五輪開催費に上限設定=豊洲問題「重く受け止め」―小池知事が初の論戦・都議会
東京都の小池百合子知事にとって就任後初の論戦となる都議会の代表質問が4日午後、行われた。
小池氏は、2020年東京五輪・パラリンピックについて「開催経費の上限設定は検討すべき重要な課題だ」と述べ、圧縮に向け上限を設ける考えを示した。
その上で、ボート・カヌー会場となる「海の森水上競技場」など都が整備する3施設の見直しに関し、「1カ月をめどに都として一定の結論を得るよう努力する」と明言した。都議会公明党の東村邦浩氏への答弁。
都の調査チームは、今の五輪推進体制では開催費の総額が3兆円を超えると推計する報告書を公表。海の森水上競技場のほか、
競泳会場の「アクアティクスセンター」、バレーボール会場の「有明アリーナ」について大幅な見直しを提案した。
これに関連し小池氏は「見直しを行う最後の機会だ」と強調。警備などの経費見直しも検討する考えを示した。追加種目に決まった野球・ソフトボールの福島県での開催に関しては、
「復興五輪として意義がある。実現に向け後押ししたい」と述べた。
開催費や仮設施設(大会後に撤去)の建設をめぐる役割分担の見直しについては「年内の公表を目指し、国や組織委員会との協議を進めたい」と強調。
都の出資団体である組織委への指導・監督強化を検討する考えも示した。共産党都議団の大山とも子氏への答弁。
築地市場(中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)の建物下で土壌汚染対策の盛り土が行われず、地下空間が設けられていた問題にも質問が集中した。
小池氏は「トップとして非常に重く受け止めている。弛緩(しかん)した空気は都庁にとって危機的状況だ」と指摘。移転時期に関しては「安全性を確認し、総合的に判断したい」と述べるにとどめた。都議会自民党の高木啓氏への答弁。