安らぎと戒め

仏像と花と山と写真を楽しみます

鎌倉の古き木彫りの阿弥陀像この里に住む君と拝む(おろがむ)

2013年12月09日 18時53分08秒 | 日記
 2007年秋に94歳で逝った母の2冊目の歌集「初雪草」に納められている

 私が仏像の写真を撮り始めたのは、母が逝った後、二度の法事帰省のときに二度とも不思議な体験をした
ことが切っ掛けだった  一度目は、車で県道を生家に向けて走っているとき、県道から凡そ2百メートル
離れた隣の集落にある小さな神社辺りになると、胸を中心にして体が小刻みに震えだした  生家が近づく
と体の震えは止まったので、そのままにしておいた

 その後、また母の法事で帰省した時も神社の近くを走ると体が震えだした  そこで、県道から市道に入
り、神社に参拝した  狛犬の目にはガラス玉が用いられていたが、片方の目のガラスは割れていた  狛
犬を撮影した後、境内を廻ると、床の下に虎と孟宗竹を乗せた大きな瓦があった  この大きな瓦は、屋根
の何処にあったのかは分からないが、多分、鬼瓦かもしれないと思った  床の下に潜り込んで撮影した 

 その後は、帰省のときに体が震えることは無くなった
  
 しかし、よく知った道を走っていると、つい道を右折したり、左折することがあり、そこに仏像があった
いつも通る道に、小高い丘や低山に向かう階段があれば、車を停めて階段を登ることが多くなった  そし
て登ったその先に廃仏毀釈で破壊され、頭部を失った石像、横倒しになっている石像などがあった

 今回、グランドゴルフ仲間で地域の老人倶楽部・「きらりかい」会長から「作品展に写真を」と依頼され
たので、公民館の祭りと同様に会員の作品を掲示して供覧に付すのだろうと気楽に考えて、パソコンでA3
ノビサイズにプリントして届けた

 そのことを忘れていた今月4日、テレビで作品展が開催されたと知り、県美術館に鑑賞に行ったところ、
私の作品「勤行」が県老人クラブ連合会長賞を受賞していた

 作品提出依頼を受けたのは、先月24日に母の7回忌で大分の田舎に帰省する前のことだった  提出は
7回忌から帰ってきた後だった  表彰式は12月8日

 母が逝った後の不思議な体験で仏像撮影を始め、母の7回忌前に依頼されて出展した仏像写真で受賞した
 不思議な縁を感じたので大阪の兄に話すと、「4人の兄弟は、あの神社に『お宮参り』をした」とのこと
だった  田舎の姉に電話すると、「子供の頃は、母の言いつけで学校の往復時には、神社の近くを通ると
きは神社を遥拝していた」というので、私も子供の時に神社に向かって手を併せて礼をしていたことを思い
出した

  父知らぬ息子は何を祈りしや靖国神社にわれと詣でぬ          母の歌集 冬の川
  生まれしより七十日目に父征けり父知らぬ子にわれは守らる         ∥   初雪草

    2013年12月9日
                                              風

※ 写真は、クリックすると拡大する


「勤行」 市内の寺の一角に集められた仏像は、改築などで置き場がくなった人が持ち込んだ仏像

廃仏毀釈で頭部を破壊された仏像に集落の女性・串間さんが花を手向けている

頭部を破壊された仏像に住職の許可を得て体内に納経の上頭部を復旧した

破壊された頭部をセメントで修復している

檀家が持ち込んだ仏像を薬師堂に安置

檀家が持ち込んだ仏像を薬師堂に安置

山の中腹にある無人の神社の外にある小堂に空海の座像と神道の鏡

神社の境内にあった寺の仁王像を、廃仏毀釈の時に山の麓に避難させたか  仁王像の周囲に寺や山門などはない

山友で喫茶店のママは、亡くなる1か月前に私の個展の写真をみて「慰められる 飾っておきたい」 今も喫茶店にA4版の写真