つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

空梅雨

2012-06-29 16:17:13 | ジャズ

 青空の広がる快晴の一日・・・
 空梅雨が続くのは、北の高気圧が本州の上に
 がんばっているためだろう。

 ネジバナ(別名モジズリ)が一本、木陰で咲いていた。
 ねじれた穂にたくさんの小さな花がついて
 白地に淡い紅紫色をにじませた花々が恥じらうように咲いていた・・

 今日聴いたジャズ・・・TERJE GEWELT WITH CHRISTIAN JACOB・・「HOPE」


 (テリエ・ゲヴェルトと本作については5月26日に少し触れて書いています)

 テリエ・ゲヴェルト(ベース)とクリチャン・ジェイコブ(ピアノ)のデュオ作品。
 2人の奇跡の3部作といわれる中の一枚。。
 
 1・MOON AND SAND・・2・AUTUMN LEAVES・・3・SMALL COUNTRY・・4・THE WATER IS 
 WIDE・・5・BYE BYE BLACKBIRD・・6・LYDIA’S CRUSH・・7・HOPE・・
 8・CHEROKEE・・9・BODY AND SOUL

 奇跡の・・といわれるように2人の綴る曲はあまりにも美しく感動的。。
 成熟した二人の演奏スタイルと音楽への真摯なまでの取り組みを表出した傑作といえるだろう。
 馴染み深いスタンダードが多いがこれらも一味違った仕上がりになっている。
 また本作はテリエ・ゲヴェルトはもとより、クリスチャン・ジェイコブを語る上で忘れてはならない
 作品でありピアニストとしての力量を十二分に発揮した秀作でもある。

 クリスチャン・ジェイコブ:

 1958年5月8日、フランスのロレーヌ生まれ。4歳からピアノを始め2年後の6歳でメッツ音楽院
 に入学(特待生だったという)してしまうという神童ぶりだった。またジャズには10歳で目覚めたというから
 なかなかの早熟ぶりである。
 ”絶対音感”の持ち主でありメッツ音楽院もこれゆえに入学が許可されている。そして12歳にしてなんと
 パリのコンセルバトワールに入学してしまう。これらの少年期の逸話からも分かるようにクラシックへの
 憧憬と揺るぎないピアノテクニッニクの基礎は生まれ故郷のフランスで形作られたと言っていいだろう。

 なおクリスチャンの最初のアイドルはデイヴ・ブルーベックとオスカー・ピーターソンだったという。
 10代前半で地元のミュージシャンが作ったビックバンド「ジャズ・スインガーズ」に参加しジャズのコード・
 チェンジなどジャズ・イディオムを習得。80年代初頭にボストンにあるバークリー音楽院へ入学する。
 ヴァイヴのゲイリー・バートンなどに師事し在学中に「ジョー・ザビヌル・ジャズ・マスターズ賞」
 「オスカー・ピーターソン・ジャズマスターズ賞」を立て続けに受賞。ダウンビート誌の学生ジャズ・ソロイスト
 賞なども取得しバークレーでの教職の道に進んだ。

 80年代後半にボストンを離れ、後に彼の義父にもなるトランペッター、メイナード・ファーガソンのバンドに
 参加しピアニスト兼アレンジャーという大役を任される。

 その後、西海岸で数多くのビックバンド(ファーガソン筆頭にビル・ホルマンのオーケストラ、トランペッター
 のカール・サーンダースやゲイリー・アーウィンらのオーケストラなど)でピアニスト兼アレンジャーとして
 活躍していることは彼の”今”を知るために忘れてはならないことだろう。

 特筆すべきはtelecレーベルの歌姫、ティアニー・サットンの伴奏ピアニスト兼アレンジャーというポジションを
 務めいること(すでに10年に及ぶ)

 現在はLAを中心に活動している注目のピアニストである・・