森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

福岡青州会病院リハビリテーションためのニューロサイエンスセミナー

2012年09月21日 12時37分03秒 | インフォメーション
福岡青州会病院リハビリテーションためのニューロサイエンスセミナー
<開催日>平成24 年9 月22 日(土曜日) 9:15~17:00 (受付開始8:30~)
<開催場所>福岡青洲会病院健診棟(4階講堂)
<セミナースケジュール>
9:15~11:30 「脳卒中後の神経可塑性と運動機能回復」
畿央大学大学院健康科学研究科 教授 森岡 周 先生


北堀江club vijon Live

2012年09月19日 16時42分44秒 | よさこいと高知
2012年9月22日(土) 北堀江club vijon Live Schedule








[NO MUSIC NO KIO ~おんがくをチカラにかえる~]
POIFUL / りす組 / すず / ザ・ジョブジョブズ / Blue Bear/ The Cortex
OPEN/START 17:30/18:00
ADV/DOOR ¥1,000/¥1,500 別途Drink代¥500  

予定
18:00~18:30 POIFUL
18:35~19:05 りす組
19:10~19:40 すず
19:45~20:15 ザ・ジョブジョブズ
20:20~20:50 Blue Bear
20:55~21:25 The Cortex
21:30 CLOSE

The Cortex セットリスト
1. Jumpin’ Jack Flash
2. C’mon everybody
3. Spiderman
4. Whole lotta love
5. Back in the USSR
6. ベイビー・スターダスト
7. My generation
8. Stand by me

The Cortexは上の時間帯に出ますが,少し早まる可能性大です.
当日会場でもチケットは買えますが,前売りのとりおきも可能です.
コメントでもメッセージでも入れておいてください.




抑制行動という知性の象徴

2012年09月19日 08時56分37秒 | 脳講座
週末の長い講演がここにきてひびいています。命をすり減らしているのではとも思います。けれども自分の役割を意識し覚悟もできています。今、ここですすめ後身にそれを託さないとまた10年前に戻るのではないかという自負、そして思い込みです。脳科学に関する意識はある程度定着してきたでしょう。

少し後ろの世代があとはクレバーにどのようにそれを用いて世の中をよくしていくか、そろそろ見定め始めたいと思っています。あと数年後に。

命をすり減らす意味は社会的役割・貢献という意識だと思う。ただし人間の脳は報酬と意思決定が互いに絡み合うので、自分はというとそれに見合わない報酬(外的・内的の両者のコラボ)だとすると、そのもの(団体)に対して不快情動も起こるわけです。人間の脳は報酬を最適化・最大化させるわけですから。利己的意識しかない団体や集まりに対しては、脳は無意識にあるいは意識的に排除しようとします。

実は最近の若いセラピストの社会性や倫理観が乏しい団体結成(研究会なども)なども危惧しているところです。その演題名を見たり内容を見たりすると、とても社会の水準を意識しているとは思えないものもありますので。逆にそれをやると将来的に療法士の足下やレベルを見られるのではないかなどをおもい、、、道徳的に倫理的に意識することが大切です。目先の楽しさのみを考えるのではなく、抑制する(文脈や意味を理解し、No-go)ことこそ、人間の脳の知性だと思うのです。

平成24年度森岡研究室修士論文テーマ一覧

2012年09月13日 22時30分45秒 | インフォメーション
平成24年度 修士論文中間発表会における森岡研究室の研究一覧

日時 平成24年9月14日(金) 
小澤 加奈子  試験におけるケアレスミスの原因に関する研究
千賀   唯 Rubber hand illusionによって誘発された錯覚の強さとモダリティの関係 -脳波研究-
岸浦 有美子  サブリミナルによる顔表情の観察が痛みに及ぼす影響について

日時 平成24年9月18日(火) 
青木 智子    サブリミナルプライミングによる自動的な反応選択時の脳活動
大松 聡子    ペダリング運動前後における情動変化と脳活動‐EEGを用いて-
幸田 仁志    車椅子座位における殿部への外力軽減のためのシーティングメカニズムの検討
此上 剛健    脳性両麻痺児の身体運動イメージの変容と影響を与える因子の調査
宗宮 ゆりえ   接触刺激課題がα運動ニューロンの興奮性に及ぼす影響とその因子―拇指球筋のH反射による検討―
豊田 有紀    脳卒中片麻痺者における運動錯覚誘起と脳損傷部位および身体機能との関係性について
福井 祥二    ミラーセラピー時の運動錯覚と皮膚温変化


共同注意のあるべき姿

2012年09月10日 09時06分38秒 | 日記
昨日、一昨日と名古屋で日本ペインリハビリテーション学会を無事に開催することができました。
第17回ですが、学会としては第1回であり、正式な船出となりました。

会長の松原氏に始めてあったのは24歳、副会長の沖田氏と初めてあったのは25歳。
その出会いは現在の日本基礎理学療法学会。
当時は理学療法の医学的基礎研究会という名称でした。

理学療法の基盤となる学問体系ができていないということで、
発足した研究会です。
当時は四年制大学もなく、もちろん大学院教育もされていません。
全国から集まってききたメンバーは様々。

私は近森リハビリテーション病院に属していました。
その際、透析患者の運動負荷に関する研究をしており、
エリスロポエチンなどの製剤と運動療法のハイブリットな関係を血液所見から調べていました。
当時は内部障害の研究を推し進めると同時に、
透析専門の医師、看護師と連携のもと訪問にて透析の診療をも行っていました。
当時は、今の診療報酬体制でなく、1日40人以上診療していた合間をぬって、
研究しながらボランティアで患者さんの家まで訪問していました。
CAPD患者(携行型透析)の社会復帰を推し進める上で。
自らそういう体制を発足し、ボランティアとして関わっていた記憶があります。
話がそれてきましたので、またこの話は次回に(近森のメンバーとの関係を話します)。

