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たま駅長死ぬ:「天国でゆっくり休んで」住民らねぎらう

2015年06月25日 | ネコ・癒やし

たま駅長の写真が飾られている貴志駅には24日、近所の住民らが訪れ「天国でゆっくり休んで」と写真に触れながら、これまでの活躍をねぎらっていた。

 たま駅長は国内外のメディアが数多く取り上げ、アジアを中心に、たま駅長見たさに和歌山を訪れる外国人観光客も増加した。その功績をたたえ、和歌山県は「県勲功爵(わかやまでナイト)」や「県観光まねき大明神」の称号を贈った。

 社内でも「昇進」。08年にスーパー駅長、13年には社長代理、昨年は貴志川線総駅長職「ウルトラ駅長」に就任した。駅舎も10年には猫を模した新駅舎に模様替えし、和歌山県、紀の川市の顔として地域や乗客に笑顔をもたらしてきた。

 たま駅長の死を知って家族と駆けつけた近くの主婦、栄陽子さん(43)は「お休みしているのは知っていたが、そこまで悪いとは知らなかった。仕事のストレスもあったと思う。本当にご苦労さまでした」と悼んでいた。

 沿線にある和歌山信愛女子短大(和歌山市)は、電車に飾るたま駅長をデザインしたフェルト製のクリスマスリースを制作するなど関係が深かった。在学中にリースづくりをした梁川美穂さん(20)は「リースを作る時は体の柄を忠実に再現することにこだわった。誰からも愛される猫だった」と話した。

 貴志川線存続のため04年9月に沿線住民らがつくった「貴志川線の未来を“つくる”会」代表の浜口晃夫さん(73)=紀の川市=には24日午前、たまの死が伝えられた。浜口さんは「一緒に地域を盛り上げてくれた仲間。今後は私たち自身も頑張らないと。安らかに眠ってほしい」と話した。

 仁坂吉伸知事は「たま駅長は観光のスーパースターとして国内外から絶大な人気を誇り、観光振興に大いに貢献してくれた。突然の訃報で、深い悲しみとともに感謝の気持ちでいっぱい。どうか安らかに永眠してほしい」とコメントした。【稲生陽、倉沢仁志、高橋祐貴】