お花屋さんに行くと、様々な色の菊が置いてある。いつもどの色の菊の花を買おうかと目移りしてしまうほど。
今はまだ、菊がさかんな時期だけど、晩秋に咲き残っているのを「残菊」、晩秋に咲きだす品種を「晩菊」といい、
それぞれに情趣がある。
” しらぎくの夕影ふくみそめしかな ”(久保田万太郎)
中国、六朝時代の代表的詩人、陶淵明はこよなく菊を愛した。「帰去来辞(ききょらいのじ)」「飲酒」などの詩で
菊の美しさを賞賛している・・・
今日聴いたジャズ・・・
ERIC ALEXANDER QUARTET・・「GENTLE BALLADS 2」
本作はエリック・アレキサンダーのバラッズ集の中の一枚。
日ごろから、エリックのリーダー作はバラードに決まり!と思っている。どのバラッズ・アルバムを聴いてもいい。。
この作品もライナーは寺島靖国氏によるもの。私がうまく言えないことを見事に書いてくださっているので、それを読みながら
そうそう・・そうなんですよね~・・と心の中でつぶやいている。意気投合して、とても嬉しい。
” いや、またしてもやってくれたのである。もう敢えてテナー・バラードの王様と言ってしまうが、バラードを吹かせたら
当代随一。今の若手、中堅にこんな雄々しくバラードを吹くテナーマンはいるか、いや絶対にいない。
エリックにかなう者がいたら出てきて勝負してみろ。すごすご退散するのが関の山。こんなに雄々しく、かつ優しいテナーは
エリックしかいない。エリック万歳。それを三唱したいほどの出来映えではないか。”ライナーノーツより・・・
前作の『ジェントル・バラッド』も選曲、演奏ともに申し分ない出来だった。本作も期待を裏切らない上出来のアルバム。
1・MONA LISA・・2・I GOT IT BAD(AND THAT AIN’T GOOD)・・3・FUNNY・・4・I’M A FOOL TO WANT YOU・・
5・LI’L DARLIN・・6・LOOK OF LOVE・・7・MY SHIP・・8・WHO CAN I TURN TO・・9・TIME AFTER TIME・・
ピアノはハロルド・メイバーンにかわってマイク・ルドン。良い意味でハロルドとは違い、丹念にメロディーを拾って弾いている。
さすがに学者タイプのピアニスト、といったところだろうか・・
曲の中には5のような意外な選曲もあって、エリックの別の一面を垣間見るようでもある。
”老人のバラードもいいけど、今が盛りの人のバラードに及ぶものはないのだ、と言っておこう。”とも寺島氏は書いている。
どの曲も聴きごたえがあるけど、とくにテナーでの4、6はたまらない。ともあれ、次作はどんな曲だろう?と楽しみでならない。
エリック・アレキサンダー(ts)
マイク・ルドン(p)
ジョン・ウェバー(b)
ジョー・ファンズワース(ds)
2006年3月22日、ニューヨークにて録音・・・