森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:ブルースセッション

2011年05月30日 16時29分14秒 | 日記
木曜日からの記憶をたどりながらブログを書きます.
木曜日は発達系理学療法学と神経系理学療法学の講義を終え,
そのまま伊丹空港へ.
伊丹空港へは途中本学の田平先生と峯松先生と一緒になり,
伊丹空港のスタバでカフェ.
もうすでに店内は理学療法士の方々ばかり.
なんとなく,いつもの感じになりました.
搭乗口はほとんどが理学療法士で,
様々な方々にご挨拶され,挨拶をするいつもの感覚へ.
悪天候のため,宮崎空港へは条件付きでのフライトとなりました.
すなわち,着陸できなければ伊丹に帰ってくるか,
鹿児島空港へというものでした.
金曜日のオープニングセミナーを任されているため,
できれば,鹿児島へと思った次第でした.
無事に宮崎空港に着陸し,
そのまま荷物を置き,その足で,翌日の打ち合わせをかねて,
懇親会場へ.
伊藤先生と再会し,店にはすでに,
同級生の高村先生が待機していた.
彼は山梨県理学療法士会の副会長だが,
臨床家そのもので,大変話していて心地よいのです.
私と違って実に優しいのです.
高知時代の同級生である横内氏(愛媛・石川病院)がちょうど私たちをくっつけたことになります.

懇親をしていると,PT-OT-STネットの友清先生が来られ,
彼の真面目さが出た様々な想いを聴きました.

このときの様子は伊藤先生のブログで.


私と違って真摯な態度が前面に出る方で,彼のような人柄でなければあのようなホームページの運営はできないと思いました.
わたしは相当のずぼらなので.
22時には終わり,翌日のことも考えてホテルで休みました.







学会場に隣接しているホテルからはオーシャン,ゴルフ場が見渡せるが,天気が悪い...

朝起き,スライドのチェックをして,
講演にのぞみました.
会場に入ると,すでに第1会場が満席状態であり,
私の講演の途中では立ち見が続出となり,
超満員のなかで講演しながら,申し訳ないと思いつつ,
脱線せずに話を淡々とさせていただきました.
途中からは入れない状態で,
うちの松尾先生は外で後半を聴いていたようです.
後半のNEW M1は彼の文献検索の援助あってですし,
前半の強化学習は冷水先生の文献検索の援助あってなのです.
延べ1000名以上の方々に聴いていただきましたが,
かつての恩師,かつての上司,大先輩がいるなかで,
できるだけわかりやすくをモットーにかなり心がけましたが,
まだまだ難しかった部分もあるようで,反省です.

会場に入れなかった皆さま。
ぜひとも畿央大学のニューロリハセミナーにお越しください。
九州神陵文庫の塩川さんより,オープニングセミナーここまで盛況なのははじめて見たと言っていただき、恩師の板場先生、近森時代の上司森本先生より言葉をいただきました。
無意識の妬みの脳が活動するかもしれませんが、それも社会性に必要な脳。私への批判、叱咤激励は大いに受けますが、後輩たちへの攻撃・ぼやきはやめていただきたく、思うのですが、それも脳と行動の関係。人間関係はそのようなものですが、ぜひとも未来のために建設的にと思うのです)←宮田博章氏!この記事をみてください.BOØWYのMORALを彷彿させる有名な実験です(笑).

このときの様子はPTーOT-STネットで.

また,内容は伊藤先生のtwitterから入った田中先生がなかなか詳しい(彼は私の講演内容をtwitterで実況中継している,よく勉強さえているようです.twitterの更新も実に多いtwitterの更新が多いのでtwilogで).
池田先生のtwitterにも記載が.
石井先生のブログにもコメントが...


学習の脳内機構さらには最後の機能回復は難しかったようですが,
強化学習や社会性のところは,大御所にも評価されたようです.
私の本質的な醍醐味は後半の片麻痺の手の機能回復なのでした.
いずれにしても,開会式前のオープニングレクチャーの大役を時間ちょうどで終えることができ,安堵でした.
開会式には知事などがいて,絶対に遅らせることはできないし,
淡々とちゃらけずに講演する,これが必要なのです.
10月の愛媛の全国研修会でもオープニングでしたので,
2回連続ですが,結構ハードです.
人が入らなければどうしようとは思いませんが,
時間の順守のなか講演がやはり緊張するのです.
生放送のアナウンサーはプロと思います.

