ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

ホテルに電話がない

2008-09-02 13:44:02 | アーツマネジメント
研究上の必要から、先週30日(土)からカナダ・モントリオール市に来ている。

旅行は順調だったが、ホテルに着いてみると予約が入ってないと言われて困惑した。その手のトラブルは、他の人から話にはよく聞いていたが、自分の身にそういうことが降りかかってきたのは私の人生で初めてだ。

ホテルの女主人(中国系か)によると、前日の29日から予約が入っていたのに、連絡なしに現れないからキャンセルしたのだという。こちらは最初から30日到着と頼んでいるので、身に覚えのないことなのだが、原因の追究よりも宿泊する部屋を確保することが先決なので、とにかくその夜は臨時に小さな部屋にとめてもらい、翌日から少し大きめの部屋に移してもらう、ということで解決した(キャンセルの違約金の支払いはしなくてよいことになった)。余談だが、カナダでは9月1日はレイバーデイという祝日にあたり、土日を含めて大型の連休になるので、モントリオール中のホテルはどこも満室のはずだという。(同ホテルは前日もこの日も満室だった。)

ホテルに関して困ったことは他にもあったが、それはここでの話題ではない。

一番困ったのは、部屋に電話がないことである。
まさかそんなことがありうるとはまったく思っていなかった。この時点ではまだ、臨時にあてがわれた普段使っていない部屋だから電話がないのだろうと思っていた。翌日になって判明したが、翌日に移った大き目の部屋にも、まるで当然であるかのように、電話がないのである。
これも、ダウンタウン(都心部)のほぼ中心にこそ位置しているとはいえ、家族経営によるごくごく小さな規模のホテルだから、ということなのだろうか。

電話での通信そのものは、携帯電話を持ってきたから問題ない(そもそも現地での仕事の電話は連休中はまったく必要ない)。
問題は、パソコンのインターネット接続をどうするか、である。

1階のフロントに降りていって、電話がないのだがどうしたらよいか、と困惑の表情で伝えたところ、これを使えばいい、と言って、スタッフが使っている無線電話器の子機を手渡された。人前であれ何であれ、用さえ足りればよいのだろう、とでもいうような実用主義にはある意味では感心した。

だが、それではインターネット接続にはまったく役立たない。

日本にいたときに下調べをしたところでは、ホテルにLANの端末が用意されていればそれを使えばよいので簡単だが、そうでないときには電話線を使ってダイヤルアップ接続をすべし、そのためには現地のアクセスポイントを調べて、さらに海外ローミングサービスを提供している日本のプロバイダーと契約をしておくべし、と説明があったので、出発前に慌ててso-netに入会し、仮にダイヤルアップ接続をしなくてはならないときも大丈夫、と万全を期していたはずだったのだが。

電話で通話したいのではなくてインターネットに接続したいのだ、というと、フロントにいた若い男のスタッフが手馴れた手つきでワイヤレス接続のためのIDと接続キーを書いたメモを手渡してくれた。

だが、残念なことに私の持ってきたパソコンは型が古く、無線LANの機能がついていない。どうしたものか。

すると、例の女主人が、けげんそうに、カナダではみんなワイヤレスでパソコンを使っているよ、ワイヤレスで接続できないという話は初めて聞いた、ときわめて無邪気な反応をしてくる。

この時点では、せっかくパソコンも用意して日本から重たい思いをして持ってきたのに、それらの苦労がまったく無駄になったか、と徒労感が一気に押し寄せてきた。

とにかくその夜は、フロントで教えてもらった近くのインターネットカフェに寄って、メールのチェックだけをした。そこではウェブサイトの閲覧はできても日本語入力ができないので、日本語のFEP(フロントエンド・プロセッサー)を無料ダウンロードできるサイトを探し、ようやくひとつだけ見つかった(NJSterというFEP)が、いざダウンロードしてみたところ、入力したひらがなを漢字かな混じりに変換する機能がひどく拙劣で、ほとんど使いものにならない代物だった。

かくして、最初の日の格闘はそこまでで終わった。

(この項続く)








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