森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:一流に向けて

2010年09月08日 04時54分17秒 | 日記
昨日,今日とM2の中間発表会のための予行演習を行いました.
このようなものは,自分自身が大学院生のときにはなかったのですが,
自分自身が教員として甘さを持っているのではないかとも思うし,
厳しさと優しさは表裏一体であると思いました.
また,社会人であるため,夜の時間に設定するというのも,
なんか,院生がお客である,昨今の大学事情を感じます.
来年は日中に徹底的に時間をかけて行いたいと思います.
その方が両者のためになります.

内容はM2の9名,多岐にわたりますが,
3名は,何も言うことがなく,すでに完成しています.
残る6名は,再度チェックしなおしになりました.

その差は,とりかかるスピードだけでなく,
注意機能,シミュレーション機能に大きく左右されていると思いました.
自分よがりでなく,人の発表を聴くことも大切ですが,
それは内容だけでなく,プレゼンの仕方,スライドの見せ方,など,
表現方法を盗み取るために観察するということもとても大切なのです.
ここの要因には「メタ認知」能力が決定的に必要です.
発表もやはり,前頭葉機能に大きく左右されます.
情動,プライドが強すぎると,その機能を低下させます.
背外側部と内側部はお互いに抑制しあっているのです.

いずれにしても,自分の研究で,新たにわかったことは
「これである!」という表現がなく,残念に思いました.
「見せる(魅せる)」ということが不足しています.

うちの大学院は社会人を受け入れていますが,
学位論文のハードルは,社会だからといって下げていません.
社会人でない,毎日研究室で研究している院生と,
同じ量,同じ質の論文を最終的には提示しないとならないのです.
そのためには,どこかで時間を削る,あるいはワーキングメモリ機能を存分に活かし,
臨床との時間配分を最大限に考慮することが必須になります.
この経験によって,終了後は,新たなステージにいるはずです・・・・・
と思いますが,そうでなく,現実的に日々の業務に忙殺され,
大学院の経験が無効になるケースもあるようです.
志の持ちようです.

少々,厳しい言葉も飛びましたが,
修正の余地ありということです,
成長の可能性あり,ということです.

ぎりぎりまで,追い込むこと,ねばること,それが必要です.
一流とはそういうことなのです.

朝があける,まだ真っ暗いころにつくつくぼうしの鳴き声を聞き始めました.
最後の仕事なのでしょう.


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