今回の講演の内容はブログで文章化していきたいと考えています.
理学療法学には書きましたがショートカットしてるので.

講演ではご法度と思いつつ,
本の紹介をさせていただき,
新刊のPain Rehabilitationが売上No.1(完売したようです),
その次とその次が脳を学ぶ(1)と脳・神経科学入門だったか・・・
途中経過でしたが,古い出版なのですが基本的な脳を学ぶと
代表著書,脳・神経科学入門が売れ,これまた安堵です.
本屋さんは喜んでいました.
もちろん出版社も.
脳を学ぶ(3)はそれほどで,新刊でしたが,
やはり,即戦力のような本が売れてしまうのです.
無理もないですが,
リハビリは人生そのものですので,
豊かさとは何かを考える意味で,
こうした本を実は積極的に読んでもらいたいと思うのです.
目先の機能回復や,テクニックに一喜一憂せず,
人間とは何かを考えていくことが,
患者さんと共同注意していく関係づくりには活かされると思うのですが・・・

講演を終え,高知の教え子とロビー族になり,
5時より松原先生と沖田先生とPain Rehabilitationの発刊前祝いをホテルでしてビールを飲み,6時より高知の教え子と飲み,今後の人生を語り合い,
久しぶりに片岡氏の仕事・よさこいを聞き,
8時半より再度,松原先生,沖田先生と三輪書店の青山社長,濱田さんと出版祝いをやり,
0時には40歳すぎた3名にはちょっときつくなり,早々とホテルにもどってきました.
Pain Rehaには松原先生のまえがきで,15年前に3名が出会ったいきさつを書いています.
人は出会いによって人生を彩ることができる.
共通言語を持つことがよいのです.

ハードロックだろうか,UKだろうが,グラムだろうが,ヘビメタだろうが,
その共通言語はビートだし,
そしてブルースが流れています.
どの分野とも共通言語で語れる,
すなわちブルースでセッションやれるように,
脳だろうが,関節だろうが,痛みだろうが,
その共通項で物語をつくるようにセッションをしなければ,
今後,リハビリテーションというものは学問としての認知されなくなってしまうかもしれない.
「セッション」しながら自分を磨いていく,
それは私の人生にとってまさにロックといっしょなのです.
そんなことは新著脳を学ぶ(3)でもあとがきで触れています.

20代半ばでは助手,専門学校の講師だった3名が今は研究室を主宰する教授となったが,
学術を押していく気概だけは捨てていないのです.しかし,体は少々老化です.



久しぶりにCreamのCross Roadを弾きたい!




話を戻して,学会二日目はいくつか演題を聞き,
質問をして,冷水先生と前岡先生とロビー族になり,
様々な人たちと話す,この感覚も毎回なのです.
伊佐先生の講演を聞けず,そして院生の発表も聞けず,私は福岡に夕方旅立ちました.
台風が接近している中での福岡の移動.
翌日にするか,この日にするか,迷いましたが,
結果オーライで,翌日の朝には飛行機が飛んでおらず,
前日に博多に入れてよかったと思うのでした.
Senstyleのメンバーの方々と遅い懇親会に入るのでした.
この話は続く・・・




日記:それなりに進行

2011年05月26日 00時46分33秒 | 日記
昨年度終了の科研費研究の実績報告書,そして今年度新規の科研費研究の交付申請書と支払請求書を完成させ,
総務部の担当者に手渡しました.
終了と新規があるとごちゃごちゃになります.
今年度は特に新規内定が遅れた関係で一緒の時期になりました.
残るは成果報告書です.
可及的速やかに書かないといけません.
宮崎で行うことにします.

宮崎でのオープニングセミナーの講演資料がほぼ完成しました.
同時に理学療法学掲載原稿も.
珍しく遅延せずに原稿が仕上がりました.
これもさまざまな書籍の学会後の原稿締め切りに対応するためです.

宮崎ではほとんどが運動学習の脳内機構について話しますが,
後半15分ほど機能回復について話します.

