Feelin' Kinda Lucky

ちょっと書いとこう・・・・

やっぱりカエルは苦手だった。

2016年05月01日 | Miscellaneous

「永遠のゼロ」や「海賊と呼ばれた男」など小説がおもしろかったので、話題の「カエルの楽園」も読んでみた。もう少し中立的なスタンスで書いているのか、あるいはイソップ物語の要素を取り入れたような面白い筋書きで仕上がっているのかと思ったら、何てことはない、作者の政治の考え方を無理やりカエルの世界に置き換えただけのもので、小説としての面白さはなく共感するものは何もなかった。改憲しないとこうなっちゃうよということが言いたいプロパガンダっぽい本で、きっと安倍晋三さんや櫻井なんとかっていうおばさんとか、ネトウヨの方が喜ぶかも知れない内容。改憲すべきか否かとか、どこの新聞社がどうだとか、アメリカや周辺国の中国や韓国がどうだとかの諸々の議論以前に、小説で自分の政治思想をこれでもかというほど強くアピールして自分の意見に反する人を打ちのめすような文調の本として出版するということが、この人の品性を疑わせる。まして自らこの本をこれまでの最高の出来と語っている。ついでに意外なのがネット上で賛美の声が多いことだ。賛同している人が買っているわけでこの人の思想に賛同しない人は買わないのだからこういう結果なのだろうが・・・
冒頭の二作品や「影武者」など、過去のこの作者の小説が良かっただけに、今度もいいかな? と純粋に小説として期待するとチョット方向は違う本かも知れない。私には過去の名作に傷をつけるような作者の品性を疑わせる作品だった。そうそう、考えてみれば、私ってカエルがこの世で一番苦手なものだった !