森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

第48回日本理学療法学術大会にて

2013年05月27日 14時07分00秒 | 日記
初日は第48回日本理学療法学術大会のオープニングアクトをつとめさせていただきました。初日、金曜日の朝にも関わらず、メイン会場の2700席の3階席まで入っており、任務を果たせた感がありました。別会場のビデオ中継にも相当の数の皆さんがおられたようです。

今回は20代からの友人で、盟友の3名と疼痛理学療法の教育、研究、臨床に関して話題提供させていただきました。それぞれ15分の持ち時間でtime pressureが相当でしたし、情報をセレクトせざるをえず、わかりずらさがあったかと思いますが、一通り動向、そして今後の課題、そしてそれにどのように挑戦していくかの問題提起はできたように思えます。沖田氏は原稿を読んでいるかの正確な言語でした。ほとんど記憶していたようです。松原氏はいつもの攻撃性を封印し、理学療法をたて、前に進める非常に社会性のあふれる講演でした。

私もよけいなことはしゃべらずまずまず流暢であったことが、他者の意見から確認できました。最前列で聴かれていた鶴見先生より「え~とか、あの~とかなく、ベストプレゼンだったと」恐悦至極ですが、この流暢さもトレーニングですし、他者の心の状態を思えば、そのように自分が変わってきたのだと思います。普段は時間内におさめる練習はしないのですが、今回は失礼にあたってはいけない。そして時間が限られていることから、5回ほどシミュレーションしました。新鮮で初心を取り戻した気持ちです。ホテルに戻り、半田会長、内山副会長、小川副会長とエレベーターで一緒になりましたが、内山先生より「よいシンポジウムでしたね」といわれ、その表情から、まずはよかったと思いました。後輩だけでなく、先輩たちにも心地よい気持ちになってもらうというのが、今の私の立場でもあると思います。否定からは何も生まれません。

いずれにしても、最後テーブルに座ってのメッセージが私の気持ちです。私たちは脳を変えるということが最終帰結ではありません。脳を変えることで、行動を変えることです。そして行動を分析することで、脳システムの推論をたて、それに基づき意思決定していく。そのプロセスの違いこそが治療を左右するといっても過言ではありません。リハビリテーションにパーフェクトはありません。だから、紋切り型に一つの事柄で治った、治らなかった、という表現はあまりにも軽すぎると思うのです。患者を全人的に捉え、チームを形成し、それに向き合う。疼痛という現象を通じて、もう一度リハビリテーションのあり方を今後問い直していく仕事をしていくつもりです。私にはいくつものその脳内シミュレーションが存在しています。

最後になりましたが、このような機会を与えてくれた鈴木重行先生に感謝いたします。若い頃からかわいがってくれました。私はいろんな先輩に恵まれています。

大勢の方の前で感謝状をいただきました。恐悦至極です。



さて、二日目は座長などをした後、最終日はこれまた第一会場でモーニングセミナーでした。。。

10時20分にモーニングセミナーの司会を終え、

帰りには特別に裏道を開けていただき、さらには浅井準備委員長、石田事務局長、松原プログラム委員長に荷物を持っていただき、誰とも会わず、走り、タクシーに乗ることが出来ました。皆さん先輩で申し訳ない気分ですが、僕は良き全国の先輩に恵まれています。これも僕の人柄でしょうか?笑

年下、後輩が増え講演ではほとんど僕より若いですが、学会という場は先輩達と話すことでき、実は心地よいのです。いい意味で楽なのです。

もう自分の卒業した学校の先輩や同期とはほとんどあいませんが、卒業した後、このように共同注意のもと友人が出来ていく人生を考えると、自分のまんざらでもないな、と思うのです。確実に私のパーペッツ、ヤコブレフ回路には良い影響をあたえているでしょう。

皆さんありがとうございました。



第48回日本理学療法学術大会の準備から

2013年05月16日 12時52分32秒 | 日記
今度のPTの全国学会の「疼痛理学療法研究のトピックス」に関するスライド,ほぼ終了.久しぶりに骨の折れる作業でした.一人講演であればここまで考えません.他の二人とどう協調するか意識しながらの作成ですし,何よりも15分でまとめることが難しい. 疼痛理学療法研究がascendingだけでなく,descendingを含めて考えるモデルに変化していることが,グローバルスタンダードであることを強調します.

慢性痛の方々がADLだけでなく,就学・就労への影響があることで,日本国の社会的損失になっています.理学療法では急性痛を慢性化させないこと,慢性痛のリリーフが社会的ミッションになると思います.疼痛の感覚的側面,情動的側面,認知的側面そして学際的側面から,どのような基礎・臨床的研究が必要が国際的に話します.

○○テクニックありきでなく,その病理,症状,病態,メカニズム仮説,それだけでなく,個人の性格,社会的立場などなど,さらには,これまでの科学的情報(エビデンス)などから解釈し,臨床意思決定して治療を選択・変化させる療法士へと導いていきたいですね.なかなか骨の折れる作業だと思いますが,地道に活動し,引退するまでにはと思っています.口先だけの講演でなく,原著も増やさないといけないですね.そして,臨床家と研究者のplatform形成に残りの人生を費やすことになるでしょう.

自分たちの仲間を正当化させるような業績づくりよりも,もっと大切なものがここにあります.どのような大きな,名の通る大学であっても,そして業績が多かったとしても,ここの意識がないと信用されないし,世の中を動かすことができません.業績や成果は,私たちの仕事を守る意味でも,その基盤としてはとても大切です.けれども,正の信頼のおける利他的な感情というものをそれに付与しないと世の中を動かすことは難しいことが,れっきとしたサイエンスでも証明されているわけです.

