ちょっと書いとこう・・・・
Feelin' Kinda Lucky
ドキュメンタリー Get Back 見終わって・・・
4日にわたり全部で8時間弱、三部とも見た。もとの収録映像は57時間らしいからこれでも何とか短く収録したのだろう。8時間もかかるんじゃ、まあ適当に飛ばしながら見ようと思って見だしたが結局、一瞬たりと飛ばさずに見てしまった。
1作目は正月明け、毎日集まってなんとも延々と続く4人のバラバラな映像。P.マッカートニーが目指した初心に返ろう的な雰囲気には永久になりそうもない不満に溢れた怠惰な映像が延々と続く。
でなぜ一瞬たりとも飛ばさないで見せられたかというと、自分では不本意だとわかっていてもふざけてばかりいるJ・レノンの葛藤がおもしろいから。純粋で繊細なハートを持っているかがよく解る。そんなジョンに対し、常に脳内に構想を持ってプロジェクトのゴールを描いているP.マッカートニーのいらつきの軋轢が面白い。なんとなく平和に行きたいR.スター、ああこういう人いるよね感満載。脇役的で主張できない純粋でわりと頑固なG.ハリソンは最後にキれて脱退といって去る。
B.エプスタイン亡き後の船頭を失った船乗りのような4人の姿、統率をとれないJ.マーチンや他の取り巻きスタッフの力不足がよく解る。
そして2作目、救世主が現れる。古くから親交のあった鍵盤奏者、B.プレストンだ。彼が現れたとたんに、悶々として閉塞感の絶頂だった、“かのビートルズ” がB.プレストンにひれ伏すようにすがり暖かく迎える。なんのこだわりもなくB.プレストンも殆どしゃべらずひたすらニコニコと笑い、一緒にプレイをする。そして参加するやいなや感じられる鍵盤プレイの巧みさとグルーブのすごさといったらもう言葉がでない。ここで一気に水を得た魚のように4人の力が結集し、録音が進む。仲が悪いだのなんだの言われても、50年代後半から長年、数百の楽曲の蓄積を誇るレノン&マッカートニーの凄さが映像の節々に垣間見れる。きっかけとなったB.プレストン凄し!アンド・・・レノン&マッカートニーやはりスゴイ。
あとはジョンにベッタリ・オノヨーコとやかましい子連れのリンダさん、お願いだからどっか行ってちょーだいとずっと思い続けながら見る。とくに休憩時だかのオノヨーコのキーキー声で唱うシーンは頭が痛くなる。一方ではオノヨーコはビートルズ解散の要因みたいに言われるが、そんなことで解散に至ったのではないということも三部見るとわかる。
そして最後、三作目、序盤、P.マッカートニーがいないのに、3人がマネージャー候補のA.クラインを評価する場面もあり、後にアランの存在が4人の亀裂を決定づけるきっかけになることを鑑みると見たくないところ見ちゃったなと思った。
いよいよ屋上演奏。屋上演奏は歴史的に残り語られこうして映像にまでなったが、いまでも個人的にはスタッフのマネジメント力不足の賜物と思う。ゲリラ的なことは悪くないと思う。ただ、なんで見せたい民衆に音しか聞こえないところでやるか?せめて姿の見えるところでやるべきだったと思う。
私個人はこの屋上ライブの演奏で3曲目のワン・アフター・909の演奏が一番良かったと思う。ギタリストのディーク・ディッカーソンも似たようなことを言っていたが、ジョンとポールが演奏でノリノリで目を合わせ笑うことで全てが救われる気がして、バンド演奏の楽しみの境地を改めて知らせてくれる。ついでながら玄関口で乗り込む際にも受付嬢に丁寧に”Would you mind・・・?”っと紳士的な英国のおまわりさん。コレってアメリカだったら数名はお巡りさん到着後、即刻手錠をかけられてるだろうなと思う。(余談だが、私もかつてバンド演奏で海岸で一度、山で一度 近所迷惑で怒られた。山ではパトカーで警察が二度来た)
このようなことをやらず、普通のアーティストのように解散コンサートなどをやらず結果的にこのような演奏で幕を閉じたビートルズはそれでいいのだろうが、もしもキチンと解散コンサートをやったとしてもこの人達であれば歴史に残る素晴らしい演奏だっただろうと思う。
見応えのある歴史的価値のあるドキュメンタリーだった。ただ見終わった今も、よっぽどビートルズが好きでない限り全編見る必要はないだろうと思う。8時間は長すぎる。
ただ楽器や機材に興味のある人や、人間模様に興味のある人には面白いシーンがたくさんある。
フェンダーから届いたばかりの試作的なオールローズのテレキャスをゾッコン気に入ってるギター小僧のジョージやジョンレノンのエピフォンカジノをおさえる左指の位置、ポールのヘフナーのベースなどもキャバーンクラブの時の最初のものでない62年か63年頃のもので製造後数年しか経っていなのに、既にトップにクラックが結構入ってる!ヘフナーの塗装品質って悪いのねとか、レスリースピーカーって新品だとあんな箱に入ってたんだとか、フェンダーのアンプ、シルバーパネルやソリッドステートものでも楽器のせいか、以外とキンキンな音になってないとか、マニアックな見所はいっぱいあるからお好きにどうぞ・・・って感じ。
いずれにしてもアップル・コア社の建物の向かい側あたりでたまたま見れた人が一番ハッピーだったろうと思たのでしたw
月夜の森の梟
長年、軽井沢には書店がなく 隣町の御代田まで行って書籍を買っていたが、最近は確か蔦屋の経営のお洒落な軽井沢書店というのがあり隣のスーパーでワイフが買い物をしている間ふらふらと立ち寄れるいいスポットができて助かっている。
この秋、軽井沢で読んだ本。もう一冊東京にも置いておこうと思って帰る日に書店に行ったらあいにく休業日だった。
後で連絡したら書店の方がご丁寧に郵送してくれた。
「月夜の森の梟」 小池真理子
小池真理子さんは軽井沢に移住して30年になる。夫の藤田是永さんも同じ作家で夫婦で直木賞を受賞している。昨年夫の藤田さんを病気で亡くした。
この「月夜の森の梟」は二人きりで軽井沢に暮らす夫婦に起きた藤田さんの発病から死別、その後の小池さんの生活を日記の様にエッセイで綴った書。夫婦である限り誰にもいつか訪れることとはいえ、書中に幾度となく表される喪失感の生々しさに読んでいて胸が痛くなったが、読後は共に今いられる毎日のありがたさと重みをひしひしと感じられるのです。誰もが体験し乗り越えざるを得ないこととはいえ重い...
最近、本はアマゾンでほとんど買うけれどゆっくり書店をフラフラして良い本に出逢うという機会は失いたくない。