理学療法学に提出する原稿の最後の見出しのみ,
先行でブログに載せたいと思います.

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一次運動野の機能解剖に基づく運動機能回復手続き
一次運動野は吻側部(rostral)と尾側部(caudal)に分けられるが,吻側部は系統発生的に古く,Old M1あるいは4a野と称されている(以下4a).一方,尾側部は高度な霊長類,特にヒトで発達させた領域でありNew M1あるいは4p野と称される(以下4p).4aは運動実行の性質が強く,その出力は皮質脊髄路や脊髄介在細胞を経由して行う.一方,4pは脊髄運動神経細胞上に直接シナプス結合するものであり,高度にスキル化された運動に関係し,単なる出力系ではなく,知覚を含めた複雑な運動に関与することが報告されている13).最近になって,損傷側4pの活動の大きさおよび損傷後の活動変化と運動機能回復に正の相関がみられることが明らかになり,皮質下脳卒中の4pの活動は,対象者の運動機能を予測する手段として注目されている14).この際,4pの活動を調べる際に用いられた手段が運動イメージの想起であった.すなわち,運動イメージ想起に伴い4pの活性化が起こる脳卒中患者は運動機能回復が起こりやすいことを言及している.
4aは筋・関節の固有感覚の入力を豊富に受けるが,4pは皮膚感覚の入力を豊富に受ける15).特に4pは手指の神経細胞が豊富である.手指は道具に接触し巧緻的に把持し操作するために大事な身体であるが,脳卒中後の手の機能回復が乏しい理由として,手指が道具に接触し,それを能動的に知覚する機会が極めて少ないといった環境要因があるのではないかと推論立てることが可能である.またここ最近,脳卒中後の4pの組織化に伴う運動機能回復に影響を与える要因として1)麻痺側への体性感覚フィードバック,2)運動イメージや運動観察に伴う運動予測型の脳活動, 3)運動発現における皮質脊髄路経由の発火の3つが挙げられたが,3)が有効になるためには,1)と2)の神経ネットワークの組み合わせが必要であることが示された16).すなわち,運動実行に先立ち,麻痺側での感覚情報処理,そして運動イメージを伴うシミュレーション過程が臨床に含まれなければならないことを示唆している.これを先の成果と併せて考察すると,脳卒中後の手の機能回復を促進するためには,手指の能動的な触知覚課題,そして道具を接触し操作するといったイメージ課題を併せて臨床導入することが4pの興奮性を高める手続きになるのかもしれない.脳卒中後の上肢機能回復の一つの挑戦はこのような臨床仮説から生まれるであろう.


13) Rathelot JA, Strick PL: Subdivisions of primary motor cortex based on cortico-motoneuronal cells. Proc Natl Acad Sci U S A 106: 918-923, 2009
14) Sharma N, Simmons LH, et al: Motor imagery after subcortical stroke: a functional magnetic resonance imaging study. Stroke 40: 1315-1324, 2009
15) Strick PL, Preston JB: Multiple representation in the primate motor cortex. Brain Res 154: 366-370, 1978
16) Sharma N, Cohen LG: Recovery of motor function after stroke. Dev Psychobiol. 2010 Nov 17. [Epub ahead of print]




人は物質でなく,人間に憧れる

2011年05月25日 08時31分22秒 | 音楽
深夜疲れたときに,安らぐために撮りだめした
「GUITAR STORIES」をみるのが日課というか,
いや,3週間ぶりに一気に見るというパターンになりつつあります.
その中で,なんとなく自分の老いと重ねて,
野呂一生のような雰囲気になりたいなと思ってしまいましたが,
顔の系統が違います.
ここに出演しているギターの先生たちはみな個性的で,
人生を楽しく生きているように見えます.
それは目先の楽観的,あるいは楽をするということでなく,
自分の憧れを追い求め,
最初はあこがれる他者であったのが,
だんだん,自分自身の中でも憧れをつくり,
それを追い求めるという感じです.

外部を意識していた若いころから,
自分自身を追い求めている中年以降.
人生というものはそういうもの.
自分の記憶を超える,その瞬間.
そして,新しい記憶をつくり,
前の記憶,つまり過去の自分をとてもほほえましく思う.
そのような人生でありたい,とこのシリーズを見て思います.