いずれにしても,いったん寝かせて,沖田氏,松原氏からの意見をいただき,修正を来週します.私たちのシンポは他と同時進行でなく,オンリーですので,何千人単位のものになると思いますので,慎重に他者のことを思いながらすすめたいと思います.私はもう一つ脳科学に関するものも司会をします.これも1会場オンリーです.

さてさて,寝かしますので,この後は,大学の事務仕事.文部科学省に提出する書類作成です.その後,教授会,大学院委員会です.

そして週末の秋田での講演の準備,来週の授業準備を始めます.

http://www.congre.co.jp/jpta48/program/


5~7月の講演スケジュール

2013年05月05日 17時15分29秒 | インフォメーション
ミヤタジュク・プレゼンツ セミナー2013
5月1日(水)20:00~
テーマ:脳を発達させるためのヒケツ
講師:森岡 周先生(畿央大学)
会場:teppan dining ミヤタヤ
受講料:3000円(ディナー付)


senstyle研修会
テーマ:セラピストのためのニューロサイエンス
「姿勢・歩行制御のニューロサイエンス」森岡 周
「上肢運動制御のニューロサイエンス」信迫悟志
「運動学習のニューロサイエンス」冷水 誠
「運動障害のニューロサイエンス」松尾 篤
日時:5月11日(土)12日(日)両日とも10:00~16:00(受付9:30~)
会場:星陵会館ホール 東京都千代田区永田町 2-16-2


療法士.comセミナー
テーマ:神経科学から考える運動学習
日時 2013年5月12日 (日) 10時 ~ 4時30分 (9時30分受付開始)
開催地:町田市文化交流センター ホール6F
講師:森岡 周 先生 (畿央大学 教授)  


日本理学療法士協会 講習会
日時:平成25年5月18日(土)~19日(日)
テーマ:最新のニューロリハビリテーション
場所:秋田大学医学部  秋田市広面蓮沼44-2
講演内容:神経科学に基づいた脳卒中後の機能回復のための臨床手続き
講師:森岡 周 (畿央大学)


第48回日本理学療法学術大会
大会長企画シンポジウム 5月24日(金)
テーマ:疼痛理学療法のグローバル・スタンダード
  「疼痛理学療法の教育トピックス」沖田  実(長崎大学大学院)
     「疼痛理学療法の研究トピックス」森岡  周(畿央大学大学院)
     「疼痛理学療法の診療トピックス」松原 貴子(日本福祉大学)
      座長 鈴木 重行(大会長 名古屋大学大学院)
一般口述演題 基礎理学療法「運動制御・運動学習02」座長5月25日(土) 16:30~17:30 
モーニングセミナー 5月26日(日)
テーマ:脳科学のグローバル・スタンダード
     「脳に及ぼす運動の効果」    島田 裕之(国立長寿医療研究センター)
     「脳の機能回復と神経可塑性」 石田 和人(名古屋大学大学院)
     「脳における平衡機能の統合メカニズム」 浅井 友詞(日本福祉大学)
       司会 森岡  周(畿央大学大学院)


22th European Stroke Conference in London
Date Tuesday, 28 May 2013 – Friday, 31 May 2013
Venue ExCel London
title:The relationship between kinesthesia and physical functions and damage region in stroke hemiplegic patients


岩手運動療法研究会 特別研修会
開催日時 2013年6月9日(日) 10時~16時
開催地 アイーナ(岩手県民情報交流センター:盛岡駅西口すぐ)  804 会議室 
テーマ  脳卒中片麻痺患者の脳活動の理解とニューロリハビリテーションへの応用
講師 森岡 周(畿央大学)


senstyleセミナー in 東京
日時:平成25年6月16日(日)
講義時間:10:00~16:00 
      (受付開始9:30から)
会場:全国障害者総合福祉センター 戸山サンライズ
テーマ:ニューロサイエンスから考える脳卒中リハビリテーション
講師:森岡 周(畿央大学)


平成25年度 畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー基礎編
平成25年6月22日(土)、23日(日) 応募を締切ました。
講師 森岡 周、松尾 篤、冷水 誠、前岡 浩、岡田洋平、信迫悟志(畿央大学)


ミヤタジュク・プレゼンツ セミナー2013
6月29日(土)15:00~
講師:森岡 周先生(畿央大学)
テーマ:神経科学から考える脳卒中後の運動障害に対する臨床手続き
会場:土佐リハビリテーションカレッジ
受講料:5000円


第14回 日本認知神経リハビリテーション学会学術集会
期日 2013年7月6日(土)~7日(日)
場所 門真市民文化会館ルミエールホール 門真市末広町29‐1
特別講演
 「感覚運動学習を支える脳のネットワーク」
 今水 寛(国際電気通信基礎技術研究所(ATR))
 司会:森岡 周(畿央大学)
対談 今水 寛・森岡 周


第35回日本疼痛学会
2013年7月12日~13日
場所 さいたま市の大宮ソニックシティ
内容 一般口演プログラムB4. 臨床:術後痛
7 月13 日(土)13:10~14:10
座長:森岡周(畿央大学大学院 健康科学研究科)



Active Step 特別研修会
日時 平成25年7月20日~21日
場所 日本文理大湯布院研修所 8号館 1階研修室
講師 森岡 周 先生
内容 小脳の構造と機能、そして運動学習


日本理学療法士協会 理学療法士講習会
テーマ 身体知覚と運動学習
講演1「身体知覚と運動学習(9:00~12:00,180分)」 講師 森岡 周 先生
講演2「知覚・こころとリハビリテーション(13:00~16:00,180分)」 講師 樋口貴広 先生
開催期間1 2013年7月28日(日) 受付:8:30~ 講義時間:9:00~16:00
会場 会場名 徳島文理大学 徳島市山城町西浜傍示180