Feelin' Kinda Lucky

ちょっと書いとこう・・・・

東芝の赤盤に残された名曲

2010年03月27日 | Musical Instrument
1960年代の東芝のレコードは ”赤盤” と言われるその名の通り赤い半透明のものが多かった。

この赤盤は 東芝独自の帯電防止剤を主材の塩ビに混入させて 静電気によるホコリの付着を防ぐ仕様が売りで、”エバークリーンレコード”と呼んでいたようだ。(残念ながら特別ホコリがつきにくくキレイだったという記憶がない)
赤い着色は機能的には意味がなく、単にその特徴をアピールするための意匠的な意味合いだったようだ。

赤盤にはEMIレベルのビートルズのものとか、Libertyレベルのベンチャーズのものなど想い出が多い。
中でもこの加山雄三のLPとしてはデビュー盤であった加山雄三のすべて~ザ・ランチャーズとともには 日本のロックギターの歴史において、新時代を画するアルバムだったと思う。



このLPは 大ヒットした ”君といつまでも" や ”恋は紅いバラ” など歌謡曲的なものと ランチャーズとともに演奏した(実は加山雄三が多重録音で自分で各パートを演奏した?)ギターインストルメンタルの二種類が 混ざったLPだった。

1966年のお正月 小学生の私は お年玉を手に発売日にこのレコードを買いに近所のレコード屋に走った。

で、何が革新的だったかというと、一口でいうと ”日本人のレコードで 初めてギターの音が 歪んだ録音” と言うこと。
いまではなんらめずらしくない ディストーションの歪んだ音だが、このころは まったくなかった。

実はこれは、わたしのギターのサイトの”衝撃の白”というページに以前に記載したが、1965年にベンチャーズが来日公演で使用し、帰国の際に加山雄三に売って?いったモズライト社のギターを使用して録音されている。


 
このレコードの中で、自身の作曲でブラックサンドビーチ・モンキークレイジー・ヴァイオレットスカイ・ロスアンゼルスの二世祭り というインスト4曲を残しているが これは 当時としては ベンチャーズしか聴いたことのなかった 日本人初のナチュラルディストーションのかかった 太めの音で ホントにカッコ良かった!

先日、ネットサーフィンをしていて 若い音楽マニアが 加山雄三って”しあわせだなあ”って歌ってるダサいオッサン歌手だと思っていたけど、ブラック・サンド・ビーチとかが  “加山雄三の自作自演曲” と知ってビックリ! で日本のテケテケ黎明期のパイオニアだったということを知って脱帽! と描いてあったが まさにその通りである。

驚いたことに前述の4曲は 昨年、ロスアンゼルス郊外で観た小規模のコンサートでアメリカのインストバンドがカバーしていた!-- 知る人ぞ知る インストの名曲である。

その中でも もっともドライブ感のある曲 ”ロスアンゼルスの二世祭り” をマネして マルチトラック録音で演奏してみた。

加山雄三はヘッドのロゴが黒い1965年のモズライトで演奏しているので、最初 私も1965年モデル(上写真左)を使ったが音が太すぎてボワンボワンな音になってしまうので、1964年モデル(上写真右)で演奏すると かなり当時の音に近づいた。そういえば加山雄三のモデルも1964年の後期から65年初期のもので、ピックアップのコイルの巻きの少ない頃のものだと思う。

パスタで言えば コシのあるアルデンテな麺と 太いだけでグチョっとした麺 のような差がある。

ボリュームもダイアルで7より上げると歪み過ぎてダメなので5くらいでプリセットスイッチをブライト側にしておいたほうが抜けが良い。でもちょっと下げると ギターの構造上、サスティーンが落ちるのでこの加減は結構微妙かも。

クランチ加減とピッキングの”クワッ”っていう音のバランスがミソ??



わたしの録音では アンプを FENDER SHOWMAN 15"×1(1963~4年製)を使ったので ベンチャーズの当時のライブの音に近いかもしれない。 加山雄三は多分 同時期のFENDER BASSMAN 12"×2 を 使用していたのではないだろうか?

ミソは当時の楽器そのままで演奏したところ。演奏のヘタさは問わないで音を聞いてね!
ジャズべースのペチペチ感もドライブ感に拍車をかけてる?(ベースも同じアンプ使用)

演奏はこちらで・・・(ボリューム注意)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。