拡張型心筋症で完治するには移植しかなくって、今度発作が起きたら命の保証はないですよって
。。。言われてんのに結局隠し通しちゃって。
会社を畳んだあと、奥さんの希望で北海道の美瑛へ引っ越してきた、
さあこれからというときに奥さんが亡くなってしまう。
でもあちこちに奥さんが布石をうっていて、ダンナさんはひとりぼっちになることなく
そこから先も暮らしていけましたとさ。・・・って縮めてしまうとそれだけっちゃそれだけなんですが。
・・・「ぶどうのなみだ」のレビューでも書いたのだけど
北海道をよく知らない人間にはどうも北海道幻想なるものがあって。
広大な自然の中にいると人柄もおおらかなんだろうなとか、食べ物おいしいだろうなとか
農業するにしたって酪農するにしたって規模が違うからたくさんのひとたちと関わっていかないと
そもそも仕事にならないわけだから必然と助け合いの気持ちって強いだろうなとか・・・・。
こういうとこに悪い人ってでてこない。あ、ひとり空き巣に入った少年がいましたけども。
それすら、そのあとの展開のためのプロローグみたいに見えちゃうのな。
こっから先いくつか困ったことが起こるのだけども
それを奥さんなきあと、旦那さんがひとつひとつクリアしていくなかで
どんどん美瑛のひとたちとも、離れていた自分の娘ともうまくいくようになるんだわな。
奥さんにプロポーズした山が見える場所で暮らすなんざむっちゃロマンチックやないですか。
どんだけラブラブなんですかい。(;´∀`)
まあそれまでに随分苦労をかけましたのでっていう旦那さんの気遣いもあるんでしょうが。
きっかけは石塀。家のまわりにぐるっと。それも旦那さんにつくってほしいのだという。
まともにやったら1年はかかるでしょうねっていう規模の。
・・・手伝いにきてくれた青年は無愛想でなかなか打ち解けてくれない。
それでも奥さんはまるで息子みたいに接していくんですが、
その青年が連れてきた彼女を、奥さんはまたまた娘のように可愛がって。
・・・それは自分のためでもあり、自分がいなくなったあと旦那さんがさみしくないようにと
ここのひとたちと旦那さんをつなごうとしていたんだろうなって・・・。
・・・石塀を手伝ってくれてる青年と彼女との妊娠問題まで結局首突っ込むことになり
まるで親代わりのように接してたら、今度は彼女のオヤジが
酒持って訪ねて来たりとか・・・災い転じてみたいなつながりは、
もとはといえば、奥さんが残した手紙で、あれこれと旦那さんを心配する思いにこたえて
旦那さんが行動した結果のことなんですけども。(;´∀`)
そもそもがこの夫婦がどんだけラブラブだったのかってことで。
それが根底にあって、それがすべての映画だったような気もしますが。(;´∀`)
奥さんからしたらもう心配で心配で仕方ない旦那さんも
やればできるじゃないんだけども、お父さんじゃなきゃできないこと、大人の男でないと諭してやれないこと、
それがどんどん人の輪をつくっていって、
見てるこっちがこれなら大丈夫だねってほっとするような映画でございました。
全くの余談になりますけども、
佐藤浩市の奥さんがわたしはこのひとのためにこのひとより一日でも長く生きていたいですってな手紙を書いてて
完成披露試写会だったかで樋口可南子さんがその手紙を読んで、
佐藤さんだけじゃなくって樋口さんまでもがポロポロ泣いていたというニュースをみたんですが
なんていうかな~。ここまでできたらいいな~というか。
それは命の期限が見えたからというだけでなくて。
こんだけ私が至れり尽せりだったら、ダンナも言うこと聞いてくれるのかなとかさらに枝葉な話にぶっとび。(!!!)
結婚当初なら浮かれ気分もあっただろうけども、今は「となりにいて当たり前」で
それをありがたいとか思うことはまあなくて。(わわわわわ)
・・・それでもいつかそういう日はくるわけで。
私はこのひとのために何ができるんだろうなってのは
この手の作品みると頭をかすめるような年齢になっちまいました。
背伸びでなく、気負うことなく、ありのままで自分らしく、
・・・でも、周りの誰かの幸せを思って自分にできることを精一杯やってると
きっとそこに人の輪ができるっていう、ある種当たり前の、でもなかなか思うようにできないそれを
とっても貴重なものに思う・・・そううい作品でした。
「あん」にしても「愛を積むひと」にしても
ターゲットはちょい高めでわりと中年以上の方がどわっと見てらっしゃいましたけども。
・・・ドッカンドッカンだったり、不思議な魔法だったりももちろんええんやけど
・・・こういう映画を見て我が身を振り返ってアタフタするのもたまにはいいかな。
映画は映画なんだけども、やけに身近に感じてしまったとだけお伝えして締めたいと思います。
・・あ~、これもストーリー展開そのものは簡単やのに、やっぱどう気に入ったか
うまく書けませんでした・・・゜(゜´Д`゜)゜