野呂一生のときの番組はyoutubeで検索したら,ありました.
since i've been loving youを弾いてくれています(2-5)  .  うまい!さすが!
しかし・・やはり,ジミーページはすごいと逆に思いました.
そして,youtubeにはまり,
PEGASUSでの野呂一生と櫻井哲夫(私はベーしストなので櫻井さんを尊敬しています)に久しぶりに出会い,その演奏を聴くと,
Led Zeppelin を思い出し,「Trampled Underfoot」を思い,
同時に日本人なので, B'z のBAD COMMUNICATIONを思い出すのです.
当時はまだ学生だったと思います.
これはZeppelinのパクリとか酷評されていますが,
ある意味,オマージュでもなく,パクリでもなく,
Zeppelinを聴け!と松本孝弘が言っているような気がします.
当時の日本は,そんな感じではなかったので.
タイトルはまさにCommunication break downをもじったもののように思えます.
彼のソロアルバムでは,元VOW WOWの人見元基をむかえて,
Communication break downをコピーしています.
人見のこぶしが笑えるけど,これもまさに神業であり,彼の美を感じるのです.

人間は人間に活かされ,その音楽を伝承し,
そして伝え続けます.
そう思えば,それを最初につくったひと,
つまり音楽を音楽として認識した人をとても尊敬するのです.


senstyle 学術研修会 in 福岡

2011年05月24日 08時01分54秒 | インフォメーション
senstyle 学術研修会 in 福岡 講演
日時:5月29日(日)13:30~16:00
テーマ:神経科学を用いた脳血管障害に対するクリニカルリーズニング
講師:森岡 周(畿央大学)
会場:福岡市立少年科学文化会館
福岡県福岡市中央区舞鶴2丁目5−27


福岡は9月にgeneのセミナーで講演します.
こちらは5時間の講演で,長めに話します.



日記:happyがhappyを呼ぶ.happyはhappyからしかつくれない.

2011年05月23日 23時57分41秒 | 日記

土曜日,高知県出身の作家,有川浩さんを応援する意味で阪急電車を見て,東京入りしました.
移動の空白の時間にはよく映画に行きます.
3月からはまだ3本目ですが・・・(ツーリスト,英国王のスピーチと阪急電車)
今回はブラックスワンと迷いましたが,やはり心身の疲労から,
重くなりたくなく,無意識に阪急電車を選んでしまいました・・・,いや有川浩さんの応援でした.
たぶん,疲れているのでしょう.
身体化された自己に基づく意思決定なのです.
阪急電車を見終えて,少し心地よくなりました.
久しぶりに宮本信子さんの演技をみて,ほくそ笑みました.

東京駅の八重洲側が新しくなっており,少しぶらぶらし,
一人で食事をとる.
実に講演で夕食を一人でとるなんて,
超久しぶりで,新鮮で,心地よい.
たまには接待なしで一人で食事をする.
これが何と幸せなことかと思う.
20代半ばで実習訪問の際には意外と一人が多かったような記憶がよみがえりました.

人間にとって,記憶とはかけがえのないもの.
記憶は消し去ることができない,まさに自分そのもの.
外の世界は変われども,内の記憶は更新はされるが,
人の手では絶対に介入できないもの.
リセットはできないのであり,
記憶こそが人間の本質であると思いました.

丸ノ内ホテルに入り,
優雅な気分になりつつ,
リフレクソロジーを受け,
リンパの流れの調整をしてもらいました.
翌日は,学習できていないため,
身体の重さが増えましたが,
講演を5時間したあとも,
疲労感はそれほどなく,帰りの新幹線は心地よく移動できました.
これは効果か,プラセボか?
プラセボであっても,それは効果の証.
とても大事な心理的,脳科学的作用なのです.
Geneの加藤氏がわざわざリフレを予約してくれていた.
懇親会はなく,リフレを予約する.
なんとも感謝する次第です.
40歳には心地よい夜でした.