当時の近森リハのトップは現日本理学療法士協会事務局長の森本栄さん。
彼は兵庫リハにいて、そこで当時、神戸で関係のあった名古屋大学の河上先生が新しい基礎の研究会を発足するから、四国で研究を進めている人間を探している、だからおまえやれ。といわれ、何が何だかわからないまま東京の会合に出た記憶があります。それが第30回の東京学会。
私は透析患者に関する演題を口頭で発表していました。
4年目のときでした。

そこで鮮烈な言葉を発していたのが松原氏です。
あまりの強烈な言葉なので、ここでは封印します。
そのとき、すぐには友達にならなかったのですが、周り回って、
今があります。

一方、沖田氏ともその研究会。
当時は二人とも今より長い髪をふりながら、
若手の勢い任せて発表をしまくっていました。
お互い、髪の長いやつがいるな、という意識でみてたにすぎませんが、
数回の学会を経て、
学会期間は毎晩飲むという仲間になりました。
その二人の関係は、広がり、
つねに飲み会は長崎組と高知組の大宴会になりました。
長崎の片岡、高知の片岡もそれを通じてお互いが意見を出し合う関係になっと記憶をしています。
彼らも今は思考の変化に伴い、お互いがお互いの人生を歩んでいます。

その後、神戸大学助手、長崎大学助手、高知医療学院講師となり、
下積みをしながら、将来は見えないけど、
自分のやるべき研究をやめずにずっとやってきました。
痛みの研究、関節の研究、脳の研究とそれぞれまったく接点を当時は感じていませんでしたが、研究を進め、討議する中で、それを10年ほど続けて、
痛みという現象を解読するためには、一人の個 Whole bodyで捉えないといけないということで、ペインリハビリテーションへと方向性が導き出され、
あの本を作成しました。

現象こそ、私たちが大切にしないといけない情報。
それにくるまで時間がお互いにかかりましたが、
このプロセス、つまり原著を中心にした業績は揺るぎないものになっています。
リサーチを続けてきたからこそ、現象、個人を大切にするという意識が重くなったように思えます。

お互い40代を超え、半ばになりつつあり、
全員大学教授となりました。
ここからがスタートです。
それぞれ自分の立場を活かして、
国を動かすという意識をもってこれから社会的貢献の名の下、仕事をしていくつもりです。

そのためには現在の医師-療法士の関係を変えていかないといけません。
私たちの実績が評価されるよう、社会脳を使いつつ、圧倒的なデータを示し、
そして、教育自体を変えていくことができれば、3人ともあの世で宴会ができると思います。

3人ともまだ夜中まで元気でむちゃくちゃに酒を飲んでますが、
互いに「死ぬなよ」と。
その理由は「困る」とか「まだまだ」でなく、
死んだら「寂しい」と。
その言葉を聞いて、これからの自分の人生を考えようと思いました。

僕にとって、この出会いを作ってくれた、
「森本栄」「河上敬介」両先生に感謝です。

そして、このペインリハ学会を通じて、僕らを介して、新たな出会いが起こりそしてエマ-ジェンスされるべく準備が起こっていると思います。

卒業校も違う、同僚でもない、先輩後輩の関係でもない、恩師-学生の関係でもない、治療メソッドでつながっているわけでない。
痛みをどうするという現象を理解しようとする点でつながっているこの関係が好きです。
大人としての共同注意のあるべき姿だと思っています。


第17回日本ペインリハビリテーション学会

2012年09月04日 12時12分02秒 | インフォメーション
第17回日本ペインリハビリテーション学会
日時:平成24年9月8日(土)~9月9日(日)
シンポジウム「ペインリハビリテーションを検証する」
「疼痛の末梢機構」沖田 実 (長崎大学大学院)
「疼痛の中枢機構」森岡 周 (畿央大学大学院)
「疼痛の臨床」松原 貴子 (日本福祉大学)
会場:名古屋市中小企業振興会館 吹上ホール

利他的意識と歩行

2012年09月03日 21時59分54秒 | 脳講座
人間は他者と共存しながら生きている。それは家族を持たない個人であっても自分自身が生きていくために他者と関係していく人間社会の構造を意味する。労働をして賃金を得て生活をするシステムもその人間社会の構造である。現代の人間社会は、たとえ労働を失っても他者から援助されることで生きるという選択をしたようにも思える。一人でサバイバルに狩猟して生きるという選択を現代の人間はしなかったのである。

僕は、今のこの段階では、人間がどうして歩行を獲得し始めたか、諸説ある中、手で食料を持ち運搬するためである説を支持したい。鳥や他の哺乳動物でみられる口で運ぶよりも手で運ぶという手段は絶対的に効率がよい。つまり、運搬は手段であり、目的は生存である。これは自己の生存という視点だけでなく、他者の生存も含んだ種の保存のためである。

下等な哺乳動物では、獲物を得てその場で飢えをしのいでいた。しかし、高等な哺乳動物は獲物を得ても、その場かつ自分だけ餌にありつき飢えをしのぐという行為を選択しないように進化した。この選択は、食料は季節や天候に大きく左右されることを学習し、将来を予測し、その予測に基づいて現在進行形の行動を制御するといった脳のシミュレーション機能の発達だけでなく、食料を分け合い互いに生き延びるという意識が生まれたものによると考える。

すなわち、前者の未来展望は自己が生き延びるための利己的な意識、後者は自己のみならず、関係する他者の生存を意識した利他的な意識の生起である。労働し賃金を稼ぎ、その賃金を食料に変え生きるといった当たり前のこの行動ももとをたどればこの利己的意識と利他的意識から生まれたものである。