか,院生がお客である,昨今の大学事情を感じます.
来年は日中に徹底的に時間をかけて行いたいと思います.
その方が両者のためになります.

内容はM2の9名,多岐にわたりますが,
3名は,何も言うことがなく,すでに完成しています.
残る6名は,再度チェックしなおしになりました.

その差は,とりかかるスピードだけでなく,
注意機能,シミュレーション機能に大きく左右されていると思いました.
自分よがりでなく,人の発表を聴くことも大切ですが,
それは内容だけでなく,プレゼンの仕方,スライドの見せ方,など,
表現方法を盗み取るために観察するということもとても大切なのです.
ここの要因には「メタ認知」能力が決定的に必要です.
発表もやはり,前頭葉機能に大きく左右されます.
情動,プライドが強すぎると,その機能を低下させます.
背外側部と内側部はお互いに抑制しあっているのです.

いずれにしても,自分の研究で,新たにわかったことは
「これである!」という表現がなく,残念に思いました.
「見せる(魅せる)」ということが不足しています.

うちの大学院は社会人を受け入れていますが,
学位論文のハードルは,社会だからといって下げていません.
社会人でない,毎日研究室で研究している院生と,
同じ量,同じ質の論文を最終的には提示しないとならないのです.
そのためには,どこかで時間を削る,あるいはワーキングメモリ機能を存分に活かし,
臨床との時間配分を最大限に考慮することが必須になります.
この経験によって,終了後は,新たなステージにいるはずです・・・・・
と思いますが,そうでなく,現実的に日々の業務に忙殺され,
大学院の経験が無効になるケースもあるようです.
志の持ちようです.

少々,厳しい言葉も飛びましたが,
修正の余地ありということです,
成長の可能性あり,ということです.

ぎりぎりまで,追い込むこと,ねばること,それが必要です.
一流とはそういうことなのです.

朝があける,まだ真っ暗いころにつくつくぼうしの鳴き声を聞き始めました.
最後の仕事なのでしょう.