日曜日は科学技術館で5時間の講演.
行きのタクシーからは皇居付近は厳重の警戒.
日中韓の首脳会議のため,東京は重苦しい雰囲気でしたが,
皇居付近はいつ来てもとてもきれいで,
いや,東京は道が広く,緑が多く,
そして建物がスタイリッシュ.
東京は本当にきれいな街だといつも思います.

科学技術館,何年ぶりに来たのだろう?
以前は旅行か,武道館の後に立ち寄ったのか,
定かではありません.

理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,
看護師,医師に講演を聴いていただきました.
会場には300名の受講者がいて,
12000円分の講演になるだろうか?と襟が正されました.

余計な話はできるだけ封印すれば,
意外と順調に進み,スライド100枚以上を説明できました.
最近,比喩が多すぎて,講義が進まない傾向にありましたので,
新たなパターンがつくれ嬉しかったです.

損傷脳の特徴.何が活かされていて,何が使えるか?
どの領域とどの領域の機能代行を求めるべきか?
運動学習手続きとして何が使えるか?
そして,4aと4pの機能特性から考えるニューロリハビリテーションについて話しました.
おおむね表情からは良好だったと思っています.
久しぶりに心地よい講演でした.
いや,本当に久しぶりです.
3時間~5時間がベストですね.
それ以上になると,心身が疲弊してしまう場合があります.

患者さんを正の強化にすすめていくためには,
自分自身が幸せでなければなりません.
自分が幸せであること.
ささいなことを幸せと感じること.
これがリハビリテーションセラピストには必須の条件かもしれません.

自分が幸福でなければ,人をhappyにはできません.
自分自身が負が強化されないように,
目標を操作することが大切なのです.


16時半に講演を終え,
そのままタクシーにのり,東京駅まで.
17時の新幹線にのり,
まさに時間のロスがないような形で帰ることができました.
それでも奈良に21時.
グリーン席では芸能人らしい方が...みんな疲れています.

自分は疲れているけど,自分の人生は生きている以上happyなのだと思うのです.
楽しいことだけでなく,苦しいことも感じることができる身体.
そして,それを問題解決してくれるかけがえのない脳.
そして何よりも,そうした試練を与えてくれる環境,自然は私にとって唯一無二のかけがえのないものだと思うのです.





日記:intention

2011年05月20日 09時12分46秒 | 日記
昨日の発達系理学療法学の授業では,
4か月~5か月の乳児の運動発達を取り上げました.
今年度の2回生は純粋な感じで,学力的な物差しはまだだが,
素直な感じでよい.
0か月~6か月までがある意味ひとくくりであるが,
何か月で何ができるということを記憶するよりも,
何ができるためには,何の発達が必要.
そして,それが発達するためにはどのような環境が必要であるか,
個人と環境因子を把握していくことがずっと重要です.
巷には国家試験予備校のような学校もありますが,
教育者として恥ずかしいことでもあります.
国家試験予備校であれば,学部教育は必要ではありません.
もちろん,教育上,国家試験に受かることは重要なものでありますが,
その前にきちんと人間を理解していく,そして考える能力を養わないと,
臨床に出て,とんでもないことが待っているのです.
記憶と思考,その間でいったりきたりするそんな臨床が必要です.

昼からは神経系理学療法学の授業であり,
今日は失行の評価と治療について話しました.
専門となると,ついつい難しくなる傾向があり,
今年はできるだけ封印しようと心がけていますが,
ついつい出てしまうのです,,,反省です.
もっとわかりやすく伝えなければなりません.
デモを見せながら,どのように介入するかという点を,
いくつかの神経科学研究を用いて,伝えました.
実習授業があれば,よいのですが・・・
そうすればもっとゆっくり理解を促進させることができます.

その後,教授会,研究科委員会に出て,
18時ごろより,いよいよ宮崎学会の準備をと思い,
開始しようと思いましたが,その前に,昨年までの科研費の成果報告書,
そして,新規の科研費の交付申請書の作成を急がなければならなく,
そちらを優先せざるをえません.
このような時期に必ず,査読とかが入り,
Exp. Brain Res.の投稿は面白い実験でしたが,
日本語のように英語はすらすら書けませんので,
時期がまずく,適当な査読はできませんので,お断りしました.
また,海外本の依頼が来て,そちらは締切に余裕があるので,
忙しくなるのを前提にお受けしました.
大変になるのを承知で引き受けてしまう.
もう性分ですね.
実験研究がしたい,という欲求がこんなときはどうしても湧いてしまいます.
臨床で管理職になったセラピストが臨床したい!と思う気持ちといっしょでしょうか???わかりません.

