森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:シュルレアリズム

2010年09月24日 06時24分55秒 | 日記
昨日は大学院の前期入試でした.
15名定員に19名が受験しました.
ちなみに後期は5名定員です.

今年から看護学分野が加わったことから,
比較的,私学では良好です.
また,国立大学,公立大学卒業者の受験もあり,
母校での大学院進学でない道を選んでくれるということは,
畿央大学の行っている研究が評価されていることと
大変うれしく思います.
これこそ,大学院を開設してよかったと思うところです.

院生になった暁には,小さくまとまった研究でなく,
先行研究ばかりを意識せず,
先験的直観に導かれ,
そして,自分の目ですべてを確認することに
挑んでもらいたいと思います.


「病は気から」というように,
実は研究成果もある意味「病」の部分も多いです.
同じような論文しか読んでなければ,
同じような志向性になり,
結局同じような結果が導き出されてしまいます.
それで,ほっとして,結局は「支持する結果」となったと.
「信じる者は救われる」
まさに研究者のプラシーボ効果です.
これがデータをとったとしても,「宗教的」になってしまうゆえんです.
宗教は人間しか持ちえない最高次な機能ですから,
こうなることも否めません.
しかし,いつか,科学的な誤りを指摘する論文に出合うかもしれません.
地動説,天動説のように.




一時期,「パワーリハ」がはやりましたが・・・
あの効果は別のものがあるのではないかと・・・
女性には効果があり,男性には効果がない,
この本質的意味とは何なのか?
そのものはマシンでなく,おしゃべりであるとか,
あるいは,準備であるとか,あるいは化粧であるとか,
コミュニケーションとか,見られるとか,
その効果の本質は,高齢者にとって生きるために重要なのは?
思考を頭の中でめぐらせてもらいたいのです.
これではまだサイエンスになりえないのですが・・

大胆な仮説を持つということが必要なんですが,
そのためには,同じ分野だけでなく,
幅広い見識を持つことが大切です.
とりわけ,サイエンスを意識することなんですが,
サイエンスだけでなく,アートにも興味を持ち,
他領域,多領域から物事をとらえていく,
そしてそれをサイエンスに落とし込んでいくように構成してもらいたいと思います.

今回,私と面接官に入った金子研究科長は,ネクタイを外し.このようなものはなれないといい放ち,そのネクタイを示し,その模様がダリの柔らかい時計であることを示してくれた.
パリのモンマルトルの丘のダリ美術館で買ったとのこと.
金子先生の部屋にはさりげなく絵画があるし,
スパニッシュに音楽に詳しく,
さらに,物理学に大変明るく,
機械なんかは自分で作ってしまう.

網膜の世界的な研究者の横顔は多彩です.

パリには複数回行ってますが,
ダリ美術館,13年前に1回行ったっきりであることがよみがえり,
まさに,そのよみがえった瞬間,
ダリの意図したやわらかい時計の意味である,
記憶の固執の本質を思うことができました.