今日は岡山,明日は東京です.
先日ブログでマッサージ,アロマのはしごをしたと書いているのをご覧になられたようで,
ホテルにはマッサージとリフレクソロジーをつけていますとありがたいお言葉が.
感謝する次第です.
なんでも書いてみるもものです.
動く,しゃべることで相手の意図を読み取る,
まさに心の理論の醍醐味です.





日記:わがままな心

2011年05月18日 00時00分06秒 | 日記
今日は心地よい一日だったような気がします.
体は心配されているように.手足が,いや顔も含んでむくんでいる状態で,
毎週毎週の講演での移動や懇親会でこのようなことになっているのかなと思い,
少し飲む量を控えないといけないと思っています.
しかし,冒頭にも述べたように,
今日は心地よく,その原因はいくつかの仕事が完成系ではないけど,
めどがたったとこと,
発達系理学療法学を通じて,2年生の学生といくつか話ができたことかもしれません.
研究室がサロン化して,プライベートの相談など,
多くなっており,逆に学生からいろんな現代の問題を聴き,
どのように解決すべきかを一緒に考えるのも良い教育方法だなと思っています.
すなわち,専門的なことを考える前に,
身の回りの問題をどのように解決すべきか,
答えのないものをどのようにとらえていくのか,
そしてその経過をどのように読み解くか,
そのようなことを臨床でなく,
自分の周りで起こっている実体験から考えていくのもいい方法だなと思いました.

午後は看護医療学科の授業で,
今日は感情のコントロールの脳科学.
いわゆる,キレる現象を引き起こす脳のメカニズム,
そして男女の脳の性差について,話し,
左脳の情報処理と右脳の情報処理のメカニズムの一端を話しました.
よく笑いながら聴いてくれました.

扁桃体の健全な発達のためには,
親近者の笑顔の観察であるし,
何よりも自分が感情豊かに生きることです.
現代社会は感情を出さずに押し殺してしまう問題があります.
秩序・ルールの中で喜怒哀楽を大いにだす.
そのルールと感情の関係性で皮質‐辺縁系は健全な経路をつくっていくのです.

19時40分からは大学院の授業で,
今日は青木さんと宗宮さんの研究レビューでした.
青木さんからは道具の強制使用,
拮抗失行,そして,自由意思問題が取り上げられ,
神経心理学,そして神経生理学から哲学まで幅広く取り上げられました.
彼女には,3つの宿題を出し,その回答を次回得たいと思います.
しかし,最近のハガードたちの研究のレビューをしていないな...忙しくて怠惰です.
そのあと,宗宮さんから手把握運動の脳内機構,手の運動筋に対する脊髄介在細胞の役割,そして,運動イメージなどの脳賦活によるそれらの調整が取り上げられました.
まだ縦割り行政的であり,これから,悩みながら物事の因果性を推察する作業が始まります.
臨床ではどうしても暴力的にこじつけてしまいますが,
科学はその一つ一つをつぶしていきます.
その手法・考え方を身につけてもらいたいと思います.
全体を鳥瞰しつつ,細部の因果をつぶす.
自分の研究の立ち位置を理解することで,
研究者としての謙虚心を身につけていくのです.

自分はというと,授業や授準備,そして学生相談の合間に,
今日は身体運動学セミナーの資料を送信し,
10月の全国研修会の抄録を書き,
そして,昨年度の科研費研究の実績報告書を書きました.
昨年度が完成年でしたので,成果報告書を書かなければなりませんが,
忘れてました.明日にします.
明日はsenstyleの資料,そしてPT学会時に渡す理学療法学の原稿にも着手しなければなりません・・・やり始めるまでに相当に時間がかかるのです...
自らの企画でないものはやはり気持ちがのらないものです.

新しい企画を創案しました.
これは面白くなりそうな気がします.